失われた姉と、鏡の呪い
ラウドはかなり楽しい気分になっていたため忘れかけていたが、急に思い出した。
そうだ、自分は今、知らない場所にいる!
まあ、サナおねえさまやユーナが一緒なので、大丈夫だと思うのだが。
「そうだったのだ!父上たちはどこなのだ?さっきまで一緒にいたのだ!」
「それについては、今から話すよ」
背後からの茶髪チンピラの声にラウドはビクンと跳ねる。
「ごめんねー。なんでか寝てたみたいで。
さっきまでラウド様となんか話してた気がするけど、よく思い出せないし。
なんか不快な話題だった気がするけど。まあ?私としては、脂肪の塊なんてどうでもいいし。気にしてないし。ラウドがそんなことを話題にするようなデリカシーが低すぎるわけもないし。そもそもトーマさえ居てくれればそれでいいかなって。というか、トーマともう結ばれているし。えへへ」
どうやら復活(肉体的にも機嫌的な意味でも)したユーナが隣に座る。サナとクリトも料理をラウドにも取り分け、席に着く。
なぜか無表情になっているサナが少し気にかかるが、温かそうな湯気と宮廷でも見たこともないような料理に思わずラウドのテンションも上がる。
「美味しそうなのだ!お前たちは、旅の料理人なのだな!」
「あー、違うよ。チ――サナが色々知っていて、クリトが規格外に万能だからできるからこんな料理をしているだけで、旅の目的は……そのなんていうのかな。人助け、なんだよ。だよね?」
「……まあ、そうだな」
「まあ、とりあえず、悪い魔物を狩ることを目的に旅してるのよ」
「魔物……」
「で、強い感情も必要で、絶望からの〜救われたって感情ってのが一番欲しいんだよ。って、難しいかな。
あー、すっごく悲しかったり、イヤだ!っていう人を助けてあげたいんだ」
先ほどまでとは違い、元の優し気な表情でユーナはラウドに語りかける。逆にサナはまるで別人のように無表情で肉をかき込み、酒をあおっている。人が変わったかのようだが、不思議とこのサナも怖いとは思わなかった。
「だから、この辺りでいちばん悲しい、イヤだ!って思っている人を助けようと思っていたんだけど……その、サナがね、ラウドくんを見つけて。
とりあえずその場から逃がそうって短絡的に考えてラウドくんをここまで呼び寄せたのよ。で、何がそんなに悲しかったの?」
「……姉上が、カガミに食べられたのだ」
「はぇ?カガミって、あの姿を見るためのやつのこと?」
「姉上は王女なのだ。だから、カガミに食べられるしかないって、父上、が。それがサダメだって。諦めろって。だけどラウドは嫌なのだ。姉上の傍にいたいのだ!」
ラウドは、涙目になって、食べるのもやめて俯いてしまった。
「鏡の魔物?聞いたこともないけど――トーマも知らないみたいだし」
ユーナが考え込み右手を撫でている。直後にクリトが急にピクっと目を細める。
「チセは、えっと今はチセさんじゃないのか。まあ食事中だしね。クリト、チセさんから何か聞いてない?」
「まだ聞いてないな。だが、それよりも、だ!」
急にクリトとサナが立ち上がり、サナが剣に手をかけると、森側のほうで、黄色いスパークと煙が立ち上り、ラウドには聞き覚えのある声が聞こえてきた。
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次回嘘予告
ヒーローは遅れて来るもの!
「黄レンジャー、推参!」
カレー美味しいよね




