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異世界で騎士の奴隷となった日  作者: 時川
ネクストフェイズ
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103/131

〇103

雨の中を走って来たアリシアはとりあえず協会の中で落ち着いていた。

傘を持って居ればよかったけれど。

「遅かったですわね。」

ユリアが玄関の所に居たが、正直遅いは無いかとおもう。

「依頼の方は無いの?」

「今のところは。アリシアには、大罪武器に関連する事件を担当してほしいので。」

「この高慢もそうだけど。他に使える人を探すには時間が足りないしね。」

「それだけではありません。」

「え?」

「この前の事件で亡くなられた方々を調べた結果、教団の標的になった人物たちには不確かな金銭取引があったとか。つまり、教団に対してその人たちは何らかの金銭的扶助をしていた可能性があったのですけれど。」

「それで。どうして教団に殺されるのよ。」

「何らかの契約ミスでもあったのでしょうね。教団の内部抗争があったと思われますが、この先は油断ができていませんし。町の中で銃撃事件があったのですから。」

「ロワールもかなり物騒な場所になったわね。」

「そのような事態を解決する方法をこれから考えていますが。つい先ほど悪い知らせが届きまして。」

「また何かあったの?」

「はい。大罪武器、貪欲の所有者と思われる人物をつきとめました。」

「それが悪い知らせ・・?」

「えぇ。その人物の名前は分かりませんが、各地の遺跡で盗掘をしていたとか。遺跡の守護者や住人を徹底的に殺害し、その遺跡の重要な物を盗んでいったようです。更に、その場で殺した人間たちの武器を全て回収していったそうですが。」

「えっと・・情報量が多すぎて分からないんだけど。何で遺物じゃなくて武器を回収していったの?」

「余程のコレクター趣味でもあったのでしょうね。貪欲であるその男性は、遺跡に存在する聖剣クラスの魔法アイテムを収集することに執着心を抱いているようです。更に、彼は本来ならただの剣である物さえ、可能な限りかき集めていたそうです。」

「意味分からない・・。いや、それも大罪武器の能力なら分かるけれど。グレコはそれは分かって居たの?」

「いいえ。最初聞いた時は、貴方と同じことを言っていましたね。意味が分からないと、ある意味それも業の深さによる結果だそうですが。この時点で犠牲者はかなりの数となっています。遠く離れた遺跡での事件だったので、最初は盗賊の組織的犯行かと思われていたのですが。実際には一人の男性だと理解するには、かなり時間がかかってしまいました。」

「でも、聖剣クラスの武器を略奪するほどなんて。その大罪武器だけやたら強いのかしら。」

「それも不明です。大体、その方は教団から離れ過ぎていて。独自路線で行動していると思った方が理解が早いですから。」

「その教団の人たち、一体何がしたいのかしら・・。」

「恐らく、内部抗争で自滅したようなものでしょうね。最終的に自棄になって、自分たちに関係する人間たちを抹殺する手段をとったのでしょうか。」

「迷惑過ぎる人たちね・・。これは、リノンやテレジアも知らなかったの?」

「はい。まさか、そんな事をする人ではないと二人は否定していました。特にテレジアはその男性に対して恋愛感情を抱いているそうですが。」

「はぁ。で、名前は聞けなかったの?」

「はい。テレジアは適当にアルフォンスと呼んでいたそうですが。」

「アルフォンス?」

「テレジアが昔飼っていた犬の名前だそうです。」

犬の名前で呼ぶのに、恋愛対象に見ているのは少し釈然としていなかった。

ある意味、性癖が歪んでいる気はする。

「まぁ、テレジアの性癖がどういうものかは知らないけど。・・・あれで趣味悪って言っていたのもしかして自己嫌悪・・?」

「次はテレジアを奴隷にしてみたらいかがでしょうか。」

「いや、止めておくわ。それで本当になついてきたらちょっと・・。」

いや、テレジアの性癖に関して話し合っている場合じゃないんだけれど。

そのアルフォンス・・犬の名前をつけられた男性は果たして今どこに居るんだろうか。


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