第五話 衝撃の事実
「さて、魔法も覚えたし、ステータスを測ろうか」
ベルフェルのおかげで魔法を覚えたため、ようやくステータスを測ることが出来るらしい。しかし、【鑑定】を持っていないのにどうやって測るのだろうか?
ベルフェルの話によると、“ステータスオープン”で出てくる画面は本人以外には見えないらしい。個人情報だということを考えると当然だろう。自分のステータスを確認したら、他人に見られるなんてたまったもんじゃない。
「ちょっと待っててね。どこにおいたっけな…」
ベルフェルはそう言うと、後ろの棚から何かを探し始めた。物を引っ張り出しては、違うと言って放り投げる。そんなことをするから物で溢れかえるんだろうが。
「あぁ、あったあった。これと…これだな」
戻って来たベルフェルの両手には2つの水晶玉が握られている。
「これは『測定の水晶』と『識別の水晶』。『測定の水晶』は…って、説明するより、鑑定したほうがわかりやすいかな。鑑定してみて」
「いいのか?」
「うん。っていうか、鑑定を勝手にしたらいけないのは人だけだしね」
そう言われ、俺は2つの水晶に対して【鑑定】を発動させた。
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名称:測定の水晶
ランク:B
能力:これに触れ魔力を流すことで、対象者のステータ
スを測定し、表示することが出来る。
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名称:識別の水晶
ランク:B
能力:これに触れ魔力を流すことで、対象者の魔力の属
性を識別することが出来る。
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なるほど…。これで測定すれば、本人以外もステータスを見れるようになるわけか。そして、『識別の水晶』で俺が習得可能な魔法を確認すると…。あ、ステータス測る前に【偽装】を発動させとかないとな。
「確認出来たっぽいね。それじゃあ、早速測ろうか!はいこれ」
ベルフェルは『測定の水晶』を渡してきた。俺は説明にあった通り水晶に触れ、魔力を流す。すると、“ステータスオープン”や【鑑定】と同じ画面が現れる。
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名前:ソースケ・ナグモ
種族:人間
職業:なし
Lv:1
HP:196/196
MP:215/215
攻撃:154
耐久:128
敏捷:103
持久:98
器用:386
魔法:298
幸運:23
‹ユニークスキル›
【万物創造】
‹スキル›
【無属性魔法Lv1】【魔力感知Lv1】【魔力操作Lv1】
【鑑定Lv1】
‹称号›
【創造者】
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「何このステータス!?本当にLv1!?えっ、待って、ユニークスキル!?突っ込みどころ多すぎるんだけど!?」
俺が反応する前にベルフェルが大声で騒ぎ出した。異世界転生者とは表示されてないな。よかったよかった。隠しているのがバレないように【偽装】も隠しておいて正解だったな。
「そんなに騒ぐことか?」
「騒ぐことだよ!!…ひょっとしてソースケってステータスについても覚えてない?」
「あぁ、まったくわからない」
ベルフェルは額を抑え、深い溜め息をついた。
「いいかい、ソースケ。本来ステータスは幸運を除いてレベルが上がるごとに上がっていくんだ。そして、Lv1ののステータスは基本二桁…それも十台か二十台が大半なんだよ」
そうなのか…。だとしたら、騒ぐのも納得がいくな。俺のステータスは軒並み三桁を超えている。しかし、幸運は例外なのか。ベルフェルに聞いたところ、幸運は固定値で百が上限らしい。だとしたら俺の幸運低くね?転生したときに運を使い果たしたのだろうか。
「次はユニークスキルについて教えようか。ところで世界にユニークスキル所有者って何人いると思う?ちなみに世界にはだいたい三億人いる」
それならばだいたい…
「一万人ぐらいか?」
「いや、だいたい千人くらいだと言われている。ついでにもう一問出そう。ユニークスキルにも『技能系』や『魔法系』とかの種類があるんだけど、君のユニークスキルと同じ『ユニーク魔法』を所有しているのは何人だと思う?」
ユニークスキル所有者が思ったより少なかったからな…。それより少ないと考えると…
「五十人」
「三人だ」
「え?」
「僕の知るかぎり『ユニーク魔法』の所有者は三人しかいない。ソースケ━━━君を含めてね」
ウソだろ…。つまり、一億分の一ということか。…やばくね?
「それだけ『ユニーク魔法』は貴重なんだ。君が『ユニーク魔法』の所有者だと知られれば…君を巡って争いが起きるだろう。世界規模のね」
「わかった。なにがなんでも隠し通さないと行けないのはわかった」
「それがいいよ。しかし、今後の君の行動次第では難しくなるけど…君はこれからどうしたい?」
本音を言うなら人里に行きたいところだが、多くの人に関わるほど隠すのは難しくなる。ステータスは【偽装】でなんとかなるかもしれないが…。
「これは独り言だけど…悩んでいるのならしたほうがいい。あとからでは間に合わないこともあるし…自分の気持ちから目を逸らして生きるなんて楽しくないだろう?」
ベルフェルにしては珍しく真面目な口調で言った。…そうだな。自分の気持ちを無視して生きるなんて死んでるのと変わらない。ならば…心のままに生きるとしよう。
「俺は人里に行きたい。人に会って自由に旅をして世界を見て回りたい」
「君が言うのなら僕が止める権利はないさ。僕は笑って君を見送るとしよう」
ベルフェルはそう言って満足気に笑った。
◇ ◇ ◇
「本当に荷物はそれだけでいいのかい?ほしいならもう少しあげられるけど?」
「いや、これで十分だ。色々と世話になったな」
俺が旅立つということでベルフェルは俺にポーチや食糧をくれた。ポーチは小さく見えるが、『空間収納』がついた魔道具らしく、見た目より多く入る。本当にいいのか聞くと【無属性魔法】には【空間魔法】があり、『空間収納』が使えるので不要らしい。魔法を極める理由が増えたな。
「別に構わないさ。僕も久々に人と話せて楽しかったしね。それで、こっちの道をまっすぐ行けば人里に着くからね。それじゃあ━━━良い旅を」
「あぁ、本当にありがとう」
俺はその通りにまっすぐ進む。やがて、ベルフェルの姿は見えなくなった。…恩返ししなければならない人間が増えたな。いや、神と魔族だから人間はいないわけだが。
そして俺は次はどんな人間に会えるだろうという期待を胸にただただ進み続ける。
ユニークスキルの説明が出来なかったのでここで説明します。
『魔法系』や『技能系』はそれぞれに対して影響を与えるものです。『魔法系』なら魔法に対して影響がでます。
『ユニーク魔法』はそのものが一つの魔法として独立したものです。
まとめると『魔法系』や『技能系』は補助のようなものですが、『ユニーク魔法』は単独で大きな効果をもたらすため、貴重なスキルという扱いになっています。
いずれ作中でも説明しますのでお許しください。




