第8話 大好き、来斗くん
彩色ケイです。
ずっと遠くで見てた。
遠すぎて、届くと思ってなかった。
片想いっていうのかな。
はじめて見たのは、小学生の時、同じクラス。
でも、しゃべったことなかったよね。
図書館に行くと、辞書を読んでる。
カッコいいって思った。大好きって思った。
理由は、ね。
来斗くんが、クラスの成績トップだったから。
そんな初恋です。
頭が良い人って、すごいと思ってる。
私なんて、下の下だよ。
何で、頭良い人好きになってるの。
相手にしてもらえるワケないじゃんって。
双子の妹ミイに、何度も言われてた。
でも、一番応援してくれたのもミイだった。
魔法のワンピースなんて、反則だよね。
寂しかったよ。来斗くん。
でも、今は…。
第8話 大好き、来斗くん
彩色家。
「うう。幸せ」
ケイは、余韻にひたっていた。
来斗くんとの初デート。
ゲームセンターに行って、レストランで昼食を食べて。
その後、映画まで二人で観に行った。
CGアニメである。
おもちゃが頑張る有名な映画である。
来斗くんが、その最新作を観たかったそうで、一緒に観た。
すごく楽しかった。
「彩色さんと一緒って楽しいね。また、行こうね」
微笑む、来斗くん。
カッコいい。大好き。優しい。
こんなに好きな人と一緒にいられるなんて夢みたい。
大好き、来斗くん。
「ケイ。一緒に、お洋服ラボに行こう〜」
双子のミイが誘って来た。
「いいけど。またお客さまを見つけたの?」
「う〜ん。たぶん、お客さまかな〜」
そう言って、ミイは、片手に止まった小鳥を見せる。
彩色家では、小鳥は飼っていない。
「わたしは、天使エルエルです…」
たぶん、小鳥がしゃべった。
「ええ?」
ケイは、驚く。
「お洋服ラボの場所に連れて行ってください」
小鳥天使エルエルが、たぶんしゃべっている。
お洋服ストリート。お洋服ラボ。
「て、天使かしら?」
バーバラ先生は、明らかに動揺している。
「お久しぶりです。幻想世界の魔女」
「わ、わたしは、女の娘の恋を叶えるだけよ」
「苦情を言いに来たワケではありません」
小鳥天使エルエルが言う。
ケイとミイは、わからない話。その1。
幻想世界がある。
そこには、女の娘の恋を叶える魔女がいた。
それが、バーバラ先生。
そして、助手のるてるて。
強大な魔力を持つ魔女は、恋を叶えたい幻想世界の女の娘に“魔法のドレス”を与える。
次々と、恋を叶えていた。
女の娘の幸せが、魔女バーバラ先生の幸せだからだ。
ある日、現実世界の存在を知った魔女は、現実世界の女の娘の恋も叶えてあげたくなった。
“魔法のワンピース”を作った。
現実世界に、自分のお店お洋服ラボを作った。
監視役は、天界の大天使ダニエル。
その目が届く範囲でバーバラ先生は現実世界の女の娘の恋を叶える。
ケイも、恋を叶える。
「天界の神様が、怒っているのかしら?」
「違います。神様は、怒っていません」
小鳥天使エルエルは、自分の恋を叶えてほしいという。
冴えない浪人生エムさんへの恋を叶えたいのだ。




