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縮まる距離

よろしくお願いします。

同じベッドで寝たからだろうか。

わたしとルイスはあっという間に仲良くなった。

やったね!


なーんてことはなく、わたしとルイスはいくつかの出来事を通して、仲良くなった気がする。



☆☆☆☆


わたし達は、ルイスが目覚めてからたた1つを除いて同じ行動を取っていた。


そのただ1つというのが、ルイスが敷地内で、1人で剣術をしていたことだった。



傷が塞がりにくくなるし、外はまだ危ないのではと思い、

「怪我が完治するまで剣術をすることはやめたら?」とわたしは反対した。


しかし、ルイスは

「体が鈍り、自分を守れなくなる。」

と猛抗議をされた。

それならばせめて、わたしは見守ろうと思ってルイスに付いて行こうとしたが、激しい拒絶を受けて、見守ることもできなかった……


ルイスは色々あるのだろうと思って、渋々付いて行くことも諦めたが、心配だったので、何かあったら叫ぶように。とは言っていた。



こんな感じで、その時まで、仲がいいとはお世辞でも言える関係ではなく、わたしがお節介を焼いている状態だった。



そんなある日、

ルイスの傷が見事完治したのだった。

ルイスの回復力は見事だった。


あの痛々しい傷跡が全く残らず、さらには、普通の人では2週間はかかるはずの傷を1週間もかからずに治したのだ。


わたしは、こんな幼い子にあんな痛々しい傷が残らなくて、ホッとした。今後は安全を確保することを頑張ろうと思った。



ルイスは、毎日わたしのやること全てを手伝ってくれていた。

ということは、ルイスの傷も完治したことだし、ルイスの傷を考えて、できていなかった畑仕事も解禁となったのだった。


わたしは張り切ってルイスに声をかけた。


「ルイスの傷も治ったことだし、今日から畑仕事もしましょう!」

「ああ。」


(やっぱり、相変わらずわたしだけテンションが高いな。今日こそ、ルイスの他の表情、特に笑顔が見れたらな。)


わたしは、無意識にルイスの笑顔を想像してはニヤニヤしてしまっていた。

その無意識に想像しているという事実に気づいたのはルイスの冷めた視線を察知したからで、笑顔を見たい!という願望とは程遠い表情だった。



さあ、気をとりなおして、わたしは土を耕すことを始めた。


この前は不純な動機[ルイスにかっこいい、あわよくば、かっこいいお姉さんだなと思ってほしい。]から一生懸命頑張ったのだが、その考えはもう烏滸がましいとわかっている。


今回の動機は、ルイスが有能すぎて、わたしが手伝いポジション、いわば、あまり戦力にならないことは申し訳ないと思って、一生懸命、土を耕していたのだが……



ルイスは畑を耕す事も、わたしのスピードの5倍以上はあるように思える。

(うん。やっぱりこうなるよね。ルイスは凄すぎる。

わたしが手伝いポジションじゃないか。)



わたしは、もう一度、気をとりなおしてできる限り速く丁寧に、夢中になって畑を耕していた。


まさかこんなことになっているとは知らず……


ルイスが急にクスッと笑ったのだった。

わたしは幻覚か幻聴かと思ったが、ルイスのクスッと笑った顔をバッチリ目撃した。


(やった。ルイスが笑った。)


でも、クスッと笑ったのには違和感を感じた。


(この笑いはわたしが変なことをしているからなのか、一生懸命頑張っていて、微笑ましいからなのか。明らかに答えはわかる。でもわたしの心のためだ。後者と思い込もう。)


そう心の中で思っていたことが、無残に砕け散った。


「お前、顔に泥だらけなんだけど。土、耕すの下手すぎだろ。」


「ええと。ルイスさん。ちょっと、話し方がいつもと違うんですけど……」


ルイスは少し気まずげな顔をした。


「ああ。すまない。」


「好きな話し方でいいよ。」


「ああ。まだ、泥ついてる。」


結局話し方は戻ってしまった。

ルイスが少し素を出してくれたことが嬉しかったが、すぐに元に戻ってしまったことは残念だった。


そして、顔の泥はどこに付いているんだろう。と思い、掌が汚れていたので手の甲で落とそうとした。

すると、泥は、ほっぺた一面に伸びてしまって、さらに悪化した。


(うん。もうこれはファンデーションの一種だと思っておこう。)


わたしが諦めると、爆笑する声が聞こえた。

(あのー、ルイスさん、ツボに入っちゃいましたか。

まあもういっか、笑顔も見れたことだし。)


「お前って案外不器用だよな。

包丁使うのも下手だし。」


(図星ですけど、もっとオブラートに包んでください。)


「まあ。でも、ルイスが上手すぎるんだよ。」


「そうかもな。

ったく、オレが泥をとってやるよ。」


「わたしに触れても大丈夫なの?」


「ああ。あの時はお前に警戒していたからだ。

こんなに世話になっているんだ。

今はそこまでは警戒していない。」


「そっか。嬉しい。ありがとう。」

「別に。信用しているとは言っていない。

じゃあ、顔をかせ。」


ルイスは爆笑してから、本来の話し方で話すようにしたようだ。なんだか、わたしは嬉しくなった。


そうして、わたしはルイスに顔を拭いてもらった。

「ありがとう。」


(なんか、あんなに幼いルイスが兄っぽくなっているのは何でだ?!

あ、あの時の話を出したらどうなるかな?)


わたしは、浅はかな考えを思いついてしまったのだった。


「ルイスは倒れた時、どうやってわたしの家まで来たと思う?」


「ん?オレが無意識で歩いたとか?

でも、他人の家には、はいらねぇーしな。」


ここで、ニヤニヤしたことが間違いだったのだろうか。いや、この話を出した方が間違いだった。


「正解は、わたしのお姫様抱っこです。」


「ああ?最悪だ。」


ルイスは少し顔を赤らめてから、その後に、顔をしかめた。

そして、拭ってくれはずの泥の倍の量をわたしの顔になすりつけた。


「ちょ、ちょっと、ルイス。

待ちなさーい。」


いかにも小者っぽさが拭えないセリフで、わたしも泥を持ってルイスを追いかけた。


わかっていたことではあったが、ルイスの足が速すぎて、(わたしも学校では速い方だったのに……)わたしが、ルイスに泥をつけることは不可能だった。



何だか、仲のいい姉弟みたいなことをしているんじゃない?

今度はルイスから信用してるって言われたいな。


そのような願望を抱いて、わたしもルイスに続いて、家の中に戻ったのだった。


この後に待ち受ける事件も知らず……



ここまで読んでくださりありがとうございます。


新連載もどうぞよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n7952im/


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