表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナマクラ魔剣とポンコツ知恵袋、ガチャな俺  〜世界が俺にキャラを押し付けてくるんだが?!  作者: まお
炎の英雄と、その火を継ぐ者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/13

銘無し剣のマギ

「は?いきなり何言ってんの?

 魔剣なんて、作れるわけないでしょ?

 田舎者だからってバカにしてんの?」


「あー、そうだよな。普通はそうだよな。

 塩は辛いってのと一緒だな。だがな、塩はキャラメルやアイスにもあう。甘さを引き立てるんだ」


 ユーナは思った。

 なんだこいつ。ウザイ。わけわからん。

 だが、それをわざわざ相手に伝えるほど子供でもなかった。


「あー。でもどのみち無理。私ほぼ魔力が無いし。

 トーマの契約精霊すら見えないレベルよ?」


 ユーナは万年Eランクハンター、ただの一般人。そのユーナに魔剣なんて宝の持ち腐れだ。


「……その、ユーナの付けてる首飾り。

 知っているのかもしれないけどすごくいい精霊が付いてるみたいなんだよ。

 ただ、なんか寂しそうで。どうやら、相方のために役に立ちたいって言ってるらしいんだ。

 それに、炎の精霊だから、ユーナとも相性悪くなさそうだし。

 そもそもそいつがユーナに力を貸してほしいってさ。

 それと、え?極点?収束?変換効率と掛け率ってのがなんかいい感じらしくて。

 あー、剣の方も精霊に魅かれてやる気なのでなんとかなると思うぜ」


 クリトですら理解していない風な説明を聞いても、もちろんユーナも訳わからんことになっている。


「よーするに?」


「飯で満たしてくれた礼に魔剣をってことだよ」


 どのみち、トーマがいないのなら冒険者は続けられない。そういう意味では剣は持っていても意味がないものではある。


「あと、なんかこの首飾りの事も言っていたけど、これも材料にするの?

 これは壊したくないんだけど。トーマの首飾りだし。

 それにこの精霊と私は契約出来ないよ。ギラは既にトーマの契約精霊」


「あー、うん。大丈夫。

 その精霊さんは既にトーマで満たされているから。その首飾りの中が気に入ってるんでそこから引きはがすつもりはない。

 首飾りを付けたままで発動する、二つで一組の魔道具にするつもりだ。

 トーマとギラの契約内容については、よくわからん。けど、今回はその契約の範囲でなんとかしてくれるってさ。

 これで、パンにバター塗ったようなもんだ。一段アガる」


 この首飾りにはトーマの相棒のギラがいる。トーマと共に経験を重ねたギラはそれなりに強力な精霊に育っている。

 だがユーナの認識としては、契約をしたトーマとなら最高効率で術式を行使できるが、一般人ユーナでは、例え潤沢に魔力を注いでも実力のほんの一部出せない気がする。


 ユーナはしばし迷ったが、どのみち剣を手放すつもりなので、やらせてみることにした。


「……そのうち、売っちゃうつもりだったし」


 サナが、ピクリと反応した。


「サナ?まだ足りないのか?食え食え。食えばそのうち満たされるからさ」


 クリトはサナに盃を進める。サナは盃を干しても変わらず無表情だった。


 魔道具を作れることになったクリトは目を輝かせながら、準備を進めていく。


「この剣って名前は?」


「え?その剣の名前?えっと、たしか細剣の中のレイピアって種類だったかな」


「……相棒なんじゃないのか?」


「はぁ?

 その剣はエルダークラスの鍛冶師の銘剣や曰く付きの魔剣じゃなくて、トマスの街で売っていた剣だよ?

 それも弟子の習作を師匠が手直しした規格外品。

 まぁ、私にはちょうどいい重さと形だし、頑張って手入れはしてきたから愛着はあるけど」


「だろ?満たしてやれよ。

 名前を与えられただけで、産まれるプライドだってある」


 キモいながらも熱意は伝わって来た。


 それにクリトが”相棒”とよんだその剣は、トーマについていきたくて必死で修行して一緒に戦ってきた剣なのだ。


「名前付けたら、愛着も強くなって売りたくなくなりそうね」


 ユーナは根負けしたと笑いながら、剣を撫でた。


「天才トーマの相方が精霊のギラだし。

 師匠とギラの名前から、銘無し剣のマギにしよう。へっぽこ同士、頑張ろうね」


 ユーナは気づいていなかった。


 どうでもよかったこれからに、少しだけやりたいことが出てきていることに。


 少なくとも、トーマが帰ってくるまでは、この剣ともう暫く生きていくつもりになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