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大賢者は転生したらさらに最強に!?  作者: ほわいとなきのこ
使用人篇
51/52

落ちこぼれ魔法使い

俺は元騎士団員のバジャーだ。



俺は平民から力だけで出世し、ついには第1騎士団の騎士団員にまでのぼりつめたが怪我をして奴隷に落ちてしまった。しかし、今はヴェルヘイム様に買い取られて屋敷の警備を担当している。



今日は休みの日だ。朝の鍛錬を終わらせてどこに行こうか考えているところだ。

ん〜、何か面白いところは無いものか。



「バジャー、今日休み?一緒に王都のダンジョン行かない?」



ん?

彼女は同じくヴェルヘイム様の奴隷のシリカだ。

ダンジョンか。

いいかもな。



「いいぞ。ちなみに私の冒険者ランクはAだ。」



「私はCよ。」



「そうか。では行くか。」



2人で屋敷を出て王都の街に向かう。

ん〜、シリカは結構美形だからな...

周りからの目が痛い...



よし、やっと着いたぞ。




ガチャ




「こんにちは依頼をお受けになりますか?」



受付の人が話しかけてくる。



「いえ、2人でパーティを組みたいと思いまして」



シリカが受付の人に伝えると



「了解しました。パーティ名は何になさいますか?」



「何がいいかな?バジャーなにかある?」



「ん〜なんだろうな....」



「じゃあシエル家の使用人とか?」



「そのまんますぎると思うがな。」



「んー他にあるの?」



「ん〜、ないな...」



「じゃあこれでいいよ。」



「ほ、本当に宜しいのですか?」



受付の人が若干引いている。



「まあ一時的なパーティだしね。これでいいでしょ。」



シリカが言う。



「分かりました。"シエル家の使用人"で登録します。で、今日は何の依頼を受けますか?」



「ん〜、何がいいかな」



「あ、この王都ダンジョンのボスを倒す依頼はどうかな?」



「ん、50階層ボスのアイスゴーレムか。Aランクの魔物だが...まあ今の私達なら問題ないだろう。」



「大丈夫なんですか!?貴方はまだしもそちらのエルフさんはランクが...」



「問題ない。彼女はランクは低いが強さは私と変わらん。そもそも私たちがこの程度の魔物の攻撃で死ぬことなどありえんしな。」



ヴェルヘイム様が下さった服には魔法攻撃無効、物理攻撃無効の魔法が付与されているからな。



「了解しました。承ります。」



「じゃ、早速行きますか」



「ああ、行くか。」



ーーー20分後ーーー


「よし、ここが王都ダンジョンか。俺は初めてだがシリカはどうだ?」



「私も初めて。さ、行きましょ」



「ああ」



かなり人が並んでるな。てか入場料を取られるのか。まあ給料も貰ってるから少しくらいなら大丈夫だろう。



「銀貨5枚ですか...まあまあかかるんですね」



「だな。早速入るか。」



受付に入場料を支払って中に入る。



「これがダンジョンか。」



「各階の一番奥に次の階層への道があるらしいですよ。さっさと50階層までいっちゃいましょう。」



「そうだな。こんなスライムなんかを相手にしている暇はないな。」



「身体強化」

「身体強化」



「とりあえずダッシュで30階まで降りるぞ。」



「了解!」



「どっちが先に着くか競争だ。3、2、1、0」



ドドドドドド.....



