泣き虫王子の決断
「ライム!ダメなのだ!この者たちは姉上を取り戻すために、必要な仲間なのだ!
だから……だから!
この者たちは絶対にラウドに必要なのだ!
たとえ、ケイトとライムが止めても、父上が反対しても!
ラウドは絶対に諦めないために!この者たちが必要なのだ!」
おそらく毒で昏倒したらしいユーナ達を見て、ラウドは覚悟を決めた。小さく震える拳を握りしめ、ケイトとライムに思いをぶちまけた。
諦めないとは言っても具体的な方法はわからないし、彼女らが本当に役に立つのかもわからない。
少なくとも、父でもあるグランタイズ王を説得出来なければ、あの鏡にたどり着くことすらできない。――あの魔導鏡はグランタイズ王国の秘宝。つまり、最低でも、王太子として父に認められなければならないのだ。
幼いラウドもそれくらいはわかっている。だが、偶然かもしれないが何かを知っていそうな旅人と出会えたのだ。
最初で最後のチャンスであろう。出会い方は最悪だったため、ライムは毒という手段まで使って来ている。ここで離れればラウドは二度と彼女達とは会わせてはもらえない。だから、ラウドはケイト達に対して初めて強く我を通し、吼えた。
教育係と近衛護衛も兼ねているケイトとライムは難しい顔をしていたが、ラウドの強い意志を込めた瞳に何も言えなかった。二人は目を合わせ、苦渋の表情で命を受け入れてくれた。
その後しばらくすると騎士達も遅れて到着し、王子誘拐の疑いで昏倒したユーナ達を捕えようとした。しかし、ラウドは最早それを断固として許さなかった。
強引にユーナ達を料理人として雇うことを宣言し連れ帰った。そして、最終的にユーナ達を専属にしてしまった。
ただ、何故かサナがどうしても帯剣の解除を拒んだため、サナは護衛騎士としてライムの部下として王宮守護隊の下に付くことになった。ラウドの近衛だと、機密業務が発生してしまう。それならば逆に常に帯剣を求められる守護隊の一部としての給養員に所属となったのだった。
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次回嘘予告
王子の帰還に王が焦る
「身代金、払ったっけ?」
どっちが影武者で本物?




