表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナマクラ魔剣とポンコツ知恵袋、ガチャな俺  〜世界が俺にキャラを押し付けてくるんだが?!  作者: まお
鏡の聖女と、その裏に潜む者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/45

泣き虫王子と、三人の旅人

 目を閉じたまま廊下を駆けていた――はずのラウドは。いきなり、ガッと腰の辺りを掴まれた。そして、フッと浮遊感を感じ、あれ?と思い、目を開く。

 そこは――なぜか城内ではなく、開けた草原だった。ラウドは謎の白黒女が無表情で背中の服を掴んでいた。そして、その白黒女にラウドは子猫のようにぶら下げられていた。


「違う、そうじゃないよ。

 あー、サナ、どうすんのよ、

 この子。帰す、にしてもどうしよう。

 元の場所から逃した結果がこれなんだよね?」


 茶色の髪のちょっと女々しい格好の華奢な少年?がゲンナリとした顔でラウドの事を見ていた。ラウドはとりあえず、今の現状が少しだけ分かってきた。

 自分は、今、知らない連中に捕まっている!


「はなせなのだ!ぶれいなのだ!ばんしにあたいするのだ!ケイト!ラウドを助けるのだー!」


 一通りラウドが叫ぶ。その後はまるでそこにいるラウド達こそが場違いかのように。爽やかな風と鳥のさえずり、木々のざわめきがサワサワと流れた。


「……どうする?マジで。

 明らかに何処かのお貴族様の御子息様を誘拐してんじゃん」


 ポツリと茶髪男がつぶやく。


 ラウドは叫んだにも関わらず、ケイトが来ない事に驚いている。すると急に寂しくなってきた。ティアが王女だからかなんだか知らないが変な鏡に食べられて。そして、知らない場所でケイトまで傍にいない。


「う、っぐす、う、う、うわーん!」


 もう、泣くしか無いほどに混乱したラウドは、とりあえず泣き始めた。もう色々な事がありすぎて、何がなんだか分からなくて、けど寂しいって事だけはわかったからとりあえず、大声で泣いた。


 どすん、といきなり雑に見える動きで地面に落とされた。痛くて驚いて、更に泣けて来た。


「あー、大丈夫って言っても、安心できねぇよなぁ……」


 なんか他にも男が最初からいたっぽいが、存在感が薄いからとりあえず、無視。ラウドは今は泣くと決めた。


「びえーーん、びえぇーーん、げいどぉー、だずげでーぇー!」


「あらあら、大丈夫?えーっと、ラウドくん、でいいかのかな?」


 さっきまで、無表情で、その上ラウドをポイと地面に投げ落とした白黒女がしゃがみ込んでいた。そして、優しげな眼差しで話しかけてきた。


「急にこんなとこに連れて来られてやっぱりびっくりよね。そうよね、わかるわ。やっぱりいきなりってびっくりよね。でも大丈夫。ちゃんと、助けるから。私は、やっぱりおしゃべりくらいしかできないけど、やっぱりこの子たちも頼りになるのよ?本当よ。お姉さんを信じて見て。ほら、貴方、すごく悲しいとこにいたでしょう?そこに居たくなくて、胸がやっぱりキュウっとしちゃって。やっぱり、色々と不安よね。けど、大丈夫。とりあえず、ご飯にする?大丈夫。やっぱり不安な時はお腹いっぱいにするの。そうすると、少なくとも、お腹のぽっかりした感じは無くなるわ。それは、やっぱり、少しだけど、幸せな事なの。それでね、今日はなかなか良さげな紫目雉が……」


 “幸せ”という単語にラウドは反応をする。


 そしてラウドを落としたにもかかわらず、まるでヒトが代わったかのように柔らかな表情で喋りまくる白黒女は、こちらを置いてけぼりにして、料理の準備に向かおうと、どっこいしょと言いながら立ち上がった。


 これは、しょっぱなから誘拐されたギャン泣き王子様の物語のプロローグである。

読んでいただきありがとうございます

次回嘘予告

王は決断する。

「身代金は払えん」

次回から主役は影武者になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