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「それで、なんでエクレールの事が気になって居るのかしら。もしかして、彼女の事が好きなの?」
「別にそういうわけじゃないよ。普通だったら逃げるんじゃないか?」
「まぁ、確かにそうだけれど。だからって他の女の子の事を詮索するなんて、むしろいやらしい事考えてるんじゃないの?」
「だから考えてないって。一体僕をどういうふうに見てるんだ?」
「本当は女の子が目当てで知らない場所までうろついてきたんじゃないかとか。多少疑ってはいるわね。」
もし本当にそうだとしても、アリシアと初めてあった時はむしろ恐ろしささえ感じたが。
「そういえば、エクレールに婚約者いるんだったっけ。」
「スフレから聞いたの?止めなさい。対抗心を燃やしたところで、貴方は一生庶民のままよ。」
「何で僕がエクレールの事が好きという前提で話が進んでるんだ?」
「エクレールが貴方の事は明らかに忘れているだろうけれど、貴方はエクレールの事を好きになりそうだと思っただけよ。」
「前者がおかしいだろ。いくらあいつがスライムに追いかけられるようなドジをするからって僕を忘れているわけないよな。」
「あら、そんな事をしていたのあの子。彼女は貴方が思っているほどの子じゃないから、別に期待しなくてもいいわよ。」
「ん?実は物凄く腹黒いとか?」
「それは隠してないでしょう?彼女、以前に馬小屋から馬が盗まれた時に私のせいにしたことがあるもの。天然なのか悪意なのかは分からないけれど、彼女によって引き起こされる騒動で精神的、金銭的ダメージを受けた人は大勢いるわ。」
「もしそれが本当だとしても、あいつに首輪を外されそうになったぞ?」
「私の首輪目当てだなんて。相当私にたいして何らかの汚名を着せたいのねあの子は。」
「お前、エクレールに一体何をされたんだ!?ていうか明らかにエクレールが僕の事を忘れているみたいじゃないか。」
そんな事はありえない筈だろうけど。
しかし、冷静に考えてみればエクレール、普通に僕を素通りして刺された後のアリシアにたどり着いたんだよな。
多分、暗いからよく見えていなかっただけだろう。
「まぁ、昔の事なんてどうでもいいのよ。若さゆえの過ち、若いからこそやってしまいがちな痛々しいミスは誰だってするわ。」
「いや、痛々しいっていう考えでいいのか?」
「あ。」
「どうした?」
「・・そういえば、スフレの事すっかり忘れていたけれど。」
色々ありすぎてすっかり、エクレールの妹の事を忘れていた。
村からはかなり近い場所だから、多分迷わずに生きて帰って居るだろう。




