ひらめき
よろしくお願いします
今日も今日とて、わたしは悩んでいる。
奴隷商人がもうルイスを追いかけてこないようにするためにはどうしたらいいか。
その解決策が全く思いつかない。
今日で、悩んで5日目。
こんなに何かで悩んだことのないわたしは、我慢の限界に達していた。やっぱり、わたしは、考えるよりは行動したい質なのだと思う。
わたしは、頭の中を整理するために交換日記に今の現状を書き込むことにした。
あれから、わたしとルイスは基本ずっと一緒にいるので、ルイスはわたしの隣で様子を見守っている。
ここ最近は、ルイスと一緒に剣術の訓練をしている。
ルイスから筋が良いと言われた。
嬉しい。これからも頑張ろうと思う。
うん。うっかりいつも通りただの日記になっている。
気を取り直して書こう。
そう思って、わたしは今どういう問題があって、どうしたら解決に導けるのか思い返して書き出してみた。
まず、貴族が奴隷の闘いと賭けをする機会のために、このような大会が開かれている。
貴族は、比較的平穏な生活を送っていて基本的に毎日同じ行動パターンなんだそう。
この闘いでスリルを味わったり、賭けに勝って楽しむことが目的らしい。
奴隷商人は家族からの金儲けのために、このような大会を開いている。
ひたすら金儲けのためにこのようなひどいことを行なっているらしい。
主に奴隷は基本的に国を失ったの人ーーこの国に吸収された隣の小国の人ーーらしい。
その人たちは基本的に教育は受けることができていないらしい。
また、闘う事を目的にしているため、運動能力が高い人が集められているらしい。
思う事はいろいろあるが、悪い事をしていた貴族や商人はやっつけたい気持ちはある。
だけど、一介の平民が何の権力無しでそんなことができるのか?
今は無理っぽい、とわたしは判断した。
無力の自分を呪うことは簡単だが、まずは、この現状をどう打破するか。その行動をとる方が大事だと思う。
そう思って、自分を鼓舞して、とりあえず、彼らの考えを変えよう。と決意した。
まずは、貴族、商人、奴隷が利益を得る状況を作らなければならない。
ということは、貴族はエンターテイメント性を求めていて、この商人が合法的にお金を得られる。そして、賭けはトラブルの元になるから、その制度を無くしても楽しめるものがより良い。奴隷の人も心身の健康を保てる。希望を言えば、いつかは奴隷の人も独立できる。
そのようなシステムがあれば……
日本でのエンターテイメントって何があったっけ?
そう思って、わたしは日本の方を思い返した。
映画、テレビ、音楽、漫画、スポーツ……
そして、わたしは閃いた。
そうだ。スポーツで競い合えばいいんだ。
わたしは詳しくルールがわかるスポーツをまず考えてみた。バレーボールに野球。
いつかはバスケットボールにサッカーを広められられたらと願望もあったが、
まずはわたしが詳しいスポーツを参考することにした。
そして、わたしはある程度考えを詰めて、ノートにメモしていたところに玄関のドアのノックオンが聞こえた。
「オレがみてくる。エミリはあぶねーかもしれねーからオレが安全を確認するまで待っててくれ。」
「わかった。ありがとう。」
先日、ルイスはわたしの騎士になると言ってくれたけど、弟のような子に過保護に扱われてまだ慣れない。
過保護といえば凌空もだったな。とさっき日本のことを考えていたからだろうか。ふと、わたしの大切な幼馴染の存在を思い出した。元気にしているだろうか。
そう思いながらも、わたしもルイスが心配だったので、少し離れて後ろから様子を見ていた。
そして、ルイスが玄関のドアを開けた瞬間……
わたしの救世主が顔を表した。
ルイスは警戒した様子だったが、わたしはすぐにレイに駆け寄った。
「レイ。お久しぶりです。
どうぞ、中に入って下さい。」
「久しぶり。エミリ。ありがとう。
全然、わたしの家に来ないから心配したけど、何もなかったのか?」
「色んなことがあって、レイの家に行く時間がなかったんです。あ、この子はルイスです。わたしの弟的な存在なんです。」
「ああ。そうか。」
今日は家に招待できると思いながら、ここ最近を思い返してみたが、本当に色んなことが起きたな。と思い返した。
そして、わたしがレイと契約した内容を思い出して、彼にこれからの方針を話して、サポートしてもらおうと考えついた。
「レイ、これから手伝って欲しいことがあるのですが、サポートをお願いしても良いですか?」
わたしはあの閃きの後からかなりしっかりと制度を決められた。そうして、彼に全てを話した。
「すごいな。
それが実現できたらかなりこの国が変わるぞ。この国の王はずっとこの制度を無視していて、誰も解決策を思いつかなくてこんなことになっていたんだ。」
「そうなんですか。」
レイは申し訳なさそうにしながら、
「私もこの国のためになるならいくらでも援助する。
そして、エミリのためにこのブレスレットをもらってきた。このブレスレットで、髪と瞳のの色が変わるんだ。早めにもらってきてよかったよ。
こんな大舞台に立つんだから、髪と瞳の色は変えないとな。」
「はい、わかりました。」
きっとこの国の事情なのだろう。
例えば、この色は呪われているだとか、そういう類のもの。
でも、今はそういう事は関係ない。まずは、目先の問題解決からやろう。と思って、レイの言葉に従うことにした。
でも、思ったんだけど、ネックレス、アンクレットにブレスレットとわたしはたくさん装飾品をつけることになるなー。と思った。
アンクレットは靴で隠れるとして、こんなに装飾品をつけるのは稀だなと思ったけど、まあ、慣れるかなと思うことにした。
「レイへのお願いを詳しく伝えますと、わたしがそこの商人の運営所に話しする機会を作って欲しいのです。
そして、貴族に話しする機会があったら、そこのオーディエンス側に参加して、賛同して欲しいのですが。
お願いしても良いですか?」
「ああ。この国のためにありがとう、エミリ。
わたしにできることなら何でもしよう。」
そう言って、今回の問題への解決の糸口はできたのだが、わたしは違和感を感じた。
ルイスとレイが一言も会話をしないのだ。
むしろルイスは警戒心ではなく、敵意を放っている。
そのため、わたしは傍観していたのだが、帰り間際に
「ルイス様」
とレイがルイスに何か伝えている声が聞こえた。
ルイスとレイの悲しそうな雰囲気を感じ、わたしは
「レイ、色々ありがとうございます。
ブレスレットも本当に助かりました。
今度、会いましょう。」
「ああ。奴隷商人と話す機会を設けた日を伝えにまたこちらに訪れる。」
と言ってくれた。
わたしが想像するルイスとレアの自己紹介にならなかったけど、きっとお互いに何かあるのだろうと思って、そっとしておくことにした。
ここまで読んでいただきありがとうございます




