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1話 少女は夢を見ていた
夢を見ていた。
それは、楽しくもあり、悲しくもあった夢だった。
自分の理想だけが詰め込まれたその夢は、きっと現実ではありえないのだろう。
私が、家族と一緒に笑顔で楽しい未来を送るなんて、現実では絶対にありえない。なぜなら、お父さんもお母さんも、すでに死んでいるから……。
けど、それでもいいと私は思っている。
私は涙を流しながら、ゆっくり目を開いた。
そこは、深い森の中。
木の枝の隙間から見える空は曖昧に明るく、そろそろ朝だと告げていた。
涙を拭いながら、ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡した。
すでに火が消えている焚火の周りに、私の旅仲間が眠っていた。
猫耳を生やして、赤い髪と赤い瞳を持った少女、フィスト。
長いつばに、縦に大きい帽子をかぶり、腰には銃を身に着けた男、グラット。
とんがり帽子をかぶり、エメラルドのように輝く緑色の瞳を持つ、ルーク。
私は今、楽しく旅ができています。
誰に言うわけでもなく、澄んだ空に向かって思った。
この言葉は、もしかしたら、お父さんやお母さんに言ったのかもしれない。
黎明の空に残る星に向かって、私は笑みを浮かべた。




