○27
何度か剣を振り回すと、身体の機能面も向上しているように感じた。
これなら多少は何か起きても大丈夫かと思われるが、あまり油断するとアリシアみたいになりそうだ。
大量出血して倒れた後は、エクレールによって何とか命を落とさずに済んだ。
エクレールに人をすぐに蘇生させられる魔法があったことは意外だけど、果たして僕が死にそうになったら助けてくれるだろうか。
「ひとついいか?」
「何?」
「次にアリシアと会ったらまた彼女を殺すのはやめてほしい。」
「今更そんなことを言うなんて変わってるのね。それは彼女に聞きなさい。私が無傷でいられるのなら、そもそも誰も殺さないわ。」
「アリシアは、モニカに危害を加えたのか?」
「彼女、私が影から脅かそうとしたことに気づいて雷撃魔法を放ったのよ。視認性は無かったから、貴方は気がつかなかっただろうけど。あれで実は自動的に私の右手が彼女を殺そうとした。未遂に終わったけれど、これで彼女は敵意は明らかに持っていることは分かっているわ。」
右腕に巻かれている包帯を解く。
黒く、人間の腕には見えない形状をしていた。
「この腕は、七つの大罪の一つである暴食の力を最大限に発揮させるために作った物だから。問題は、たまに制御できなくなって何人か人を殺してしまうことはあったことかしら。」
「何でそんな物作ったんだ?」
「私の病気を治す、いや。誤魔化すために作られた物だから。私は身体が弱くて、食べ物を吸収できない体質だった。恐らくは15になる前に死ぬ予定になっていたけど、私は魔法使いに会って彼に買われたことになるわね。」
「買われた?」
「両親はかなり前に殺されて、私は奴隷になっていたのよ。相手が女騎士で、彼女の面倒を見る事になっていたけど。私を見るのが嫌になったのか彼女は魔法使いに奴隷として売り払うことになった。その後、私は実験器具とされ右腕に暴食の力の限界値を引き上げるパーツを移植される。それで私は死ぬこともなく生きていけたけど、肉体的には成長せず不死のまま生きている。魔法使い、私の御主人様が殺害された後は、グレコを連れて逃げることになったけど。逆にあちら側がギルド協会の討伐隊に追いかけられる羽目になったから。とりあえず私は再度ここに戻れた。と言ってもそう長くは居られないけど。」
「これからは、どうするんだ?その話を聞くと、10年間不死のまま変わってない。」
「右腕を切り落とせば死ぬわ。別に、不死だけど不死身ではないもの。」
モニカの元御主人様が何で彼女に、奇妙な力を持つ右腕を移植したのか。
彼女を生かしたいとはいえ、あまりにも力が過剰性能に感じてしまう。




