表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
28/42

奴隷少女は作戦を実行する

 次の日、太陽が顔を出すのと同時に、私たちはバックパックを背負って、すぐに移動を始めた。


 ビスタリア大森国は、近いだろう。

 なぜなら、獣人族の兵が森を歩いているからだ。


 ベルガンドは私が確実にビスタリア大森国にくると読んでいるのだろう。

 そのために、ルークを攫ったんだろうし。


 私たちは、隠れながら道を迂回して進むことにした。


 今、見つかるわけにはいかない。

 日が落ちて、辺りが暗くなった頃、ようやく国の入り口を見つけた。その奥には、ビスタリア大森国の街の姿があった。

 

 たくさんの巨大な大樹が生えていて、枝のように幾つもの木造建物が建ててあり、色んな大樹に繋がる吊り橋が架かっている。

 上にも下にもたくさんの建物があり、普段ならもっと賑やかな国なのだろうと想像ができる。

 けど、今は静かだ。


 私は、国の中心を睨む。

 その中に一際大きい大樹と建物が目立つように建っている。

 あそこが、王宮だ。


「ストップ」


 先頭を歩く、フィストが口を開く。


「ここから、この国の結界の中に入る」


「わかった。フィスト任せたよ」


「うん。任せて」


 この国の周りには、普段は魔物が侵入したときに反応する結界が貼ってあるらしいが、今は獣人族以外が通ると反応してしまう結界が貼ってある。

 だから、私とグラットが通ると反応して、ベルガンドに気づかれてしまう。

 けど、獣人族のフィストは通れる。


 素早い動きで、結界の中に入っていく。


「やっぱ、獣人族ははえーな」


 私の後ろで、グラットが驚きの声を小さく上げる。


 フィストは一直線に、見張りがいる大樹の方に登った。


 結界の本体は国の中心にある。

 フィストが言うには、青く丸い結晶が結界を作り、それを国全体に貼るために、その結晶と同じ素材の丸い結晶が国の周りに置いてあるらしい。

 今、フィストはそれを壊しに動いているのだ。


 壊せば、その一部だけ結界がなくなり通ることができるのだ。


 見張り役の兵が、フィストに頭を剣の柄で打たれ、倒れる。


 ――パリンと音が響いて、私は壊せたんだと思う。


 よし、これで国に侵入はできる。


 まず、一つ目の作戦がクリアした。


「はあ……って」


 安心で息を吐いていると、驚くことが目に入る。

 気絶させたはずの見張り役の兵が立ち上がったのだ。

 フィストはすぐにそれに気づき、私たちの方に戻ってくる。


「危なかった……。気絶させたはずなのに、立ち上がるなんて」


「多分、ベルガンドの中にいる悪魔ギルガッドに操られているんだと思う」


「作戦の時に気をつけてってティアラが言ってたやつか。面倒だな……」


 グラットが頭を掻き、苦笑いを浮かべる。


 悪魔の力で操られている人は、気絶させても動く。

 これは、ルークが助けに来た時のカリオッドの街の兵も同じだった。


 爆発で攻撃しているのに、何度も立ち上がるギルガッドの厄介な能力だ。


「とりあえず、行きましょう」


「そうだね。先を行こう」


 私は、息を吐いて気を引き締めた。


 ☾ ☾ ☾ ☾


 国の中にも、獣人の兵が監視していた。

 あの兵もみんな操られているのだろう。

 見つかれば、必ずベルガンドの中にいるギルガッドに気づかれる。

 今、気づかれれば作戦が失敗に終わってしまう。


 それだけは、避けないといけないことだった。

 慎重に、見つからないように私たちは国の中心、王宮に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