身体強化状態で猛スピードで走る。恐らく100km/hは超えてるだろうな。



よし、10階。続いて20階、30階まで着いた。



「着いたぞ。」



「私の勝ちね!明日の昼飯奢りね!」



「うそだろ!それはないって。」



「まあいいじゃない。ここまで来たけど魔物弱いわね。もうさっさと50階までおりちゃいましょう。」



「そうだな。」



2人で並んで走っていく。




「そういえばボスってどんな感じで出てくるんだ?」



「ん〜、別にボス部屋があるって訳じゃないわよ。ボスレベルで強いからボスって呼ばれてるだけで普通に生息している魔物の中で一番強いってだけよ。」



「なるほどな。」



「特に50階となるとほとんど人もいないし、誰も行ったことない場所もあるんじゃないかな。」



「そうか。そういえばここのダンジョンって人族最深到達階層って何階なんだ?」



「たしか本に94階層って書いてあったわ。100年前の賢者様の15人パーティがそこまで行ったって書いてあった。」



「94階層?そんなに凄いところなのか?とりあえず今日アイスゴーレムの討伐終わったら行ける所まで行っちゃわないか?」



「そうね。今の私達の実力を見てみたいしね。まあヴェルヘイム様とかリナ様とかセバ様とかだと余裕で1000階層とかまで行って帰ってきそうだけどね...」



「そうだな。あの人達はもはや別次元の強さだから気にしなくていいんじゃないか?」



「そうね。お、そろそろ50階層に着くわ。」



「着いたな。」



50階層は氷の洞窟のような場所だ。



「うーん、アイスゴーレムどこかな?」



50階層はかなり魔物が少ないな...



お、いたいた。



「いたいた。あそこ、あれアイスゴーレムだよね。」



「一応鑑定しておくか。鑑定」



「そうね。鑑定」



名前:アイスゴーレム(Aランク)

lv:60

体力:15000/15000

魔力:2500/2500

力:1500

防御力:1000

素早さ:10



「アイスゴーレムで間違いないな。大したことない相手だしさっさと倒してしまおう。」



「そうだね。さっさと倒しちゃお。ファイヤーボム」



アイスゴーレムが内側から爆発して飛び散る。



おお、怖。瞬殺かよ。



とりあえず俺は飛んで行った魔石をかいしゅうしーーー



ん?



血の匂いか!?



「おい」



「これはまずいわね。」



「こっちだ。」



「了解」



30秒ほど歩いたところには20代前半の女性が横たわって血を流しており、アイスゴーレムよりも一回り大きいゴーレムに殺されかけていた。



「あれはブリザードゴーレムね。」




「知ってるのか?」



「知ってるも何も鑑定すれば一瞬でわかるじゃない。それより早く助けないと死んじゃうよ。」



「鑑定」



名前:アイスゴーレム(Sランク)

Lv:100

体力:50000/48500

魔力:5000/5000

力:2000

防御力:3500

素早さ:25



僅かながら体力が減っている。

少し

は抵抗したのだろう。




「そうだな。行くぞ」



「身体強化!オルァァァァァァァァ!!!」



ズバァッッッ!!!!



俺が剣を振るってブリザードゴーレムに切りつけるとゴーレムは真っ二つに割れて崩れ落ちた。



「鑑定」



この女性今すぐにでも死にそうだ。




名前:イリナ

種族:人族

Lv:31

体力:2000/24

魔力:2500/0

力:100

防御力:100

素早さ:100

状態:瀕死

称号:Cランク冒険者、裏切られし者



「うわっ。これは酷いわね。ヒール」



ひとまず大丈夫なはずだ。少なくとも体力が200程は回復しているだろう。



「Cランク冒険者がなんでこんな所に?」



「さあな。」



裏切られし者とある。きっとパーティ仲間に裏切られたんだろう。可哀想に。



「しかしこれはあれだな。連れ帰って治療しなきゃいけないレベルだな。」



「そうね。念話でヴェルヘイム様に聞いてみるわ。」



「おっけー。許可取れた。直ぐに連れてくわ。この前私リナ様に転移魔術もどき教わったんだよね!指定した魔石の所に転移できるってやつ。」



「便利だな。俺ら3人転移させられるのか?」



「多分大丈夫だよ。じゃあちょっとまっててね〜」



シリカが詠唱を始める。



〜〜〜〜。転移!」



シュッ



俺の視界が屋敷に切り替わる。




シュッ!



