○25
地面に叩きつけられたことで、別に特別なことは起きない。
まさにただのオシオキだが、モニカはこういった行為が好きなんだろうか。
「地球に愛されていないことを罪だと言わないけれど、それでも私は熱せられてイラついているのよ。」
「「は?」」
意味のわからないモニカの言動は、誰にも理解出来ないものだった。
「これから先私が生きていられるかだなんて知らないけど、本来であれば人類が先に死ぬべきであって地球ではないわ。」
「な、何を言ってるんですか?」
「何、ちょっとオラクルを受け取っただけよ。10月のくせに30度超える辺り、実は私のことを殺したい程憎いんじゃないかって神から文句を言われて。この場所も夏になると地獄みたいな感じになるけど、貴方としてはどうかしら。熱せられて殺されるのと、私の愛玩動物になって殺されるのどっちがいい?」
「どっちも嫌だよ。意味不明だけどとりあえずその神様の被害妄想もあるだろ。」
「ついさっきまで静かで可愛い女の子だったのに、突然キレてお腹にパンチしてノックアウトされたり。それに近い地球の温度だったのなら、きっと愛が強過ぎただけなのかもしれない。」
「あの、よく分からないんだけど。」
「もしもだけど。仮にこれから30度が20度になったり、あるいは20度から40度になったりするのは私に対する愛が転換期を迎えて殺意に変わってるんじゃないのかしら。本当は私の事が大好きなんだけど、本当は素直になれなくて。それで私は気づくのが遅かったから、愛が満たされない地球は別に貴方のことなんか好きじゃないんだからね!?って。これから先は恐らく吹雪にはならないみたいだけど、もしかしたら地球はもう愛していないのなら、神様はもう全てを見なかったことにした方がいいのかもしれない。」
「あの、さっぱり意味が分かりません。」
「ごめんなさい、私口下手だから。貴方を口説く方法が分からなかったわ。」
「く、口説かれてたんだ。」
「さっきの話は、とりあえず置いておいて。グレコ、この人にあれは使える?」
「使えると思いますけど、正直そこの陰が薄い人に渡すのはちょっと。」
「品が無いのは認めるわ。」
酷い言われようだった。明らかにモニカにからかわれているんだろうけど。
「彼に一応全てを説明して、納得させないとあの女に逃げられるじゃない?」
「逃げられるわけないと思いますけど。ところでさっきの話は何だったんですか?」
「オラクルって言ったでしょう?」
疲れているんだろうか。モニカは儚げに意味もなく天井を見上げていた。




