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第六話 初戦闘

しばらく歩くと俺はあることに気がついた。…まったく疲れてない。おそらくかれこれ二時間くらいは歩いていると思うが…。


自分で言うのもなんだが俺はとてつもなく体力がない。小学校の持久走で六年連続最下位をとったこともある。


これも高いステータスのおかげなのだろう。ふと思うと俺は俺のできることをほとんど知らない。ここらでスキルの把握をしたほうがいいかもな。


「ステータスオープン」


俺はステータスを開くと【万物創造】や【創造者(クラフター)】に【鑑定】を発動させる。


ちなみに【鑑定】は目に見えてるものなら何でも発動できるらしい。スキルや称号もステータスオープンすると鑑定できるようになるそうだ。レベルアップすると同レベル以下の【偽装(フェイク)】を無効化できるようになる。


さて、まずは【万物創造】から見てみよう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名称:【万物創造】

能力:【創造魔法】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


うん、見てもわからん。さらに鑑定すると“この世のすべての物を創造することができる能力”と、神の説明と同じ文章が出てきた。…これは後に回そう。


次は…【創造者】にしよう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名称:【創造者(クラフター)

能力:【思考加速】【並列思考】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


これも神からされた説明と同じだな。能力も名前の通りだろうし、見る必要はないだろう。


最後にスキルだが見る必要があるのは…【偽装(フェイク)】くらいだな。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名称:【偽装(フェイク)

能力:【ステータス偽装】【存在偽装】

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ん?【ステータス偽装】はわかるが、【存在偽装】?これはなんだ?


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

【存在偽装】:Lv6で獲得。指定した存在を隠蔽するこ

       とが出来る。レベルが上がるほど隠蔽性

       が上がる。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


…つまり、対象を見つかりづらく出来るってことか。罠とかに使うと良さそうだな。


しかし、肝心の【万物創造】についてほとんどわからなかったな。…待てよ?魔法っていうくらいだから【無属性魔法】と同じようにすれば使えるんじゃないか?


早速試してみよう。何を作ろうか…。この森で必要な物は…武器だな。ここがファンタジー世界なら魔物とかも出るだろうし、作っておくのも悪くない。俺でも使える武器といえば…


()()…だな」


作るものを決めた俺はイメージを練り上げる。まずは形をイメージする。素材は…鉄にしよう。それなら簡単には壊れないだろう。


すると、俺の魔力が光を帯びる。俺は直感的に確信する。これで合っている、と。


「いけ…っ!」


俺が【創造魔法】の発動を念じると、あたりは(まばゆ)い光に包まれた。


光が収まると、俺の手には鈍く光る一本の棍棒があった。持ち手部分から先にかけて徐々に太くなっており、持ち手より下には分厚い円盤状の重りがついている。


そう、バットである。


「よし、成功だ!」


俺の想像通りのものができた。質を確かめるために【鑑定】を発動させた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名称:鉄の棍棒

ランク:D

能力:なし

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


ランクはDか…。上限や下限がわからないから判断できない。使ってみて確かめるしかないな。


「ん、重いな…」


まぁ、総鉄製のバットだからな。考えてみれば当然か。だが、振ってみた感覚は悪くない。あと、なぜバットかと言うと前に野球部に入ってたことがあるからだ。もっとも一年で辞めたが。


気になるMPの減り具合は…あと10も残ってねぇ。どうやらかなりの魔力を持ってかれるっぽいな。それと漫画とかによくある魔力が少なくなると倦怠感を感じるのは本当らしい。実際今かなりダルい。


少し休もう。この状態で歩くのは危険そうだ。そう思ってポーチからベルフェルから貰った水筒を取り出そうとすると、奥の茂みから音がした。前にもこんなことあったような…。


少し待っていると、謎の生命体が現れた。緑色の肌に百センチもなさそうな体と醜悪な顔、上半身裸で腰には何かの動物の毛皮を身に着け、粗悪な木の棍棒を持っている。


あれは…ゴブリンか?確かめるためにゴブリン(仮)に【鑑定】を発動させる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名前:なし

種族:ゴブリン

職業:なし

ランク:G

Lv:4

HP:18/18

MP:12/12

攻撃:23

耐久:19

敏捷:28

持久:16

器用:21

幸運:68

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


やっぱりゴブリンだったか。つーか、ステータス低過ぎだろ。俺がおかしいのか?


まぁ、ステータスについてはおいといて…一度戦ったほうがいいか?どれだけ戦えるのか知っといたほうが良いとは思うが…。


でもなぁ…あれ気持ち悪いんだよなぁ…。まだ気づいてないみたいだし、どっか行ってくんねぇかな?


そう思ったが、ゴブリンと目があった。あーあ、気づかれた。戦うしかなさそうだな。


「グギャア!」


気持ち悪い鳴き声を上げながら、ゴブリンはこっちに突進して来る。鳴き声まで気持ち悪いとか、いよいよ救いがねぇな。でも、こいつの鳴き声が可愛くても結局気持ち悪いな。どのみち救えない。救う気も無いが。


俺はさっき作ったバットを持ちながら立ち上がり、地面を蹴った。


「うおっ!?」


十メートルほどあった距離が一瞬でなくなる。予想以上の身体能力だが、止まるわけにはいかない。


俺は無理矢理バットを振り抜く。後ろに吹き飛ばすつもりだったが、ここで予想外の出来事が起こる。


俺の振ったバットがゴブリンの頭に当たり…弾け飛んだ。


「はぁ?」


頭のなくなったゴブリンは反応さえ出来ず、後ろに倒れる。俺は一瞬何が起きたか理解出来ず立ち尽くした。


[条件を達成しました。ソースケ・ナグモがLv1からLv2へレベルアップしました。各種ステータスが上昇します]


[条件を達成しました。【棍棒術Lv1】を獲得しました]


あっ、レベル上がった。あと、スキルも獲得したな。いや、そこはいいか。


予想以上の威力だな…。いや、威力が高いのは良いことなんだが…ハッキリ言ってグロい。日本なら間違いなく閲覧規制がかかるだろう。


おまけに素材が元々気持ち悪いゴブリンである。グロさと気持ち悪さのダブルパンチで俺のSAN値はもう限界だ。


…とりあえず、バットと服を洗おう。川を探さないとな。そして俺はゴブリンの死体から離れる意味も込めてそそくさとその場から離れた。


















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