「どう?出来てるでしょ?」



「凄いな。これは便利だ。とりあえずこの人をベッドに運ぶぞ。」



「空き部屋のベッドを使っていいって言われてるからそこまでよろしく。」



「了解した。」



俺はこの女性を運んで俺たち使用人用の部屋がある場所に向かう。



「ふぅ、これでいいか。」



俺は空き部屋のベッドに女性を寝かせ、イスに座る。



「あ、私は今日の依頼達成報告してくるからその人のことお願いね!」



「わかった。戻ったら寄っていってくれ」



「わかったわ。じゃあね。」



「ああ。」



ーーー5時間後ーーー



2時間程前シリカが帰ってきたがまだ女性は寝ている。今シリカは自分の部屋にいるのだろう。それにもう16時か。あと1時間程でヴェルヘイム様が帰ってくるな。



「ん...んん....」



ん?起きた?



「大丈夫か?」



「ん...え?ゴーレムは...?貴方は?ここは?」



「私はバジャーと言うものだ。ゴーレムは倒したぞ。」



「あのゴーレムをですか?お強いのですね...私はCランク冒険者のイリナです。私なんかをこんな場所で治療していただいて...本当にありがとうございます...」



「いや、ここは私の場所じゃないんだ。私の主の屋敷だ。」



「え...主...様...ですか?」



「そうだ。ここはシエル伯爵家当主ヴェルヘイム様の屋敷だ。」



「き、貴族様!?私こんな場所にいられません...」



「大丈夫だ。ヴェルヘイム様は温厚な方だから安心しろ。貴方が瀕死の状態だと聞いて屋敷で治療することを許可してくださったんだ。」



「そうなんですね...本当にありがとうございます...」



「それと一つ気になることがあるんだが...嫌なら言わなくても良いが、なぜCランク冒険者の君が1人で50階層なんかにいたんだ?」



「それは...実は私、Bランクパーティーの魔法使いだったのです。周りは皆BランクやAランクの人で私は足でまといと言われていました。今日はアイスゴーレムの討伐に来ていましたが、不運な事にSランクの魔物であるブリザードゴーレムに出会ってしまって...わたしは囮にされました...」



「そうか...辛かったな。」



「ありがとうございます...」



...



...



...



...



沈黙の時間が続く。



「今から冒険者に戻る気になれるか?」



「...」



彼女は答えない。

まあ無理も無い。仲間に裏切られるのは辛いからな...



「無理にとは言わない。シエル家の使用人になってみる気は無いか?」



「え?」



「うちは人手が不足しているんだ。使用人全員に個室が割り当てられるし休みもある。朝昼晩つきだ。ちなみに、かなり高度な、いや、世界で1番の訓練を受けられることを保証する。」



「世界で1番...?」



「そうだ。はっきり言ってお前を囮にしたやつらに復讐出来るくらいなら簡単に出来る。どうだ、ここで強くなってお前を囮にして逃げていったやつを見返さないか?」



「...」



「...」



「やります...」



「...」



「強くなって必ずアイツらを見返してやります!!!」



「そうか。では最後に注意点をひとつ。シエル家には秘密が大量にある。それを必ず守ってもらうことになる。それもヴェルヘイム様の魔術で強制的にだ。」



「強制的...?ですか...?それって私にその事を話した時点で私に拒否権ってないじゃないですか?」



「よく分かったな。」



「バジャーさん酷いです笑笑」



「そうか。まあでも良かったじゃないか。」



「そうですね。」




ーーーsideイリナーーー



私はイリナ。平凡な魔法使いだ。子供の頃から平凡と言われ続け、大人になっても平凡な魔法使いとして生きてきた。パーティでは落ちこぼれ、約立たず、足でまといと言われ続けて、しまいにはSランクの魔物から逃げるためのお取りにされてしまった。



ああ...



私の人生ってなんだったんだろう?



そこで私の意識は途切れた。




目が覚めたらそこは綺麗な部屋だった。



ここはどこ?



ん?



目の前で男の人が椅子に座っている。

かなりガタイのいい人だ。この人が助けてくれた...?



話を聞いているとやはり彼が助けてくれたらしく、名前はバジャーというらしい。ちなみにここはシエル家という貴族様の屋敷らしい。



貴族様の屋敷...!?



私がこんなところにいていいの!?私平民だよ!?こんなに汚い平民が貴族様の屋敷に...



