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第22話 巨大タコの触手パニック! 絶体絶命からの絶品焼きたこパーティー!

 しばらくして、岩陰からエマが小走りで砂浜に戻ってきた。


「冷たくて気持ちいいーっ!」


 完成したビキニ姿のエマが、水しぶきを上げて波打ち際で楽しそうに遊んでいる。

 太陽の光を浴びてキラキラと輝く白い肌。

 地下三階での生活で少し大人っぽく成長したそのスタイルの良さに、僕はまたしても見とれてしまった。


(……やばい、可愛すぎる)


 そんな平和で最高な時間を切り裂くように、海面が突然、不自然にボコボコと泡立ち始めた。


『ゴボボボォォッ!』


「えっ……きゃあぁぁっ!」


 海中からものすごい水柱を上げて現れたのは、見上げるほど巨大なタコのような魔物だった。

 太くてヌルヌルとした不気味な触手がうねり、エマの足に勢いよく巻き付く。


「エマ!!」


 触手はエマの細い足を縛り上げ、そのまま逆さまにして宙に持ち上げた。


「いやっ、離して……っ!」


 ギリギリと強い力で締め付けられ、ビキニ姿の柔らかい胸がむにゅんと強調される。


(……って、こんな非常事態にどこ見てるんだ僕は!)


 激しく首を振って雑念を追い出す。


「フェル、たすけて……っ!」


「今行く! やぁぁっ!」


 僕は砂浜に置いてあった鉄の盾と牛刀を掴み取り、海の中へダイブした。

 ザバァッ!

 水の抵抗が重い。でも、脚に力を込めて、エマを捕らえている触手に向かって一直線に進む。


『ギョロロロッ!』


 タコの魔物が僕に気づき、別の触手を鞭のように振るってきた。

 ガギィィンッ!

 鉄の盾で強烈な一撃を弾き返す。


「エマを離せぇっ!」


 僕は海水を蹴り上げ、渾身の力を込めて牛刀を振り下ろした。

 ズバァッ!

 強化された鋭い刃が、エマの足に巻き付いていた触手を真っ二つに切り裂いた。


『ギェェェェッ!?』


 触手を切り落とされた痛みに悶え、タコの魔物が奇声を上げる。

 そして、ドス黒いスミを大量に吐き出しながら、海の奥深くへと逃げていった。


「きゃっ!」


 拘束が解け、空中から落ちてきたエマを、僕は盾を放り出して両腕でしっかりと受け止めた。

 バシャァッ!

 二人で海の中に倒れ込む。


「はぁ、はぁ……。大丈夫、エマ? 怪我はない?」


「う、うん……。フェル、ありがとう」


 恐怖で震えるエマの背中を、ポンポンと優しく叩く。

 エマの柔らかい体が僕の胸に密着していたけど、今はエッチな感情よりも、助けられた安堵感の方が大きかった。


 エマを抱き抱えながら、砂浜へと戻る。

 波打ち際には、さっき僕が切り落とした巨大なタコの足が、まだピクピクと動いて転がっていた。


「……これ」


「……食べるしかないよね」


 顔を見合わせ、僕たちは同時にコクリと頷いた。

 気を取り直して、僕たちは砂浜に焚き火の準備をした。

 さらに、余った素材で釣竿をクラフトし、海で魚を何匹か釣り上げる。


「よし、焼くぞー!」


 釣ったばかりの魚と、タコの巨大な足をぶつ切りにして串に刺し、焚き火にかける。

 ジュウウッという音とともに、磯の香ばしい匂いが弾けた。


「熱っ! でも、おいひぃ!」


「すっごい弾力があって最高だ! 焼きたこパーティーだな!」


 さっきまでの恐怖はどこへやら。

 僕たちは、お腹がはち切れそうになるまで、地下ダンジョンの海の幸を堪能した。

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