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9話 少女の武器探し

 次の日の朝、今日も私たちは商業区画を歩いた。


 ルークから渡してもらった、金貨を二枚ポッケに持って街の中を進んだ。

 これで、私の武器を買うんだ!


 街は円を描き、中心に向かって大通りがたくさんある。

 その中心の方を見ると、青色のとんがり屋根がついた大きな城が見えた。あれが、王城だ。


 たくさんの色に彩られた街は、今日も活気に満ちている。


「とりあえず、今日はティアラの武器を探そうか」


「そうですね。だけど、銃の国と言われるこの国で弓はあるのでしょうか?」

 

「確かに、あるのかな?」


 私とフィストは二人で首を傾げる。

 するとルークが、笑顔で答えた。


「きっとあるよ。だって、ここは銃の国って呼ばれる前に武器をたくさん作っていた国なんだから」


「確かにそうですね。歴史をたどれば、過去に弓を使って戦っていたっておかしくないですね」


「確かに!」


 つまり、ここは私が旅を始めたカリオッドの街の上を行く、武器の国なんだ。

 

 そうして、私たちは街の中を歩き回り、弓を探した。


 ☾ ☾ ☾ ☾ 


 しばらく、街の中を歩き、私たちはとある壁にぶつかっていた。


 それは……。


「弓がどの武器屋にもない!」


 私は、大通りの真ん中で叫んだ。

 

 どうしてだろうか……。

 どの武器屋も、銃や盾、剣や体に装備する装甲や兜しか置いてない。


「僕、気が付いたんだけど……」


 ルークが顎に手を置いて、話す。


「どの武器屋にも木製の武器が置いてないね」


「私も、それは思いました」


 確かにそうだ。どの武器屋も全部鉄製の武器しか置いていない。

 もしかして、弓がそもそもないのかもしれない。


「私、思ったんですけど、この国って鉄は近くに見える山があるからたくさん取れるけど、木は採れるけど少ないから、全部この国に暮らす人たちのために使ってんじゃないかと」


「え、でも近くにビスタリア大森林があるじゃん」


「あそこは、国境内じゃないから採れないんじゃないかな?」


 フィストは真面目な顔で答える。

 まだ、理解ができていない私に、フィストは説明する。


「つまり、この国は、国境内でしか物資のやり取りができなくて、国境外の物資は、例えば木が欲しいと思ったら、ビスタニア大森国と話し合わないといけないこと」


「なるほど……」


 なんとなくわかった気がする。

 つまり、ピスタニア王国は、国境内の物資を使って武器を作ってるけど、国境から外の物はほかの国の物と考えてるから、無闇に取れないってことか。


「ってことは、ここじゃ弓は売ってないってことじゃん……」


 前のめりになって、私は落胆する。

 だったら、ビスタリア大森国にいる時に、武器が必要って気づけばよかった。

 私、バカだ。


 私たちは、どうしようかとしばらく考えていると、聞き覚えのある声が耳に飛んできた。


「どうしたんだお前ら、こんなところで足を止めて」


 声の方に視線を向けると、そこには黒いマントと帽子をかぶった普段と変わらないグラットの姿があった。


「グラット、家に帰ってたの?」


 私が、聞くとグラットは笑みを浮かべて、言う。


「おう、家にちょっとな。で、お前らはどうしたんだ?」


「それがさ、ティアラの武器を探してるんだけど、ないんだ」


 ルークが困りながらグラットに近づいて、話す。

 

「武器? ティアラは何の武器を探してるんだ?」


「弓だよ」


「弓か……それは、この区画にはないだろうな」


「そうだよね……」


 肩を落として、がっかりする。


「ティアラ、俺はまだ、確実にないとは言ってないぜ」


「え? あるの?」


「うむ。そういうことなら、一旦、俺の家に来いよ。じじいなら作ってくれるかもしれない」


 グラットは、自信満々に城の方に指をさして笑った。

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