しかしバジャーさんは大丈夫だと言うどころか、私を使用人にならないかと勧誘して来た。



私が使用人?この平凡な私が?貴族様の使用人なんて無理に決まってる。



しかしバジャーさんは最高の環境を約束すると言ってくれた。それに私を見捨てた奴らに復讐できるくらい、いや、それ以上に強くしてやると言ってくれた。



うん、ここの使用人になります。

いや、でもそんな強くなる方法って違法な薬物とか人体実験とかやってそう...んー、怖いな...どうしよう...

もうどちらにしろ生きる気力もないし

もうどうとでもなれ!



ガチャ



不意に部屋のドアが空いてまだ学生であろう子供が入ってきた。貴族様のご子息?



「先程言っていた女性は大丈夫か?」



その子が言った。



「おかえりなさいませ。ヴェルヘイム様。今は大分容態が回復しております。」



ん?ヴェルヘイム様?ヴェルヘイム様って貴族の当主様だよね?



「そうか、ありがとう。え〜っと、名前は...」



「あ、私はイリナと申します。この度は本当にありがとうございました。」



すかさずお礼を言う。誰から分からないが少なくともこのバジャーさんより目上の人なら礼儀を尽くしておかなければ。



「そうか。イリナさんか。体調は大丈夫?念の為パーフェクトヒールをかけておくか。」



「私はもう大丈夫で...え?」



ん?



ん?



んんんん?



パーフェクトヒールって聞こえたのは気の所為...?



待って待って待ってなんか急に体が超絶軽くなって所々にあった傷も全部消えたぞ...!?



「よし、これで大丈夫だね。」



まさか、この子供が本当にパーフェクトヒールを!?

いや、そんなはずは無い。ロストマジックのパーフェクトヒールを無詠唱で使えるわけないじゃないか。今のはハイヒールでも同じ効果だったはずだ。



「流石です、ご主人様。私、イリナを使用人として招き入れたいと思っておりまして、既に話もつけてあります。」



ご主人様...!?ってことはこの人はシエル家の当主なの!?



子供が貴族の当主?どういうこと?



それよりも今のバジャーさんの発言を聞いた瞬間にこの子供の雰囲気がガラリと変わった。怖い。



「そうか...秘密は守れるな...?というか強制的に守らせるが...それよりもシエル家の秘密を見る覚悟があるのか?はっきり言ってうちは秘密だらけの貴族だぞ?」



「はい。それでも私を見捨てた人達を見下せるほど強くしてくださるとの事でした。それなら私はなんだって受けいれます。」



「そうか。ん〜、何か勘違いをしているなら申し訳ないけど、家の秘密と言っても家は違法な人体実験や薬物をやっている訳では無いよ?」



え?



じゃあどうやってこの平凡な私を強くするの?



「絶対に強くなれることだけは保証できるから安心してくれ。」



バジャーさんが言う。



「わかりました。」



「そうか、では今すぐにシエル家の秘密を守る魔法をかけて仕事の制服と戦闘用のローブと家のキーの指輪を配給する。えーっと、あった。はいこれとこれとこれ。」



え?



え?



え????



何も無いところから服が2着と指輪が出てきたんですけど?



なんで?



「えーっと、どこから出てきたんでしょうか? 」



「これは空間収納っていう魔法だね。魔法使いならまあ2、30年後くらいには使えるようになると思うよ。」



はい?



それロストマジック...



「それにその指輪と服からも凄いものを感じるのですが...」



その指輪と服、ただの服じゃない。それにヴェルヘイム様が来ている服もただものじゃない。



「ああ、この服には物理攻撃無効と魔法攻撃無効と清潔の魔法が付与されてるから。それとこの指輪の効果は...まあ後でバジャーの方から説明しといてくれ。それと使用人になるのは今日からでいいよね。そのままこの部屋使っていいから。バジャー、後でイリナさんに屋敷を紹介しておいてくれ。」




「了解しました。」




「了解しました。」



この時点でシエル伯爵家のヴェルヘイム様は私の主君となった。

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