○26
グレコの真下に魔法陣が形成されると、その光の中から剣がゆっくりと出てくる。
「さて、まずモニカの話から始めましょうか。彼女は私の契約者であり、私の力の一部を持っています。私の力は七つに分かれており、その一つをモニカの右腕に移植しています。七つの大罪の一つ、暴食により彼女は不死性を手に入れました。
他の大罪はある人達によって奪われてしまったので、今は貴方に与えられる力は七つの大罪のプロトタイプです。名前は無いですが、無能力者であっても十分な力を持てるはずです。」
「そんな凄い武器なのか。というか、君達は何者なんだ?この場所は元々はどういう場所だったんだ?」
「ある魔法使いの研究施設の一つですよ。私を作った創造者は、七つの大罪を作り出した後に殺されてしまいましたが。モニカにより全てを奪われなくてすみました。」
「その剣を僕が使って、モニカのサポートをすればいいのか?」
「はい。そろそろこの場所を出ないといけませんから。とりあえず、この剣を取ってください。」
僕は一瞬ためらったが、とりあえずその剣を使ってみたくなったので立ち上がる。
その剣の柄を両手で掴み、力を込めて魔方陣から引き抜く。
アリシアはエクレールを連れて脱出した後、近くにいた軍人たちに引き渡していた。
「は、離してください!早く彼女の所に行かないとまた変なことするかも!?」
「変なのは貴方よ。」
リアナはそう言って呆れていた。
「貴方こそどうして彼女を狙ってるんですか?」
「危険人物だからよエクレール。貴方は単純に運が良かっただけなの。下手をするとアリシアみたいに刺されただろうし。」
ユリアはそう言ったが、まずエクレールは納得しなかった。
「私を助けてくれたのは嬉しいけど、貴方がやられたらどうすることも出来ないってわかる?」
次にアリシアも言ったが、やはりダメなようだ。
「大体、動物を生で食うような悪魔を何で助けようとするのかしら。」
「貴方には分かりません。」
「はあ。エクレールには何が見えていたのか。旧友であるアリシアには分かりますか?」
「リアナ、私にも分からないから。とりあえずこの子を安全な場所に拘束しておいて。」
「分かりました。」
「でも、アリシアは一人で行くんでしょう?」
「何も武器を持っていない人に言われたく無いわね。いっそのこと盾にしたいけど、私はあの殺人鬼にはもう倒されないから。」
「嘘言わないでよ。」
「じゃあユリア。その子のことよろしく。」
そう言ってアリシアは再度屋敷の方へ歩き出す。
「私悪いことしてないのに、何で拘束されるの!?職権濫用ー!?いやー!?」
「はいはい。大人しく捕まってくれる?後、この場所は一応立ち入り禁止区域だから貴方はもう前科ありなのよ?」
「きゃー、誰か助けて!?怖い人に誘拐されるー!?」
「やかましい暴れるな!?」
奮闘するリアナとエクレール。その光景をまた一人ずっと見ていた。
スフレはまだ気づかれていないが、エクレールみたいに拘束されたくないのでゆっくりとその場所を離れていった。




