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カナイチ・ホームズの好奇心ー冒険者ギルドの小さな名探偵ー  作者: 才練人
〜ゴミ屋敷殺人事件〜 第2章 解決編

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24/42

第24話 残されたもの

「……それにしてもキシヤが殺されたとはな」

「ああ……

 昔、お世話になったというから、少しやるせない気持ちになるよな」

 冒険者達は亡くなったキシヤを思って少し語り合っていた。

「犯人が郵便配達員なのも驚きだよな」

「犯行動機がお目当ての土像があったからだとよ」

「……ふざけた理由だな」

 そう言って悔しそうに拳を握る。

 この人もキシヤにお世話になった冒険者の一人だった。

「……驚きなのは鑑定しても同じ結果だと言うことだな」

「今は重要証拠品としてギルドが管理しているんだよな」

「そのようだ……

 まあ、裁判自体はそう掛からないかもな。

 証拠もたくさんあるようだし……

 それはつまりキシヤの家も……」

 家主がいなくなったゴミ屋敷は処分されるもの。

 いずれ多くの人が望んだようにあの家はなくなる。

「でも、この事件で一番目立っていたのはーー」

「ああ、そうだな」

 そう言って受付にいるカナイチを見て興味深そうに笑い始めた。

「カナイチさん、改めて犯人を捜し当て、逮捕に協力してくれたことに感謝します」

「いえいえ。

 また、このような難事件があればいつでも頼ってください!」

「カナイチってば、またカッコつけて……」

「……今回、事件は強盗殺人のため、カナイチさんには特別報酬を与えます。

 報酬金は三千二百デラルです、お受け取りください」

「……ありがとうございます。

 それであの後、どうなりました?」

 そこはアドランも気になっていたのか、黙ってマリナを見た。

 マリナは少し苦笑をした。

「正直に言えばてんやわんやになっていますね。

 あの家にあるものは殆どリサイクルできるものですし……」

「袋とか瓶とかあったしね」

「それにコリモノさんが言ったように歴史的に価値があったり研究資料として価値がある本もありますし……

 驚いたのはあの土像だけではなくて珍しい品もかなりあるとか」

「そうですか……」

「まあ、本当にゴミなものもあって、そっちは処分することになりますが……

 ギルドとしても大仕事になりますよ」

 確かにあの家はある意味では宝の山のような物だったが、それでもゴミもきちんとあった。

 それを分けるだけでも大変だろう。

「……大変なんですね」

「いえ、これも仕事のうちなので」

「そうですか……」

「カナイチさん!」

「あ、サクリスちゃん」

 ギルドで変わったのはあの事件以来、サクリスがギルドに入り浸るようになったことだ。

「あの後、何か困ったことある?」

「いえ、それは今のところありません」

「そうですか」

「ヨゥ、カナイチ!

 何だかモテてるな」

「そんなんじゃありませんって」

「カナイチさん、この人達は?」

「ん?

 ああ、この子がサクリスって子か」

「私を知っているのですか?」

「俺達もキシヤにお世話になったことがあってな」

「おじさん……」

「ちょうど、語り合おうとしてたんだ」

「あいつの知り合い、意外と多いからな……

 サクリスちゃんも参加するか?」

「は、はい!

 ……私も昔のおじさんの話とかも聞きたいです」

「決まりだな!

 それじゃ、今日は俺達が奢ってやるさ!

 サクリスちゃんは何を頼む?」

「えっと……

 お茶で」

「おいおい、そんな遠慮することはねえんだぜ?」

「俺達は冒険者だからな。

 ある程度儲かってるんだ」

「これから長く話すことになるんだし、遠慮すんなよ」

「は、はい!」

 そう言って冒険者達はサクリスと一緒にキシヤのことについて語り合った。

「行っちゃったね」

「サクリスちゃん、ここの冒険者に気に入れられたみたいね」

「そうみたいですね」

「……さて、それじゃ僕も依頼に戻るかな」

「依頼?」

「この依頼……

 なくなった物の場所に大方見当がついたからね」

「……そういえば、昨日、カナイチは休みだったのよね?」

「そうだね、アドラン」

「休めたの?」

「……」

 それを言われて黙ってしまったカナイチ。

 そう。

 昨日は休みの日だと言い切っていた。

 しかし、蓋を開けてみれば休みになっておらず、事件解決のために時間を使う形になっていた。

「ま、まあ、いいじゃない?

 事件は解決したし、こうしてサクリスちゃんと出会えたし」

「そうですね。

 今回の活躍は多くの人にまた知られることになりますね」

「え?」

「こういうの好きな冒険者もいますし、今頃新聞を作られてますよ」

「し、新聞!?

 そ、それは少し照れますね」

「それはつまり、今後も忙しくなるってことね」

「そうなりますね」

 それを聞いてカナイチは苦笑いをした。

 ますます声を掛ける人が多くなり、さらに個別で依頼をお願いすることになるから。

「まあ、探偵ってこう言う地味なこともするみたいだからね。

 カナイチ」

「は、ハハ……

 休みがさらに減るの確定的なのかよ」

 そして、頭をがぐっと垂れた。

※グラットン・ベア殺人事件の犯人であるマコはカナイチのファンになっており、この事件のことも知った。

 その表情はどことなく嬉しそうだった。

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