第2話 お洋服ラボ
洋服市。お洋服ストリート。
「お洋服って、レンタルだったの?」
「そうなんだよね~」
ワンピースを入れた紙袋を持って、ケイは双子の妹の後ろについていく。
レンタルだったら、クリーニングして返すべきなんじゃないのかな。
せめて、洗濯しないと。
一回着たワケだし。
来斗くんとは、お付き合いが決まった。
そのお礼が言いたいんだ。
お洋服ラボ。
小さなお洋服屋さん。
「ここだ〜」
「ここなの?」
自動ドアが開いて、店内に入る。
「いらっしゃーい」
黒髪ショートの女の人。
バーバラ。年齢不詳。
お洋服ラボの女性店長。眼鏡美人。
第2話 お洋服ラボ
「バーバラさ〜ん。お洋服返しにきたよ〜」
「バーバラ先生と呼んでくれないかしら!」
ズバリと言い放つ。気位の高そうな女の人だ。
バーバラ先生と呼ぶべきかも。
ワンピースの入った紙袋を返す。
「大好きな来斗くんとお付き合いが決まったの。どうもありがとう」
「ふふふ」
バーバラ先生は、不敵に笑う。
「そう。上手くいったのね。私の魔力は、まだまだ健在のようで安心したわ」
「良かったですね。バーバラ先生」
ぴょこん。
まん丸の白いお人形が動いている。
「ええええ」
「驚かないでください。ワタシは、バーバラ先生の助手をしている“るてるて”ですよ」
白いお人形は、眼鏡をつけている。
「お人形が動いてるよ。ミイ」
「ケイは、現実主義すぎるよ〜」
双子の妹ミイは、白いお人形が動くくらいで驚いてたら、この先に対応できないという。
この先。バーバラ先生のお手伝い。
レンタル料金の支払いだ。
「レ、レンタル料金って、ものすごい高額なの?」
「レンタル料金は、1万円よ」
バーバラ先生は、ニヤニヤしている。
「その…100回払いだから」
「…100回って、100万円?」
ケイは、崩れ落ちる。
100万円なんて、払えるワケない。
妹のミイは、何を考えてるの。
「大丈夫よ。払えない場合は、他のお客さまを一人連れてくるにつき、1万円減額してあげるわ」
ニヤニヤしている、バーバラ先生。
まるで、魔女。
そう。バーバラ先生は恋を叶える魔法の使える魔女なのだ。
恋を叶える魔法の仕立て屋さん。
高額請求詐欺屋さんだった。
お洋服市立普段着高等学校。
昼食タイム。
「最悪だったよ」
落ち込むケイ。
「大丈夫?彩色さん」
カッコいい。大好きな人。来斗くん。
学校の食堂で並んで昼食を食べている。
来斗くんに誘われて、一緒にサンドイッチを食べている。
「魔法の仕立て屋さんって、詐欺店舗なんだね」
来斗くんに、全部話した。
「来斗くん。本当は、私のこと好きじゃないんだよね」
「好きだよ。彩色さん」
う。うれしい。
来斗くんが、瞳を見て笑いかけてくれる。
「彩色さん。お客さまを連れていけばいいんじゃないかな」
「え?」
「僕も協力するから、魔法の仕立て屋さんにお客さまを連れて行こうよ」
来斗くんの笑顔がまぶしい。




