sideルイス
よろしくお願いします。
始めはエミリ姉さんと呼んでいいのよ。と言われたのだが……
いやいや、呼びたくねーわ。オレは17歳だから、彼女と1歳しか変わらない。今はこんなに身長差があるが。そう少しボヤいていたのだが。
そうしているうちに、結局、彼女はオレにエミリ姉さん。と呼んでと要求してきたのだ。
考えると、容易い要求だ。
でも、オレは理由がわからないが何故だかやっぱり嫌だったのだ。オレには本当に姉がいたから、彼女は家族じゃないから呼びたくなかったのだろうか?いや、そうではないだろうが、本当に理由なく嫌だった。
だけど、彼女のどうしても姉さんと呼ばれたいという気持ちに気付いて、彼女が喜ぶなら、呼んでみるか。と、また今考えると、オレにとって有り得ない考えが浮かんで、実行していた。
彼女は、幸せそうで嬉しそうな笑顔を見せてくれた。オレは心に温かい何かが広がってきている気がした。
また、この笑顔を見たいとは思ったが、もう一度姉さんと呼びたいとは思わなかったので、その後の、彼女の提案を受け、彼女のことを今後エミリと呼ぶことにした。
そうして会話は流れ、エミリは何故か別室に行った。
すると、オレの剣が綺麗になって渡された。
エミリが保管してくれていたのだ。
ああ。本当にありがたい。オレの大切なものを……
これを見ると、もういない、オレが守れなかった、そして、オレを守るために死んだ家族を思い出すが、1番大切な物が戻ってきて嬉しくて、ホッとした。
それから、エミリは、オレの食事に気を使ってくれたり、一緒に好きなものを探そうと言ってくれたり(そんな発想がオレにはなくて驚愕したのだが)、オレの人生はまだまだ長いのかとも思ったが、何故だか、エミリの近くは思ったより居心地が良かった。
食事が終わると、エミリは外に出ようとした。オレも暇だから、エミリの手伝いをしようと思った。
すると、菌が入るとか言ってスコップを触らせなかった。オレはそんな菌に負けるほど弱くはないのに。そうやって、過保護なほどにエミリに怪我を心配されながら、とりあえず棒の影の長さをひたすら見るという訳のわからないことをした。あと、エミリは何をしているんだ?ってほど土を耕す事が下手だった。
そして、オレは初めて奴隷生活に感謝した。
エミリはオレの傷に気を使って、植物図鑑になっている食用植物を探そうと思っていたのだろうが、オレは何が食用かはすぐにわかる。
食料は自分で得なければならなく、何でも色々食べて試してみたことがあるからだ。
その事実をエミリが知って、オレを心配している等の発言でまた驚いた。エミリといると、エミリの発想にずっと驚かされている気がする。
そして、これから事件が続いていくのだった。
エミリは料理が壊滅的だった。
エミリはお粥は作れるらしいが、それ以外で料理をしようとすると、何故か爆発を起こしかけたり(急いで、対処をしたので何事もなかった)包丁の使い方は不慣れで、材料じゃなくて自分を切るのではないか?というレベルだった。
しかも、エミリは爆発未遂をしたことや包丁の使い方がかなり下手であることには無自覚だった。
その上、オレにかっこいい所を見せようとしていた点にはおかしくなって、思わず、噴き出してしまった。
全ての作業をオレがほとんどこなしてしまって、なんだかエミリがかわいそうだったので、オレはどんなまずい料理でも食べられるからいいか。と思い、エミリに味付けを任せた。
正直全く期待はしていなかったのだが、エミリの味付けは上手だった。
自由な時間ができ、エミリは何かを書いていたが、オレは剣の鍛錬をしてきた。何かあって、自分を守れるのは自分だけだから、1日も鍛錬を欠かすことはできない。
そして、今日の大事件が起きたのだった。
何故か今、オレの横にはエミリが寝ている。
布団で区切られているが……
エミリは警戒心というものをどこかに置き忘れたのだろうか。いや、オレもあんなにエミリに対して、警戒心があったのに、なぜ、こんな状況になってしまったのか。
あの時、エミリの提案の、オレがベッドを使うという提案を受け入れれば良かったのか。
いや、絶対無理だ。エミリは恩人だし、女性だ。
流石に、それは無理だ。
そう考えながらも警戒心はまだ解いていないはずだった。
オレは疲れていたからだろうか。いいや、いつもこんなに疲れていても、ここまで熟睡したことはなかった。オレは寝ていたのだった。
そして、頭に感じる違和感で目を覚ました。
ん?つーか、今どういう状況だ。
お、オレはエミリに抱きしめられて、頭を撫でられているだと?!
エミリは起きているのか?
いや、寝息が聞こえるじゃねーか。
オレは少しパニックになった。
奴隷生活の中、罰と言って体罰が行われていたせいで、人との接触が嫌になっていたはずだった。
それなのに、エミリに触られているだと?!
あり得ないことに、エミリは、寝ながらオレを抱きしめて撫でるという器用なことをしていた。
この器用さは、料理とか別のところで発揮してくれ。
何で意識もなく、こんなことをしているんだ?
どうしようか。動いたら起きるだろうか?
オレは、焦りながら、恩人を起こすのはダメだ、と結論づけ、不動のまま時間を過ごした。
そうして、エミリが離れた後、急いでベッドから飛び降りたのだが、エミリにくっつかれていることを自覚するまではかなり眠れていたので、疲れは取れていた。
少しした後、オレはエミリーに触られていたことを改めて思い出し、何故他人に触れられていたのに、いつものような嫌悪感がなかく、訳が分からなかったが、エミリに関しての感情は理由がわからないことが多かったため、考えても分からないだろうと思って、考えることを放棄した。
しばらく経って、エミリが起きてきて、またベッド事件を思い出し、何故か顔に熱を帯びた気がするが、エミリーは何も気にいない様子で(まあ、寝ていたしな。)、これが所謂、"小悪魔系女子"というもので、オレを今後振り回してくれるのだろうか?と冗談のように考えていた、この馬鹿げた考えが、後に本当になるとはオレには全く想像ができていなかった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
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