第四十二話 鉱石採掘
なんか今回はめっちゃ早く書けました。
俺は鉱山の洞窟を一人で探索していた。理由はもちろん、アガレスの依頼を達成するため。正確に言えば依頼には含まれていないが、個人的に頼まれたことだ。
手には【物質創造】で創ったツルハシ━━━ちゃんとステータス上昇をつけたもの━━━を持ち、頭にはヘッドライト型の魔道具をつけている。ちなみにヘッドライトはカナタに借りた。
今カナタは『黒鬼纒身』の反動でまともに動けないうえに、魔力もほぼからの状態なので、向こうで寝ている。レイナもまた同じ状態のため、向こうでじっとしている。まぁ、ウォルフとミヤビがいるから大丈夫だろう。
【魔力感知】でそれらしき反応を探りながら進んできると、他よりも大きな魔力反応を見つけた。警戒しながらそこへ向かう。しかし、そこには特に何も見当たらなかった。
もう一度【魔力感知】で確かめてもそこの魔力が大きいのは間違いない。もう考えるのも面倒臭い。鉱石だし、壁掘ったらあるだろと思い、俺はツルハシを思い切り振りかぶった。
ツルハシが壁に激突した瞬間、まるで爆弾が炸裂したかのように、轟音と土煙が上がった。なるほど、やりすぎたな。
どうやら俺のステータスはレベルアップや『魔力強化』などで、予想以上に上がっているらしい。もう少し自重するとしよう。
ぶち抜いた壁の先には小さな部屋のような空間があった。恐る恐る入ってみると、その瞬間、部屋中が淡く青白く輝いた。驚くことに岩石が発光している。
さらにその部屋には、水晶のように透きとおった石の柱が乱立していた。とりあえず、部屋の壁と石の柱を少量削り取り、【鑑定】を発動させる。
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名称:ミスリル鉱石
能力:なし
詳細:鉱石の一種。精錬するとミスリル鋼となり、軽
く高い硬度と魔力伝達率を誇る金属となる。
武器や防具などに使用される。
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ミスリル…漫画やらラノベやらに出てくる不思議鉱石か。武器や防具に使うってことだし、アガレスが言ってたのはこれで間違いない。んで、こっちは…?
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名称:魔晶石
能力:なし
詳細:鉱石の一種。これに魔力を流すと魔力が圧縮・純
化され、魔法の威力や精度などを高める。
杖や魔法薬などに使用される。
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魔力の変質装置って感じか?杖は創ったことなかったし、創ってみるかな。良いのができたらレイナにあげよう。魔法薬はポーションとかか?色々便利そうだ。
この二つを使えば、創れる武器がさらに強くなるな。俺の武器を新調するのも、レイナやウォルフの武器だって創れる。夢が広がるな。
その後、ツルハシがぶっ壊れるぐらいまで振るい、鉱石を採取した。重さにして多分三百キロずつくらいは取ったと思う。全部まとめてポーチにぶっこんだ。このポーチ、マジで便利だな。
もとの場所に戻ると、カナタがプルプルしながら立って歩こうとしていたり、ミヤビがそれを見て大爆笑して酸欠気味になっていたりと、なかなかカオスな状況だった。
とりあえず、全員に鉱石を無事採取したことを伝えると、長居するのも危険だということで、速やかに鉱山から脱出した。
現在レイナとカナタはまともに歩けないので、レイナは俺が、カナタはミヤビが先導していくことになった。
いつものように抱えて行こうとすると、ミヤビに「流石にそれは…」と止められたから、背負うことにした。いわゆるおんぶ状態である。もちろん手は組んでいるため、何にとは言わないが一切触れていない。
ミヤビは俺のようにカナタを背負うことなどできないので、手を引いて進んでいる。ミヤビってフザケまくるけど、なんだかんだいいやつだよなぁ。
「ほーら、カナタ。早く行くっすよー」
「待て!頼むからマジで待て!そんな速く歩けるわけねぇだろ!」
「はいはい、あんよが上手〜」
「テメェ、おちょくってんだろ!」
前言撤回だ。アレは遊んでるだけだな。一瞬でもいいやつだとか思った俺が馬鹿だった。その後ミヤビはまともに歩けるようになったカナタにアイアンクローを食らっていた。自業自得だ。
◇ ◇ ◇
そんなこんなでギルドへ帰還した。カナタが代表で報酬を受け取る。一匹当たり銀貨十枚、合計で百三十枚だから、大体十三万円くらい。少なく感じるが、物価が安いこっちの世界なら一月くらいは過ごせる。
「はい、これで終了となりますが、何かご質問などございますでしょうか?」
「鉱石を買い取ってくれる場所はどこだ?」
受付の女性が終了しようとする中、俺はそう尋ねた。女性はいきなり喋った俺に驚いたのか、少々ポカンとした顔をしていた。
仕方ねぇじゃん、コミュ障だもの。脈絡なんか考慮してねぇよ。話し掛けるので精一杯なんだよ。
「す、すみません、冒険者の方が鉱石の売却をするのは珍しいので…買取ならば冒険者ギルドでも可能です。どのくらいの量でしょうか?」
なんと、ギルドでもできるのか。それなら話は早い。アガレスに渡す分も考えるなら、買取は…
「そうだな、ミスリル鉱石と魔晶石を二百五十キロほどずつ買い取ってほしいんだが」
「…はい?」
俺がそう言うと、女性の笑顔がピシッと固まった。あれ?ひょっとして、キロの単位が通じてないのか?いや、それでも固まりはしないか。
「…すみません、今ミスリルと魔晶石を二百五十キロって言いました?」
「ん?確かにそう言ったが」
「…ギルドマスタァァァァ!」
そう言いながら受付の女性は、凄まじい勢いで受付の奥へと駆けて行った。それはそれは、物凄い鬼気迫るという形相で。
「…ソースケ、もう少し自重という言葉を覚えろ」
「まぁ、異世界転生系の鉄板っすけどねー」
「アレはオレでもアカンてわかるわ」
「アレは…流石にダメです」
あれ、何これ。ひょっとしなくても俺が悪い流れか。なにやら受付の奥からバタバタした雰囲気も伝わってくるし、ギルド内もざわついてきた。
あー…なるほど。やべぇことしたどうしよう。




