表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/73

第13話 決戦! 北の魔王アルテミス

 俺たちは、塔の最上階を目指して、再び階段を駆け上る。


 ようやくたどり着いたのは、塔のてっぺん。広い円形の部屋の中央に、黒いベールをまとった大男――魔王アルテミスが、玉座に座って待ち構えていた。

「……来たか、外界の者よ」

 低い声が、部屋に響く。

「アルテミス! もう逃がさないわよ!」

 アメリアが、剣を構える。

「ふふん。ベルセルカーとメフィスを倒したか。なかなかやるな」

「お前も倒す!」

「やってみるがいい」

 アルテミスが、玉座から立ち上がる。手には、黒い大剣。

「来い!」

 アメリアが、突進する。

「一段、二段、三段斬り!」

 しかし、アルテミスは、軽々と三連撃を受け流す。

「ふん、その程度か」

「ぐっ……」

 返す刀で、アルテミスがアメリアに斬りつける。アメリアは、寸前で受け止めるが、力負けして後ろに弾き飛ばされる。

「アメリア!」

 俺は、駆け寄ろうとする。

「タクヤ、来ないで! あなたは、スキルを使う準備を!」

「……っ、わかった!」


 俺は、頭の中で、状況を整理する。

 アルテミスを倒す方法……"転ポテ"の中で、強敵を倒すシーンを思い返す。

 第三部のラスボス、オールドポテト魔人を倒したのは――伝説の魔剣"ポテトピーラー"。毒素を噴き出す古いポテトの芽を、ごっそり削りとる、緊迫したバトルシーンで登場する武器だ。


 ちょうどヤツのツノは弱点っぽいから……ピーラーで削り取ってやるぜ!


「アメリア! スキルを使うぞ! 下がれ!」

「は、はい!」

 アメリアが、後ろに飛び退く。


「イマジナリースキル! いでよ、伝説の魔剣、ポテトピーラー!!」


 ぼん、と空中に何かが現れる。

 ずっしりと、地面に落下したのは――

 ……巨大な、豆腐。

「……豆腐?」

 アメリアが、頭を抱える。

 オールドポテト魔人を倒したあと、肉じゃがにしておいしく頂いたのだが……そこに入れた焼き豆腐が頭によぎったんだろう……


「いや、これはこれで意味がある!」

 何とかするしかない……俺は、必死にフォローする。

「アルテミス! 俺を切れるか!?」

 アルテミスは、首をかしげながら、豆腐の壁ごと斬りつけてくる。

「ふん!」

 しかし、豆腐の壁は、想像力スキルの恩恵を受け――見た目に反して、粘着力が異常に高くなっていた。斬りつけた剣は壁にのめり込んでしまう。

「ぬっ!? なぜ斬れぬ!」

「今だ、アメリア!」

 俺は、豆腐の上から飛び降りて、アルテミスの側面に回り込む。アメリアも、反対側から斬りかかる。

「一段、二段、三段斬り!」

 アメリアの三連撃が、アルテミスの右肩を捉える。

「ぐああっ!」

 アルテミスが、よろめく。


 その時、アイリーンが、両手を高く掲げる。

「私もやりますわ! 女神の力で!」

 アイリーンの両手から、淡い光が放たれる――

 が、その光は、なぜか、後ろの壁を照らしただけだった。

「……あれ?」

 アイリーンが、自分の手を見る。

「あれー、出ない……」

「やっぱ、追い出された影響かしら……」

 アメリアが、ぼそりとつぶやく。

「……追い出された?」

 アルテミスが、不思議そうな顔をする。

「いえ、コチラの話ですわ!」

 アイリーンが、慌ててごまかす。


「お前、女神の使いだと聞いていたが……ちょっと信用ならないな……」

 アルテミスが、半目になる。

「失礼ですわ! 私は確かにアイリーンですわよ! ただちょっと、女神様に怒られて……あ」

「やっぱり追い出されてるじゃないか!」

 まさかの、敵にツッコまれるアイリーン。


「ふん、お遊びに付き合うのはここまでだ!」

 アルテミスが、再び大剣を振り上げる。

「漆黒の波動!」

 黒いオーラが、俺たちを襲う。


「アメリア、伏せろ!」

「は、はい!」

 俺たちは、再び豆腐の壁の陰に隠れる。豆腐の壁が、黒いオーラを受け止め――

 ぐにゃり、と凹むが、貫通はしない。

「やっぱ、この豆腐、防御は完璧だな……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