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生産スキルを甘く見るなよ?  作者: グラウンド・オーシャン
第1章 召喚and夢幻列島編
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7話 親方!どこからか女の子が!

 今、起こっている事をありのままに説明しよう。洞窟に戻ったら、ボロボロの少女が倒れてました。息はあります。以上です。


 ……うん。ガチでどうしよう。この辺り、人が生きてけるような環境じゃ無いんだよな。そこで、人が瀕死で倒れてる?明らかにこの人普通の人じゃないだろ。助けてもいいのか?


 助けた時のメリットを考えるか。……心の癒し?まあ、1人じゃ無くなるってのは精神的にはいいかもな。あと、真面目に考えるとここがどの辺りに位置するかも分かるかもしれないから、帰る目処が立つかもしれない。


 次、デメリット。もしも精神的に逝っちゃってたら、そのまま戦闘になりかねない事かな。多少レベルは上がってるけど、この辺りにいるって事はこの人もかなり戦えるんだろうし……ううむ。


 取り敢えず、俺は倒れている少女をマジマジと見つめる。髪は黒髪でショートヘア。身長は150くらい。胸は……普通並みかな。これだけ見るなら、日本人かと判断したかもしれない。


 しかし、俺はこの人の顔に見覚えはなかった。それに、緑色のワンピースみたいな服を着てるならまだしも、その上から黒いマントを羽織ってる時点で日本人のセンスでは無いのだ。そんなのは日本じゃ厨二病って扱われるからな。


 もっとも、その服とかもまるで刃物が掠ったかのように引き裂かれている。一部痛々しい傷も残っているが、致命傷になる程では無い。おおかた、安全地帯に逃げ込めた事で安心し、そのまま気絶した……そんなところだろう。


 ……助けるか。最悪、治療した後鎖とか作って繋いどけば暴れたりは……するよなぁ。まあ、暴れられても事情を分かるまで永遠に説明すればいいか。アダマンタイトならそこら辺に落ちてるんだ。ついでに硬化とか付与しとけば壊されはしないだろうし。


 そうと決まれば、さっそく治療の開始だ。と、言っても何すればいいかなんて分かんないんだよな。取り敢えず傷口にポーション塗って包帯でも巻いとけばいいか。と言うわけで


「ファストクリエイト」


 材料はサーベルスパイダーの糸だ。あと、ついでにエンチャントも付与しておこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

包帯

分類 装備

レア度 超レア

エンチャント 自然治癒 (装備者の治癒力を高める)

説明

 蜘蛛の糸で作られた包帯。蜘蛛の糸と聞くと嫌がる人もいるかも知れないが、しなやかで、伸縮性があって、丈夫で、肌触りも良いという非の打ち所がない無い逸品。ついでに治癒力を高める効果もある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 エンチャントの材料は勿論ポーションだ。これから使うとは言っても、在庫が十数本あるから全く問題は無い。てか、これ俺が装備してもいいくらいの品じゃ……まあ、気にしたら負けか。


 じゃあ、まずは薬を塗るか……服、脱がすしか無いんだよな。流石に気が引けるんだけど……。うん。治療行為だ。割り切ろう。


 という訳で、服を脱がせました。と言っても、怪我してるのは肩辺りだったから上だけだ。……幸い、胸に巻いてるのは晒しみたいな布だったからな。その上から包帯は巻けそうだった。よって見たのは下着までだ。セーフだセーフ。


 で、服を退かしたから、薬を塗る。仮にも、特上薬草を使って作った超強力ポーションだ。治癒力は大いに期待できるだろう。……気絶していてもなお呻き声を上げさせるほど痛いってどれだけ染みるんだろうな、このポーション。


 で、後は包帯を巻いて終わり。よし、ここからどうしようか。一応、怖いから鎖作って繋いどくか。……繋いだとこ (壁)が抉れるかもしれないけど、付けないよりはマシだよな、うん。あ、ちゃんと体に負担が掛からないように寝転がれるようにはするよ。それに、敵意がなかったら外すしね。


 という訳で、鎖を作って繋ぎました。アダマンタイト製、硬化付与、あとついでに治癒力向上だ。正直、ずっと様子を見るのもメンドイからな。早く起きて欲しい。


 じゃあ、今日手に入れた肉でも焼きますかね。火種?俺の剣で十分だよ。じゃあ、早速……


「ううん……?」


 ……起きるの早いよ。まだ処置してから三分も経ってないぞ。アレか?俺が治癒力向上なんて2つも付けたからか?


