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side ルイス

よろしくお願いします

こんな事だけは、絶対起こしたくなかったのに……


オレは、疫病神なのか。死神なのか。

オレの大切な人はみんな奪われていくのか……


エミリが3日間目を覚ましていない。

エミリがいつ目を覚ましてくれるのかヤキモキしている。


半月ほど共に過ごして、エミリの人柄に触れて、あんなに警戒心まみれのオレが、こんなに心を許し、エミリのことを大切な存在だと思うとは想像できなかった。


早く、あの笑顔を見せてくれ。エミリ。


エミリーが目を覚まさない3日間、オレはエミリの看病、そして、エミリの騎士となる誓いを立て続けた。


オレの国には騎士の誓いがあった。

生涯で、たった1人に捧げ、その人を命がけで守る。という誓いだ。


エミリーが寝ている3日間、エミリの手の甲と髪の毛一房、そして、額にキスをして、エミリが眼を覚ますことを願い、あの国で1番の剣士になる予定だったオレがずっと守るから。と誓い続けた。


目を覚まさないエミリを見ていると、エミリと過ごした日々の思い出が次々と思い起こされ、今までのオレの行動や言動に対して、後悔も溢れてくる。


エミリの大切さに気づくのが遅かった自分。

あんなに冷たい態度じゃなくて、もっと優しい態度で接しておけば……


いつの間にか、知らず知らずに家族だと思えていた存在。姉のように頼りになる反面、何を起こすか分からない危なっかしさで目を離せない、妹のようにも思える存在。


初めてエミリの前で笑った日。

初めてエミリの前で素の言葉遣いを使ってしまった日。

エミリの畑仕事の下手さと、泥だらけの顔を見ると、自然と笑みがこぼれた。

久しく、人前で笑ったことなってなかったのに……


そのあと、告げられた衝撃的なお姫様抱っこ事件。

あの時は、お姫様抱っこを"する側"ではなくて"される側"なんてとショックを受け、後になって、触れられたことではなくて"された側"という立場に対して不甲斐なく思っていることに、オレはさらに衝撃を受けていた。


