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第21話 雪の次は常夏の海!? ギリギリすぎるビキニ水着を大発明!

 地下四階の極寒の雪原を抜け、氷の壁の先にあった重厚な扉。

 それを二人で力いっぱい押し開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。


「うそ……ここ、本当にダンジョンの中!?」


 さっきまでの凍えるような雪景色が嘘みたいだ。

 頭上には抜けるような青空。足元には真っ白な砂浜。

 そして、見渡す限りの青い海が広がる『海洋エリア』だったのだ。


 ジリジリと焼け付くような太陽の光が、容赦なく降り注いでいる。

 ザザーッ、と波の音が心地よく響いていた。


「フェル! 海だよ、海!」


 エマが目を輝かせて、砂浜へ駆け出していく。

 でも、数歩走ったところで、彼女はピタッと足を止めた。

 そして、ダラダラと滝のように汗を流して振り返る。


「……あ、あつい。フェル、死ぬかも……」


「当たり前だろ! 早くそのコート脱いで!」


 僕たちは、さっき作ったばかりの分厚い熊の毛皮のコートを着たままだ。

 極寒の雪山では命綱だった防寒着も、この常夏のビーチではただの拷問器具でしかない。

 慌ててモコモコのコートを脱ぎ捨て、砂浜に放り投げる。


「ふう……生き返った。でも、まだ暑いね」


 エマが服の襟をパタパタと扇ぐ。

 地下三階で作った薄手の服に着替えたけれど、それでもこの日差しの中では汗が滲んでくる。


(こんな猛暑の中でずっと過ごしてたら、絶対に熱中症で倒れちゃう!)


「エマ、急いで涼しい着替えを作ろう! 海に入るための服だ!」


「うんっ! わかった!」


 僕たちは砂浜の砂や、近くのヤシの木のような植物から大きな葉っぱをむしり取り、クラフトの素材としてかき集めた。


「エマ、海に入るための水着をイメージするよ」


「うんっ! 任せて!」


 僕はエマと向かい合い、ぎゅっと手を繋いだ。

 汗ばんだ手のひらが重なり合う。

 目を閉じて、頭の中に水着の構造を思い描く。


(とにかく動きやすくて、涼しいやつ……! 布は少なめで、水に濡れても重くならないような……!)


 僕の知識と設計図を、エマの魔力へと流し込んでいく。

 ピカーッ!と魔法の光が弾けた。


「できた! ……って、フェル?」


 光が収まり、エマが完成した水着を拾い上げて胸の前で広げた。

 それを見て、僕の顔から一気に血の気が引く。

 布の面積が信じられないくらい少ない、紐で結ぶような大胆なビキニスタイルの水着だったのだ。


「えっと……これはその、涼しさを極限まで追求したら、結果的にこうなっちゃったというか……」


 僕は必死に目を泳がせる。

 エマはジト目で僕をじろりと睨んできた。


「フェルってば、またこういうえっちな水着作って!」


「ご、ごめん! わざとじゃないんだ! 本当に!」


 以前、下着を作った時の記憶がフラッシュバックして、顔から火が出そうなくらい熱くなる。

 でも、エマはふふっと小さく笑って、水着を胸に抱き寄せた。


「でも……フェルにだったら、みられてもいいかな?」


「えっ?」


 心臓がドクンッと大きく跳ねた。

 頭が真っ白になって固まっていると、エマはペロッと意地悪そうに舌を出した。


「冗談よ、ばーか!」


 エマはそう言って、クスクス笑いながら近くの岩陰に隠れて着替えに行ってしまった。


(からかわれた……! でも、あの言い方は反則だろ!)


 僕は赤くなった顔を冷やすように、両手でパシパシと頬を叩いた。

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