 少女は、自分が治療されていること、そして鎖に繋がれているのを確認すると、真っ直ぐに俺を見つめてくる。気絶しているときは解らなかったが、瞳は透き通るような蒼色をしていた。そして、弱々しい声で呟く。


「……貴方が、治療して、くれたの……?」


 俺が「そうだ」と言うと、少女は


「ありがとう……」


 と返事し、そのまま大人しく座っていた。それを見て、俺は話し掛ける。


「あー、その、アレだ。鎖とかに繋がれてる事に関しては、特に何も無いのか?正直暴れると思ったんだけど」


「助けて貰ったんだから、文句は、言えない。……それに、普通、こんな所に人が居たら、怪しむ」

 

 どうやら、彼女は俺と同じ考え方のようだった。まあ、取り敢えず落ち着いてるみたいだな。鎖外しちまっていいかな。


 そして、俺が鎖を外すと、彼女は不思議そうな顔をする。


「……外しても、いいの?裏切るかも知れないのに?」


 そう言われ、俺は頭を掻き毟りながら言う。


「大体、そう言う奴って裏切らないと思うんだけどな……。それに、この場所に来てからまだそんなに時間が経ってねえんだよ。お前は、そこら辺詳しいだろ?多分」


 その発言を聞いた後、少女が呟く。


「……フィール」


「は?」


「フィール。それが、私の名前」


 どうやら、お前と言われたことに反応したようだ。まあ、名乗られたからには俺も名乗らなければならないだろう。


「あー、黒野海斗だ。黒野でも、海斗でも、好きに呼んでくれ」


「カイト、カイト……」


 フィールは、心に刻み込むように名前を繰り返す。


「まあ、自己紹介も終わった事だし、何があったのか聞かせてくれねえか?俺の命にも関わるからな」


 俺がそう言うと、フィールはコクンと頷き、話し始めた。


「……この島の主に襲われた。私は、全力で逃げようとした。幸い、魔法とかを使って振り切れたけど、魔力が尽きて、ここに逃げ込んだ……」


「島の主?」

 

 それってどんな奴なんだ?と言うのと、ここって島なのか?という疑問を乗せて聞き返す。


「……ドラゴン。それも、カメレオンみたいに、姿を消せる、化け物。もし、気づくのが遅れてたら……私も、食べられてた」


「おおう……」

 

 ちょっと洒落になってねえんじゃ……。なんだよそのドラゴン。ただのチートだろ。


 あと、ここが島なのかどうかも聞き出したい。


「ここって島なのか?」


 そう聞くと、フィールは不思議そうな表情を浮かべ、答える。


「……ここは、"夢幻列島"って、呼ばれてる、島。……貴方は、自分で来たんじゃ無いの?」


「いや、なんか気付いたらここにいてな。……来れるって事は、帰る方法もあるんだよな?」


 しかし、フィールはその発言に首をふる。

 

「……帰れない。少なくとも、普通の方法じゃ」


「……なんで?来る方法がある位なんだろ?」


「来る方法は、ある。だけど、一方通行」


「どういう事だ?」


 そう聞くと、フィールは小さな声で呟いた。


「夢幻列島は、空に、雲より高く、浮かぶ島。下に広がるのは、果てしない海。……空でも飛ばないと、帰れない」


 俺は、その発言に頭が真っ白になった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……落ち着いた?」


「……ああ」


 取り敢えず、空にある島だと聞いて俺は冷静さを欠いていた。その間に、フィールが俺の持ってきた肉を焼いて、それを食べてようやく落ち着いたところだ。いやー、やっぱり美味いもの食うと落ち着くねえ。


「……ところで、なんでフィールはこんな所にいるんだ?ここ、人がいるような場所じゃ無いんだろ?」


 俺がそう聞くと、フィールは俯きながら答える。


「……私は強い力を持ってた。お父様達はそれを周りに隠した。でも、10歳の時にその力がばれた。みんな、私を殺そうとした。だけどお父様は、私を殺さない代わりにここに置き去りにして行くことを決めた。……生き延びる確率が僅かでもあるならって。それが、6年前」


 予想以上に重たい話だった。しかし、聞き始めてしまったからには詳しい事情を知りたい。


「……お父さんは、守ってくれなかったのか?」


「……お父様は、龍人族の族長だった。そのお父様が全力で説得して、ここへの置き去りが譲歩の限界だった。それほど、みんなの恐怖は大きかった」


 フィールの発言に、俺は驚く。


「は?龍人?」


「……あれ?言ってなかった?」


「言ってねぇよ。え?龍人?本当に?」


「うん。本当に」


「そうか……」


 今、俺の目はきっと輝いているだろう。何せ、こんなところとはいえ始めて会った亜人?だ。オタク魂が黙っている筈はない。


 と、そこでフィールが言葉を紡ぐ。


「……怖くないの?」


「は?」


「私は、龍人。その上、その中でも強い力を持ってる。カイトは、そんな私が怖くないの?」


 その発言に、俺は呆れながら返事をする。


「怖い訳ねえだろ。力を持ってたって、それをどう使うかはそいつ次第なんだ。お前は、自分の為だけに誰かを傷つけるような事をするのか?」


 俺の発言に、フィールは首をふる。


「それなら、全く怖くねえよ。……つーか、お前を怖がってる位の奴が、この島で生き延びるなんて夢のまた夢だ。むしろ、化け物でも理性があるなら協力して島を出なきゃやってらんねえよ。そう、思わねえか?」


 フィールは、その話を聞いて少し悩んだ後に頷く。


「じゃあ、これからお互い宜しくな」


「え……?」


 俺が言った言葉に、フィールは動揺する。


「え?いや、今の流れは一緒に行動しようってなる流れだろ?それとも、一緒に行動するのは嫌か?」

 

 俺がそう聞くと、今までにないくらい力強く首をふる。


「……貴方は、私を恐れなかった。私を、信じてくれた。私も、貴方を信じる。だから、連れて行って!」


「……ああ!まあ、俺は弱いからな。もしかしたら、俺が連れて行ってもらう側になるかもしれないけど、これから宜しくな!」


 そうして、龍人の少女、フィールと行動を共にする事になった。

 



 (そう言えば、強い力を持ってるって聞いたけど、実際どんくらいの力を持ってるんだろうな。ちょっと悪いけど、覗かせて貰おう。鑑定)


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フィール・ヴェーチェル

種族 龍人

レベル 121


体力 750

魔力 1750

筋力 750

敏捷 1250

物防 1000

魔防 2000


スキル

 隠密レベル4 探知レベル4 裁縫レベル4 《虹》レベル5

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《虹》

分類 特殊スキル

説明

 空間魔法を除く全属性魔法、高速詠唱、魔法複合、並列詠唱、魔法創造の複合スキル。さらに、発動した魔法の属性を入れ替える「チェンジ・エレメンタル」を可能にする。

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高速詠唱

分類 スキル

説明

 魔法の詠唱を大幅に削ることが出来る。高速詠唱のスキルレベルより、発動したい魔法のレベルが高い場合は削ることが出来ない。

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並列詠唱

分類 スキル

説明

 魔法を並列して詠唱する事が出来る。どうやって2つ以上同時に詠唱しているかは考えてはいけない。並列して詠唱出来る魔法の数は並列詠唱のスキルレベル+1 個。

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魔法複合

分類 スキル

説明

 複数の属性の魔法を合成して魔法を放つ事が出来る。複合出来る魔法の数は魔法複合のスキルレベル+1。ただし、多くの属性を合成すればするほど魔力を消費し、一つ辺りの属性の威力は落ちる。ただし、トータルの威力は上がる。

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魔法創造

分類 スキル

説明

 自分のイメージに沿って新たな魔法を作り出す事が出来る。ただし、レベル1で属性魔法のレベル1相当、レベル3で属性魔法のレベル3相当と言ったような威力の魔法しか作れない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……勇者並みのチートじゃね?これ。


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