第4話 乙女の夢を叶えよう
お洋服ストリート。お洋服ラボ。
「出来るわよ」
バーバラ先生は、ハッキリと言った。
「えええ」
「やっぱり、出来るんだ」
ケイと来斗くんは、魔法の仕立て屋さん。お洋服ラボに来ていた。
魔法の仕立て屋さんの魔女。バーバラ先生。
そして、白い丸いお人形。るてるて。
「バーバラ先生に不可能はありません」
るてるては、断言する。
「可愛いお人形だね」
来斗くんは、動く白いお人形のるてるてに驚く様子もなく、頭をなでている。
乙女ゲームの騎士様との恋、叶うかな。
「早速、魔法のワンピースを染めるわね」
バーバラ先生は、魔法の筆とパレットを両手に持つ。
壁にかけられている。魔法のワンピース。
それに向かって、ピンク色の絵の具をつけた魔法の筆をはしらせる。
サラサラサラサラ…。
キラキラ…。
魔法のワンピースが、ピンク色に染めあがる。
真っ白だったワンピースが、ピンクに変わった。
「これで、良しよ」
バーバラ先生は、ニヤリと笑った。
第4話 乙女の夢を叶えよう
お洋服市立普段着高等学校。
宝塚リカさんのクラスの教室。
ケイは、届けに来た。
「魔法の仕立て屋さんの魔法のワンピースだよ」
ワンピースの入った紙袋を手渡す。
これは、恋が叶う魔法のワンピース。
ケイは、このワンピースのおかげで、大好きだった来斗くんとお付き合いをはじめた。
きっと、恋が叶う魔法がかかっている。
「わたくしが好きなのは、乙女ゲームの騎士様ですわ」
「魔法の仕立て屋さんのバーバラ先生が、出来るって言ってた」
「できませんわ」
「私も、最初はそう思ったけど、来斗くんとお付き合いできるようになったんだ」
「…」
宝塚リカさんは、紙袋を受け取る。
大好きなのだ。
乙女ゲームの騎士様のことを。
叶えたい。行動に起こしたい。そんな気持ち。
女子更衣室で、ピンク色のワンピースを着る。
いつも、持ち歩いている。乙女グッズ。アクリルキーホルダーを手に取る。
乙女ゲームのサブキャラクター。
騎士パイナップル。騎士の家系の騎士様。
宝塚リカさんの大好きな人。
「リカちゃん…!」
外で、呼ぶ声がした。
「パイナップル様のお声ですわ」
思わず、外へ飛び出していく。
声でわかる。
大好きな人。憧れの騎士様。
校庭にいたのは、八百屋のエプロン姿の、優しそうでカッコいい男の人だった。
「パイナップル様!」
宝塚リカは、駆け寄った。
「ゲーム世界から、八百屋に転移して働いてたんだ」
「そうなんですの?」
「リカちゃん。好きだよ」
「わたくしも、パイナップル様のことが好きですわ」
だきっ。
宝塚リカ。リカちゃん。
騎士パイナップル。八百屋の店員。
二人は、抱きしめ合った。
昼食タイム。
「上手くいったんだね」
来斗くんが、微笑む。
カッコいい。大好き。カッコいい。
「うん。お付き合いすることになったみたい」
「良かったね」
「うん…」
それにしても、魔法の仕立て屋さん。
乙女ゲームへの恋も叶えちゃうなんてすごすぎる。




