トリスの少年
えっと、名前か。
俺はリキって名前だよ。
うん、覚えてるよ。
クリトにいちゃんだろ?
いつも鈍臭くて、危なっかしいから、俺が色々と面倒みてあげてたんだぜ。
いっつも食い物のこと考えてるみたいでさ、山に連れてってやると、木のみとか、ハーブとか、色々摘んでた。
まぁ、うん。分けてもらってたよ。高いとことか、俺達だと届かないし。罠とかも作ろうとしてたけど、ヘッタクソでさ。
代わりに作ってやったよ。
まぁ、俺は器用だからな。翌日見に行くと、うさぎがちゃんとかかってたよ。
あー、うん。料理はうまかった、かな?
――うん、思いだした。マヨネーズだ。
あれ、すごいよな。レーテスの葉っぱとか、アレが無いと食えねぇもん。
……うん、そんなとこかな。
クリトにいちゃんの記憶って。
……え?なんで、知ってんの?!
でも、……うん、そうだよ。
調子乗って山の奥まで入った時に、牙猪に見つかって、追いかけられてさ。
それをクリトにいちゃんに助けて、……もらってない。やっぱり。
だってさ!あの後すぐに来てくれたサナ姉ちゃんだもん。助けてくれたの。
クリトにいちゃんは一緒に、山の中走ってさ、転んで、必死で起こしたりとか。
木の上に押し上げてくれてさ。
……にいちゃんは囮になってくれてさ。牙猪に蹴られたり、して、血が、でてさ
グスっ
サナに助けてもらった後もさ、
「大丈夫か?」
って頭撫でてくれただけだもん。
それで、一緒に帰って、スープ飲ませてくれたんだ。
……俺さ、スープだけは旨く作れるようになったんだ。
いまは、クリトにいちゃんのレシピに挑戦してるんだ。
このスープだけは、誰よりも上手に作りたいから。




