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カナイチ・ホームズの好奇心ー冒険者ギルドの小さな名探偵ー  作者: 才練人
〜令嬢婚約パーティー殺人事件〜 第1章 現世に蘇った爆弾魔

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第28話 甦りし爆弾魔

「会場、雰囲気あって良かったわね」

「そうだね。

 代わりにここに来るまで馬車で数時間、

 しかもトンネルを抜けないと来れないけどね」

「仕方ないわ。

 会場は少々古くて普段は使われてないから」

「使われていない?」

「ふぁ〜……」

「おい、どうしたんだ?

 【ジョウマ】」

「【ゾウゴ】……

 少し眠くてな……」

「なら、用意された休憩室があるだろ?

 一旦休んでおいた方がいいだろ?」

「そうさせてもらう……」


 会話していたのはカナイチが目撃した二人組だった。


「カナイチ?」

「ん?

 いや、何でもないよ」

「そう」


 カナイチは二人の言動から、

 嫌なものを感じていたため少し警戒していた。


「あら、カナイチくん」

「……あれ?

 マリナさんとレナさん」

「こんにちは」


 受付嬢であるマリナとレナは、

 ドレスではなく普段と同じような仕事着で来ていた。


「お二人はなんで?」

「私達もギルドとして仕事を請け負ったのよ」

「ほら、冒険者も爆弾を扱う人もいるでしょ?

 処理もできる人もいるし、彼らを呼んでね」

「爆発物対策ということですか?」

「ええ。

 前はギルドはそこまで権力はなかったけど、

 今は様々なことをやるようになったからね」

「だから、お母様に頼んで招待してもらったわけ」

「へ〜」

「アドランさん、ドレスお似合いですね」


 アドランはミレイに言われてドレス姿になっている。


「あ、ありがとうございます。

 少し動きにくいけど」

「パーティーですから戦闘のための服はいりませんよ。

 ふふっ」

「確かに戦闘はないかもですね」

「……カナイチくんもスーツを着ているのですが……

 見違えましたね。

 頭はいつも通りですけど」

「変わってないのでしょうか?

 僕としては少し整えていますが」

「見えません」

「見えませんね」

「あ、やっぱり」


 マリナとレナは即答して流石にアドランも笑った。


「酷い」

「でも、少し似合ってるじゃない」

「僕としてはやはり着慣れていないから少し恥ずかしいですね」

「でもきちんとカナイチの好みに合うように選んだのよ。

 あげるから少しくらい正装は持ちなさいよ」

「くれるのですか?」

「カナイチに特別に注文したから当たり前よ

 カナイチくんが着ている服ならいくらでも手に入るし」

「さ、流石ハルトマン家」

「でも、アドランのドレス姿を見た時は、

 真っ赤になっていて面白かったわよ」

「ちょっ!

 ミレイさん!」

「あらあら!」

「……ミレイ……

 まだ言うの?

 しかも、知り合いの前で」

「いいじゃない」

「ええ。

 そう言う話は冒険者でも人気はありますし」

「限定じゃないですけどね。

 僕も解決した事件の詳細を聞かせろとよく言われますし」

「年上女性冒険者に揶揄われますからね」

「ああ……

 カナイチって可愛いところあるからね」

「男に可愛いって言わないでくださいよ、もう」


 そして、笑いが巻き起こる。


「で、ギルドの人はどのくらい?」

「さっきも言ったように、

 爆弾を扱っている冒険者に警備のために依頼した冒険者もいますよ。

 ただ、まあデートのようにしている冒険者もいますが」

「誰なんですか?」

「アルベルトくんとティーナさんよ」

「ああ……

 あの二人ようやく付き合ったというし」

「ああ、カナイチくんが話してくれた事件で、

 重要な役割をした冒険者達?」

「はい、そうです」

「マリナさん!」

「噂をすれば」


 アルベルトとティーナがやってきた。


「あれ?

 カナイチ達も来たていたのか?」

「……やっぱり、事件?」

「違いますよ。

 僕はアドランの先輩であるミレイさんの招待を受けて来たんですよ。

 事件の申し子のように言わないでください」

「ああ、悪い悪い」

「やっぱりとは?」

「いや、会場の受付に手紙があって」

「え?」


 招待状が入った箱をアルベルトが見せると、

 一つだけ真っ赤な文字で書かれた手紙があった。


「……なかったですよね、不気味な手紙」

「はい。

 招待状をそれぞれ確認したのですが、

 今までありませんでした」

「……他にも気になることが書かれてあって……」

「気になること?」


 ティーナが手紙を見せた。

 内容が……


“今宵、再び会場に悲劇を起こるであろう……

 サトシ・ボーマン”

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