市場へレッツゴー
初ブックマークいただきました。
この場を借りてお礼させていただきます。
ありがとうございます。
ドアから出て、驚きすぎて、声が出なかった。
見渡す限り……
原っぱ、土。
匂いもまさに自然。というような土と草の匂いが漂って、どこか落ち着いた。
そして、敷地がとても広い。いわゆる、東京ドーム一個分くらいで、全面、土と原っぱなので、お家のポツン感がすごい。
アリスは帝国一の魔法使いだから、こんな広い土地を所有しているのだろう。
よし、植物図鑑持ってきたし、何か栽培したりして、この敷地を有効活用しよう。
まずは、市場に向かおう。
ゴットが言っていた一本道に向かうまで、結構距離があったけど、体力に自信のある私にとっては許容範囲だった。
一本道からは、すぐ市場に着くことができた。
人も多く賑やかで、お祭りの屋台が並んでいる感じだ。
歩いている途中に思い出して、服が周りと浮かないか心配していたけど、
異世界はドレスでしょ。わたしは平民だから質素なワンピースにしよう。
という転移前の安易な考え方で乗り切っていた。
むしろ、小さく刺繍されていた一輪のバラに注目されて、シェラという花屋さんの女の子を筆頭に、沢山のお店の店員さんが話かけてくれた。
ゴットからもらったアンクレットのおかげで、会話を楽しむことができた。
(ありがとう。ゴット)
ここでの名字は家名で貴族しか持っていないらしい。そこで、名字はもちろん省いて、エミリと名乗り、旅人であることも伝えて、この国について教えてもらうことができた。
ほとんど日本と物価が変わらず、100円=100ゼッタだが、貴族が欲しがる金や宝石は高く日本での金額の15倍にはなるらしい。
なんと、バラの花は、王家の花で、王家の者以外ほとんど身につけないらしい。
どうにか、「旅人で知らなかった」という理由で逃れて、優しいみんなは納得してくれた。ここでの価値観はわからないけど、はたから見たら、王家を軽々しく扱っていると疑われかねない。
平民の皆が恐れ多くて、バラの花の服は着用しないのならわたしも着用しない。"郷に入れば、郷に習え"だ。質屋に行ったら服を着替えるためにも、すぐに帰ろう。と決心した上に、悲しくもこの服のお蔵入りが決定した。
驚くことに、この帝国でバラを育てることは難しく、バラを王家に献上できたら、かなりの報酬が出るらしい。隣国から種や苗、花は輸入できているとのことだった。
それを聞いて、一攫千金を狙うためにバラを育てるのに挑戦しようと思った。
シェラとは特に楽しく話して、バラのタネは安くで仕入れられるから友達になった証に。と10粒ほどもらった。
(わたしのバラのイメージ相当強いんだろうな。)
シェラに質屋の場所を教えてもらったので、この市場、唯一の質屋に無事たどり着くことができた。
(本当にシェラには感謝だな。)
わたしが買ったネックレスは一粒だけどダイヤモンドのついた10万円のものだ。
ずっと貯金していたバイト代とお父さんからのお小遣いで買うことができて、自分でも気にいるほど可愛いデザインのものだった。先程の話も考慮して、100万ゼッタは下らないだろう。と予想をつけた。
「このお金が今後の生活を左右するものだし、満足の行く値段で買い取ってもらおう。」
と意気込んで質屋に足を踏み入れた。
アンティークや宝石が沢山あって、建物は古い感じだったが、それも風情を出していた。質屋の店員さんは、男性で30代くらいで優しそうな雰囲気を醸し出していた。
「あ、旅でこの街に来たの?」
「はい。」
彼は、かなり観察力と推理力があるようだ。
わたしのこの服と雰囲気で当てたようだった。
その上、かなり気さくな感じだった。
「見てほしい商品はどれ?」
「このネックレスです。」
わたしは彼にネックレスを見せた。
「ほ、本物のダイヤモンドだ。これはかなりの価値があるぞ。」
わたしにはしっかり聞こえていたけど、彼は聞こえないほど小さな声で、そうつぶやいていた。
しかし、彼は何を思ったのか、
「これはこの国では宝石とはみなされておらず、安い価格で取引されています。
綺麗に加工されているので15万ゼッタほどでしょうか。」
お父さんが大企業の社長ということもありほんの少し聞いた"交渉時は冷静に、そして、時には利益だけではなく交渉する人との今後、築いていく関係性も考慮することが大切。"という交渉術を使ってみることにした。
もちろん、買取価格はもっとあげてもらう。もし、彼と協力し合う仲になるとして、利益を全く考えないにしても、15万ゼッタはあり得ないくらい安すぎるし、きっと彼は、わたしが旅人だから、この帝国のお金、もしくはこのネックレスの価値をわかっていないと思ってのこの値段かもしれないから。
「これはダイヤモンドです。
あなたも先程かなりの価値があるとつぶやいていたようですが…
もう一度、見ていただけませんか。」
わたしは、彼に丁寧に頼んだ。
すると、彼の雰囲気がガラリと変わり、怒り始めた。
「ダイヤモンドなんて宝石は存在しない。だからこの15万ゼッタを取って、このネックレスを置いていけ。」
「いえ、もうお金の換金はしなくて大丈夫です。」
これは、交渉も何も、もうないだろう。
仕方ないけど、質屋は、別の市場でどうにか探して、今は、アリスの貴重品に現金がないかどうか確認してみよう。
そう思って、この店を出ようとしたら、彼がわたしのネックレスを奪おうと襲いかかってきた。
その瞬間、救世主がやってきたのだ。
ブックマークや評価、感想をいただけたらとても喜びます。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。




