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カナイチ・ホームズの好奇心ー冒険者ギルドの小さな名探偵ー  作者: 才練人
〜ゴミ屋敷殺人事件〜 第1章 ゴミ屋敷で亡くなった男
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第19話 音が大きい魔道具

「……カナイチはこの事件をどう思うの?」

 アドランは不安そうにカナイチに聞いたが,カナイチは顎を指して考えていた。

「まだ何とも……

 あの中に犯人がいるとは限らないんだ」

「そうなの?」

「亡くなった被害者の人物像を考えれば動機はいくらでも考えられる」

「……恨みによる犯行ってこと?」

「そうとは限らないんだ」

「え?」

「だから、これから色んなことを探ってみるよ」

「……あたしもついて行くよ。

 カナイチ、推理得意けど冒険者としては頼りないもの」

「酷いな……

 でも、お願いするよ」

 そして、アドランと一緒に行動をする。

「なあ!

 ちょっとくらいいいだろ?」

 ウイズキさんがギルド職員と何か揉めていた。

「どうしたのですか?」

「この人が少しだけでいいから家に帰らせてくれと頼んでいるんだよ」

「私の家はこの近くなんだし、掃除道具を片付ける時間を少しくれって頼んでいるんだ。

 私は犯人じゃないから証拠隠滅なんてしないって何度も説明したのに!」

「……どうしたものか」

「……それなら僕達も同行すればどうでしょう」

「カナイチくん?」

「君が?」

「僕とアドランがです。

 もし、何かしらの証拠を隠滅しようと企んでいても僕達なら止めることができるでしょ?

 それに僕も確かめたいことがあるので」

「確かめたいこと?」

「ほら、言ったじゃないですか。

 洗濯用の魔道具が壊れているからか音がすごいって」

「確かに言ったな」

「それが実際どのくらいの音なのか、確かめておきたいんですよ」

「私は構わないが……

 君もそれでいいか?」

「わかりました。

 頼みますよ。

 カナイチくんとアドランちゃん」

「はい」

「わかりました」

 そして、カナイチ達はウイズキの家に向かった。

 ウイズキの家は白い建物で玄関も清潔だった。

「わ〜!

 結構綺麗なんですね」

「そうだろ?

 私はこういう気質だから色々と人から疎まれることも多いが、妻のように理解してくれる伴侶もいるからな」

 そう言ってウイズキは解錠し、扉を開ける。

 玄関近くで掃除道具が置かれておりモップなんかは柄から床に倒れていた。

「掃除している時に悲鳴を聞いて、駆け付けたんですよね?」

「ああ、そういうことになるな」

「それでは先に魔道具の調子を聞きましょうか?」

「こっちだ」

 ウイズキが案内すると箱型の洗濯する魔道具が置いてあった。

「この魔道具を起動すると……」

 魔道具を起動すると、動きはするが音は凄く、ゴゴゴと大きな音が響く。

「結構音大きい!」

「……これは……

 洗濯物を入れ過ぎが原因ですね。

 魔道具のエネルギー源である魔石が摩耗してますよ」

「新しい洗濯用魔道具も買おうと思ったが、中々いいのがなくてな……

 それに事情聴取の時にも言ったがここを引っ越すつもりだったからそんな時に新しい洗濯用魔道具を買うのもと思ってな」

「……洗濯って決められた時間にやったりするのですか?」

「ん?

 ああ、そうだよ。

 朝起きて、妻が朝食を作ってくれてそれを食べる。

 私が食器を洗って、洗濯をして……

 仕事がある日はそのまま仕事場へ、休みの日は廊下とか家を掃除するんだ」

「なるほど」

「尤も洗濯する音が聞こえたからと言って私のアリバイを証明することにはならないが……」

「いえ、とても参考になりました」

「え?」

「掃除道具を片付けるのならこのバケツの中に入っている水を捨ててもいいですね」

「構わんよ。

 そこに捨ててくれれば」

「わかりました」

 カナイチはまずバケツの中の水を捨ててから他の掃除道具もウイズキの指示に従ってしまった。

 もちろん、不自然な点があれば聞くつもりだったが、どこも不自然な点はなかった。

「手伝ってくれてありがとう」

「いえいえ」

 そして、ウイズキはポストを開ける。

「ん?」

「どうしましたか?」

「いや、新聞だけかと思ったが魔道具雑誌も入っていてな」

 そう言ってウイズキは袋を破り、雑誌を眺める。

「……これを置いてから戻るよ」

「アドラン」

「うん」

 アドランも一緒について行く。

 その後、何事もなく現場に戻る。

「何も手掛かりがなかったね、カナイチ」

「……いや、そうでもないよ」

「え?」

「後でここ周辺の人から聞かないと断言はできないけど、もしあの人が魔道具を動かす時間帯が決まっていたら……」

「決まっていたら?」

「犯人からしたらその時が犯行を決行するタイミングになるでしょ。

 あれだけ大きな音が響いたらちょっとやそっとの音なんか掻き消される」

「被害者の悲鳴が聞こえなかったっていうの?

 でも、それでもあの中の誰でも反抗できるんじゃないの?」

 すると、カナイチはゴミ屋敷の玄関近くをキョロキョロと見渡した。

「どうしたの?」

「……やっぱり……

 アドラン、マリナさんを呼んで」

「え?

 うん」

 そして、しばらくしてマリナが来た。

「カナイチくんどうかしたの?」

「ここ、見てください」

 カナイチが指すと物が置けそうな大きなゴミの上に鍵が置かれていた。

「こ、これってもしかして……」

「この家の玄関の鍵ですよね」

「ええ、そうね……

 でも、不用心だわ。

 こんなところに置いてあったら簡単に泥棒が入られてしまうわ」

「……目利きの良い人なら尚更ね」

「え?」

「何かわかったの?」

「この事件の大体のあらましが……」

「ほ、本当なの!?」

「でも、まだ足りない……

 まだあの中にいる人でも、そうじゃない人でも犯行は可能ですから」

 カナイチは鋭い目で容疑者達を見ていた。

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