日課になったエミリとの畑仕事と泥遊び。

こんなくだらない時間が幸せに感じていたあの時。


エミリはオレに全く泥をつけられなかったが、エミリが目を覚ましたら、好きなだけオレに泥をつけていいから、早く目を覚ましてくれ。とまた願い続けた。


もう一つ日課になっていた奴隷商人を殺すこと。

エミリには、剣の鍛錬だと伝えて隠し続けていた。

実際、オレは、アイツらの気配を読み取って、先回りをして殺しに行っていたのだ。


エミリに始めから事情を伝えていたら、こんなことは起きなかったのだろうか。


後悔はとめどなく溢れていき、この3日間は嫌という程、エミリの存在の大きさに気づいていった。


そういえば、1つわからないことがあった。

あの時、エミリを中心に円状に広がった光だ。

あれで、オレを残して、敵全員とエミリが倒れた。

側から見ればオレだけ無事だったから、オレが何かしたように思うが、あれは違う。


もう一度あの場面を振り返ってみる。

いつもより敵が多く、二方に敵が分かれていた。オレは一方を制圧したが、もう一方が先回りをして家に入っていた。

エミリに何かあったのではと慌てて駆けつけると、エミリは無事で、束の間だったが、ホッとした。


これがオレがダメだったところだ。

エミリの無事な姿を見て安心したせいで、後ろへの警戒を怠っていたからだ。だから、エミリはオレを守ろうと走ってきた。そして、エミリが


「やめてーー!!」


と叫び、オレが後ろを振り向いたと同時に、エミリがオレの頭をかばうようにかぶさってきたのだが……


その瞬間にエミリとオレを守るように四方八方に光が放たれ、オレ以外の全員が意識を失った。


エミリはオレを庇った形で体の力が抜けたため、オレに覆いかぶさってきたのだった。


エミリが意識を失ったときを思い出すと、今でも背中に冷や汗が流れる。慌ててエミリをおんぶしてベッドに運び、看病して、今の状態なのだが……


「ま、って……。つ、れて、い、か、ない、で。」


エミリーが寝言を言い出したのだ。


「カイ。カ、イ。やめ、て。」


そういって、エミリは涙を一粒流した。


エミリはやっぱり生きている。と思うと同時に、誰か知らないカイという奴が、エミリに何か害をなしたのかと気になり、カイに対して敵対心まで沸いてきた。


エミリが目覚めたら、光の話と共に聞いてみよう。と思い、ちょっとした様子も見逃さないように、目を離さずにエミリの様子を見ていた。


すると、突然、エミリが目覚めた。エミリーは、オレと目が合いながらもぼうっとした後に、当然頭を触りだした。


エミリは、自分が頭を殴られたか確認していたらしかった。そして、エミリに今までの感謝と態度が悪かったことの謝罪(下手ではあった)をして、今の気持ちを素直に伝えた。


オレが奴隷だったせいでこの事件が起きたということ。オレが追跡してきた奴隷商人を殺してしまったこと。エミリを守りたいからこの家に残りたいという気持ちも。


あんなに後悔したのに、なかなか自分が思っていること全てを伝えることは難しい。


たから、これらは言えなかった。

今は、久しぶりに幸せだと感じられているという事。エミリだけでなく、エミリと過ごす穏やかで楽しい日々を守り続けたいという事。


どうしてか、その言葉までは恥じらいを覚えて言えなかったんだ。


そう言えば、オレは、エミリから出た弟というワードには、しこりが残った。

少しは、姉と思える部分もあるが、きっとオレの方が色々できるから、エミリを妹のように守りたいという気持ちがあるからだろう。


まあ、それは置いといて、エミリはこんなオレも受け入れてくれ、認めてくれた。エミリに嫌われなくてよかった。と安堵した。


そして、エミリはオレのために対策を練る。と言って色々考えてくれている事にまた感謝した。


これが、家族という存在なのだろう。

良い案が出なくともその気持ちと、また家族と思える存在ができたことが嬉しかった。


そのあと、エミリに謎の光も、カイという奴のことについて聞いたが、収穫はなかった。

かなり気になったが、エミリが眉間に皺を寄せた様子で、頭が痛んだと推測できたので、これ以上、エミリに負担はかけないよう、そのことについては言及しなかった。

きっと、いつかわかる日が来るはずだ。


エミリは目覚めたばかりで疲れただろう。と思い、ご飯を作ろう。と思ったとき、エミリはオレに素の言葉で話すことを提案してきた。

改めて、家族みたいだ。と思った自分が予想以上に、これからエミリと過ごす日々を楽しみにしていると気づき、照れくさくなった。


そして、小悪魔なエミリはまた攻撃をしかけてきた。あのかわいくて綺麗な笑顔でオレにお礼を言ってきたのだ。


「ありがとう。」


その1つの言葉でこんなに幸せになる事があると学んだ瞬間だった。

これからはエミリのために色々やろう。と思いながら、エミリの綺麗な笑顔を見たため、オレの顔に、更に熱が集まったことに気づいた。


絶対、エミリは

「ルイス、かわいいー。」

と言ってからかってくるはずだ。と予測したので、顔が赤いのをバレないように、急いで、台所へ向かった。


そうしながら、改めてオレに生きる意味ができた喜びを実感した。

後は、エミリに、オレがお前の騎士になりたいこと。ずっとお前が学びたがっていた、オレにとって1番大切な剣術を教える。ということを伝えようとも思った。


この幸せな日々を守るために、オレも毎日努力をしよう。


ーもう2度と大切な人を失わねー。

今度こそ守る。



よし。そう決心したら、まずは、オレが待ちに待っていたエミリと一緒に食べるための料理を、渾身の力で作ろうじゃねーか。


待ってろよ。オレらの飯。








新連載の方もよろしくお願いします


https://ncode.syosetu.com/n7952im/

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