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【全年齢版】呪われた辺境伯と無色の聖女  作者: 真紅愛


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【番外編】三つの一族の「完全なる統合」:黄金の円環、永久の誓い(アイリス・エドワード)



アイリスが王妃として戴冠し、エドワードと正式に結ばれたことは、アルカディアス王国において完全なる統合を意味していた。かつては深い因縁によって引き裂かれていた三つの一族の血脈が、ついに一つの黄金の円環へと収束したのである。



婚礼の宴の最中、親世代である二組の夫婦は、互いにグラスを傾けながら短い言葉を交わした。



アーサー国王は、親友カイルに



「あれほど誰にもやらんと言っていた君が、よくぞエドワードに娘を託してくれた。心から感謝するよ」



と、茶目っ気を含んだ微笑みを見せた。



それに対しカイルは、どこか癪そうな表情を浮かべつつも、



「……フン、致し方あるまい。殿下が私の想像を超える男になったのだからな。あいつなら、私の代わりにアイリスを守り抜けると認めざるを得なかったのだよ」



と、静かに、しかし力強くその背中を肯定したのである。



また、リリア王妃とアリア夫人は、かつて共に過ごした日々を懐かしむように手をとり合い、


「私たちの子供が、愛として実を結ぶなんて」


と、言葉にできない喜びを分かち合っていた。



そんな親たちの祝福を受け、エドワードはカイルとアリアの前に進み出た。



「お二人が宝物のように育ててこられたアイリスを、私に託してくださったこと、心から感謝いたします。かつて、私が生まれて間もない頃に思わず握ったアイリスの手の温もりを、私は生涯忘れません。アイリスを、そして彼女が愛する北の地を、命を懸けて守り抜くことを誓います」



エドワードの誠実な言葉に、カイルは深く頷き、アリアは優しく彼の無事を祈るように微笑んだ。



一方でアイリスもまた、アーサーとリリアの元へ歩み寄り、凛とした姿で言葉を述べた。



「未熟な私を王家の一員として迎えてくださり、ありがとうございます。母から受け継いだ調和と、父から受け継いだ守護の心。そのすべてを、これからはエドワード様を支え、この国を愛するために捧げる覚悟です。貴方様たちが築かれたこの平和を、私たちが次の世代へ繋いでまいります」



「アイリス、君なら最高の王妃になると信じているよ」



アーサーの頼もしい励ましと、リリアの温かな抱擁を受け、アイリスの心には王妃としての揺るぎない覚悟が刻まれた。



祝宴が終わり、二人きりになった静かな夜のバルコニー。



エドワードは、アイリスの白銀の髪にそっと触れ、万感の思いを込めて語りかけた。



「アイリス、改めて……僕を選んでくれてありがとう。君のご両親の前に立った時、改めて君を預かる責任の重さと、言葉にできない幸せを実感したよ。僕は王族としてだけじゃなく、ただ君という唯一の光のために生きたいんだ」



アイリスは、エドワードの氷蒼色の瞳を見つめ返し、その熱い胸に寄り添った。



「私もよ、エドワード。……お父様たちのお言葉を聞いて、私はもう、ただの令嬢ではないのだと感じました。私は貴方の妻であり、この国の母になる。貴方が隣にいてくれるなら、私はどんな未来も怖くないわ。二人で、誰も見たことがないような黄金の時代を築いていきましょう」



二人の魂が重なるように交わされた誓いは、やがて生まれてくる子供たちへと受け継がれていく。黄金と白銀の光を宿した新しい命は、三つの一族が完全に一つになった証であり、王国の永遠の繁栄を約束する象徴となった。



北の地を守る兄ルーカスも、甥や姪を抱き上げ、誇らしげに語りかけた。



「いいか。お前たちの血には、愛と信頼が流れている。父上と母上が繋いだこの黄金の円環を、次はお前たちが守るんだぞ」



アイリスが王都から北の空を見上げる時、そこには常に故郷の祈りが届いていた。



こうして、ローゼンベルクの血は王家の中心へと流れ込み、アルカディアス王国は真の黄金時代を迎えたのである。


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