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第四十話 開花

毎回投稿する際は前書きで誤っている気がしています。

今回は早めにすると言っておきながらこれは許されませんね。

本当に申し訳ございませんでした!!!!!!

俺とレイナの戦闘開始から数分が経過した頃━━━戦況は徐々に二人の劣勢へと変化しつつあった。理由は主に二つ。


一つ目はロックリザードの行動の変化。コイツらが俺じゃなくてレイナを狙うようになった。どうやら攻撃が通じない俺より攻撃を防いでるレイナのほうを危険視したらしい。


そのため、俺はレイナから離れるわけにはいかなくなり防御に回るようになった。だが、ロックリザードから距離が離れると魔法で撃たれまくる。結果的に全部が後手に回っている。


そして二つ目は━━━レイナの限界。ここまで戦況が拮抗していたのはレイナの尽力によるものがかなり大きかった。


レイナが行っているのはもちろん魔法による援護だが、使用している魔法は多岐にわたる。


ロックリザードの攻撃から俺やレイナを守る『水魔壁(アクアウォール)』、断続的に使用される『水魔治癒(アクアヒール)』、さらには俺に魔法支援まで使用していた。


常に三つの魔法を使い続けており、魔力も精神力も酷使し続けている。このままではレイナはいつ限界を迎えてもおかしくない。


そしてそれはこの戦況の瓦解を意味し、俺たちの敗北が確定する。俺たちが負ければ向こうで戦っているウォルフたちもただではすまない。それだけは避けなければならない。


そのために俺ができることは…レイナが限界に達する前にロックリザードをすべて叩き潰す。これしかないな。


さぁて、やるしかねぇか。俺はステータス上昇のついた大剣をもう一本取り出し、ロックリザードへ突撃した。


         ◇ ◇ ◇


ソースケがロックリザードへ突撃した数分後━━━それは突然訪れた。不意に足に力が入らなくなり、レイナは膝から崩れ落ちる。


「はぁ、はぁ…」


「レイナ!?」


地面に手をつき、肩で息をするレイナにソースケは慌てて駆寄ろうとするも、ロックリザードがそれを許さない。


(魔力切れ…?力が…早く立たないと…)


レイナは常に持ち歩いているかばんから魔力を回復させるマナポーションを取り出そうとするも、そこにはもう既に飲み干した空の瓶が残ってるだけだった。


それもそのはず、レイナが使用していた魔法はソースケの予想を上回っていたのだ。


魔法は使えば使うほど魔力を消費するだけでなく、精神力も消耗し脳にも負担を強いる。故に魔法を使い過ぎると、脳が焼き切れることすらある。


そのため、レイナはソースケが予想していた三つの魔法に加えて、自らに回復魔法を掛け続けていた。当然その分魔力の消費も大きくなる。


結果的に、レイナは二人での戦闘が始まってから十本以上のマナポーションを、すべて回復に費やすこととなった。


さらにレイナを襲った悲劇はそれだけではなかった。レイナが無理矢理立ち上がろうとしたとき、ようやくそれに気がついた。


(手が…足も…?まともに動かせない…!?)


それは━━━ポーションの副作用。特殊な薬草などによって作られるポーションはMPやHPを回復させる効果があるものの、体に大きな負担がかかる。


もっとも短い時間に多量摂取しなければ発生しないため、冒険者ギルドでも注意喚起を行うことは無く、一般には知られていない。


しかし、時には後遺症が残るほど人体に与える影響は大きい。今回のレイナは手足の麻痺と比較的軽いものではあったが、戦闘中に起きては一大事である。


レイナはほとんど動くことすらままならない状態へと陥った。ロックリザードはそれを見逃さずレイナへ攻撃を放つ。


まずい、とレイナは直感するが、避けようとしても無情にも体は反応しない。当たる、と思った瞬間、ソースケがレイナを抱えその場から逃れる。レイナにダメージはなかったが、ソースケの体にはいくつもの傷が刻まれる。


「す、すいません…」


「大丈夫だ。降ろすぞ」


ソースケはレイナを降ろすと、再びレイナを庇うようにロックリザードの前に立ちはだかる。刻一刻と体が傷ついていくソースケを見て、レイナは強く自分を責める。


(私のせいで…ソースケさんが…)


途端に胸に秘めていた感情が溢れ出す。劣等感や後悔、自責の念などがとうとうと溢れ、レイナの心を支配していく。今考えても仕方が無いとは思うものの、抑えられない。


(私がもっと強ければ、私にもっと魔力があれば━━━)


そう考えた瞬間、レイナはあることを思いついた。それはあまりにも馬鹿らしい考えだが、レイナには天啓のような閃きに感じられた。


(そうか…魔力が無いなら━━━()()()()()()()()()()()()()()()()()()


普段ならばたとえ考えついたとしても、実行しないような発想ではあるが、今のレイナに冷静な判断力は無く、早速実行に移った。


「魔力消費は最小限に…複数同時展開…一枚は凝縮して…そしたら魔法式は…」


ブツブツと呟きながら自らが求める魔法を練り続ける。そんなレイナを見てソースケは疑問を抱くが、言及することはない。


(レイナなら無駄になることはしねぇ。何か考えがあるはずだ。なら俺がすべきことはただ耐えるだけだ)


そう覚悟を決め、ロックリザードへとむきなおった。


魔法を一から作り出すというのは普通は簡単にできることではない。熟練の魔法使いが長い年月を費やしてようやく完成させるのである。


しかし、レイナはその常識を打ち破った。今まで蓄えた魔法の知識、確かな魔法の才能、さらには尋常ではない頭の回転。それらすべてがレイナに奇跡を起こさせる。


鉱山中から掻き集めた魔力に、残っていた僅かな魔力を絞り出し、作り出す。その魔法の名は━━━


「━━━『水魔結盾(アクアシールド)』」


レイナが魔法を唱えた瞬間、青く輝く正六角形の障壁が七枚展開される。それらはソースケを取り囲むように浮かび、ロックリザードの攻撃をすべて弾く。


弾いたあとも依然としてその障壁は青い輝きを放っていた。ロックリザードがその障壁をかいくぐり、突進する。


しかしそれは、突如としてそこに現れた青い障壁に弾かれた。レイナを狙ったロックリザードの魔法攻撃も、すぐさまその障壁によって防がれる。


これがレイナが作り出した魔法の真髄。一度出した障壁は破壊されるか、レイナが消すまで存在し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


今までの障壁魔法は動かせないというのが常識であり、移動させるには一度消してから出し直す必要があった。


異常なまでの魔法の才能を持つレイナであったから生み出せた魔法。レイナはその一部を開花させた。圧倒的不利だった戦況は姿を変えていく━━━

投稿が遅くなった理由(言い訳)をさせていただきます。

実は私は最近新連載を始めようかと思案しており、最近はもっぱらそれの設定作りをしておりました。

『今書いてる作品もこんななのに何言ってんだ』と思うかもしれませんが、書きたい作品ができたというのが理由です。

いつになるかは未定ですが、始めたらお知らせいたしますので、読んで頂けたら幸いです。


P.S

あと最近学校が忙し過ぎて辛いです。

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