第二十話 完敗
橘花とMig15はお互いの頭が見えるように近づいていた。
「ゴォォォォォ」
(距離三...そろそろか。)
もう奴らがはっきり見える距離になった。
(はっきり言って帰投したい....最悪攻撃されたら死ぬのは確定だ。)
だが.....
(ここで逃げれば航空司令部から大目玉を食らう。)
朝日少尉は腹をくくった。
「さて...生きて帰れるかな?」
朝日少尉は冷や汗を飛行服に垂らした。
その次の瞬間だった。MIG15の編隊がこちらに速度を上げて迫ってきた。このままでは衝突してしまうだろう...。
「....総員散開!ケツは取られるな!」
「「「了解」」」
無線で朝日は僚機に伝え散開を開始した。
散開したのは戦闘機同士戦う中での二次大戦からの常識であった。 本来密集して飛ぶと、一度に複数機が攻撃される危険があるからだが...。
「ゴォォォォォ」
「糞ッ...もう回り込まれた!」
そう...性能がありすぎて意味がないのである。
朝日は回避しようとしつつも僚機を見てみるが...既に背後に回られていた。
「全員...やられたのか....」
朝日は唯々自分の部隊が落とされなかったことに幸運に思った。
(これが本当の闘いなら一瞬で我々は死んでいるだろう....。)
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編隊長のミハイルは橘花の背後を僅か数十秒で取れてしまった。
「いや...これはさすがに弱すぎる。」
かつて日本が作ったという零式艦上戦闘機が世界の航空部隊を苦しめたらしいが...
「それも過去の栄光か...。」
明日実弾演習ができると思うとニヤッと口元が緩んでしまう。
「さて...お遊びはさておき。」
オッホン
「お前らお遊びは終わりだ。後は命令通りヤポンスキー共の艦隊の写真を撮って帰投するぞ。」ミハイルは各機に通達した。
「「「了解」」」
ミハイルは目の前にいる七面鳥を見下してに見た。
「イワンの言う通り落とせばよかったかもな....。」
(まあ...明日できることだ。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー長門艦橋ーーー
「方位90度距離3ソ連機MIG15 4機が本艦に向けて接近中!」
艦橋の空気はさらに重くなった。
ハーーと潮田艦長は頭を悩ませた
「いや...橘花でも時間稼ぎにもならなかったか。」
「....潮田艦長どうしますか?」と勇は言った。
「爆撃機ではないところを見ると偵察だろう...放っておけばいい。」
「ハッ」
(まあ...奴らが偵察して何をするかは知らんが...。)
艦橋からMIG15を睨むように潮田は見た。
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ミハイルたちの編隊は長門から約百メートル離れた地点まで到達した。
「ミハイル編隊長 撮影を始めます!」
「よし...イワンやってくれ。」
「はい!」
イワンはコックピットの端に置いてあったカメラを取り出し撮影を始めた。
「...戦艦1駆逐艦4か」
そうしているうちに撮影が終わった。
「編隊長撮影が完了しました。」
「よし!帰投するか。」
MIG15はウラジオストクへと帰投を開始した。
(明日は楽しみだ!)
MIG15のパイロット達は明日を待ち望んだ。




