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12/19

新生活スタート!

よろしくお願いします

朝ごはんも食べ終わった。

ルイスには今日もゆっくりするようにと言ったし、今日こそ時間の確認と畑を整備して、食べられる植物を発見しよう!と意気込んで植物図鑑を持って外に出た。


わたしは、この前刺していた木の棒が残っていたのであらためて影の長さをチェックした。そしてスコップで30分ほどコツコツ耕していたところ、ルイスが外に出てきた。


「眠くないし、つまらない。

 何かやることはないか?」


(傷にばい菌が入ったらダメだし……

そうだ!これをやってもらおう)


「じゃあ、あの木の棒の影を観察して1番短くなった時を教えて。」


「ああ。」


そうして、わたしは畑整備に専念した。



2時間ほど経った頃


「だんだん影が長くなってきたから、ついさっきが1番短かった。」

「ありがとう。」


そう言って、わたしの腕時計を見た。

腕時計は18時を指していたため、時差はちょうど6時間違いだった。


ルイスはやることがなくなったからか、今度はわたしのスコップを使って畑を耕そうとしていた。


(働き者なのは偉いけど、ばい菌が入るからダメ!)


わたしは慌ててルイスを止めた。


「ルイス、今は傷にばい菌が入ると良くないから、手伝ってくれるのは助かるけど、畑のことはしないで大丈夫だよ。」


「いや、そんなこと気にしないで大丈夫だ。」


そう言って、ルイスはなかなかスコップを離さなかった。


(うーん。だったらルイスが手を汚さずに手伝えるものをやろう。)


そうして思いついたのが、植物図鑑に書いてある食べられる植物を、この家の敷地から探すことだった。


「じゃあ、この植物図鑑を持って、一緒にこの敷地から食糧を探しましょう。」


「ああ。」

ルイスは、その言葉を聞くと、すぐさまスコップを話して、植物図鑑を持った。


(よかった。作戦は成功した。ルイスは素直で可愛らしいなあ。)



☆☆☆☆



「これも食べられる。あれも。」

(えええ。ルイス有能すぎなんですけど……

植物図鑑がただのお荷物になっている……)


驚くことに、ルイスは植物図鑑を見ずに、食べられる食材を教えてくれた。

もちろん、ルイスの傷にばい菌が入ることを危惧して、わたしが採取した。


わたしは、ルイスがこんなに有能な理由が知りたくて

「なんで、こんなに食べれるものがわかるの?」

と聞いてみると、

「色々食べてみたからな。」

と理解し難い答えが返ってきた。


「じゃあ、危ないものも食べたってこと?」

恐る恐る聞いてみると、

「ああ。そうしないと、生きていけないからな。」

と予想通りの答えが返ってきた。


辛い……きっと事情はあるのかもしれない……

でも、ルイスにはこんな目にあって欲しくない。

なんなら、わたしが養おうか。


ここに来た目的とは別に、新たに本気でルイスを助けたい。という目的も明確にできた瞬間だった。


「もう、こんなことにしないで。自分を大切にして。

 行く宛がないなら、わたしの所に長くいてもいいから、変なものを食べるとか、無駄なケガを作るとかはしないで。とっても心配だから。」


「……努力する。」


ルイスは少し目を大きく開けて、答えた。


そうして、わたしたちは無事食糧をゲットすることができた。


それから、ルイスと昼ごはん作りをスタートした。


(よし、今度こそかっこよく料理を作りたいな)


練習でできないことは試合でできない。とはよく言ったものだと思う。


わたしの理想は、コックさんのような包丁裁きだったが、もちろんできなかった。

それどころか、猫の手ができているか逐一チェックして、ゆっくり切っていくというものだった。

家で、なかなか包丁を使ったことはなかった。凌空や凌空ママがよくご飯を作ってくれたから……


さらに、ルイスの包丁使いはかなり様になっていたのだった。


ルイスの有能さに感服するとともに市販の無能さに呆れてくる。


せっかく弟に包丁の使い方を教える姉というシチュエーションを味わえる可能性があったのに。


気分を変えよう。

これからの伸びしろが大きいってことだ。

そして、弟を褒める姉のシチュエーションは味わえるはずだ。


「ルイスは包丁も使えるんだ。すごいね。」

「ああ。味付けには自信はないが、包丁は剣と少し似ているからな。」

「じゃあ、わたしが味付けをがんばる。」


ルイスに気を遣わせた気がするが、持ち前のポジティブさで、味付けを頑張ろう。と気合を入れた。


そうして、味付けはなんとか上手くいって、2人でゆっくり食べた。

喋らなくても気まずくならないことが、なんだか心地よかった。



夜ご飯までの間に、畑を耕そうと思った。

だけど、ルイスがまた手伝ってくれようとしたので、2人でそれぞれの時間を謳歌することにした。

わたしはアリスとの日記帳にこれまでの出来事を書くことにした。


夜ご飯も、ルイスが包丁、わたしが味付けという役割で作り、食べ終えた。



そして、本日のビッグイベントが発生したのだった。

寝るときの王道問題発生。ベットが一個しかない事件。

(これって本当に起こるんだな。)


「ベッドはルイスが使って。」

「いや、エミリが使ってくれ。」

「ううん。こういうのは下の子に譲るものなんだよ。」

「いや、こういうのは年上に譲るんだ。」

「ルイスは怪我をしているからルイスが優先だよ。」

「おれの怪我は治りそうだし、エミリはおれより体が弱そうだから、エミリが寝てくれ。」


これは永久に終わらなさそうだな。わたしはそう確信したので、いい考えを伝えた。

姉が弟と寝るシチュエーションなんだか、憧れていたんだよね!!それも達成してみましょうか。


「だったら一緒に寝ましょう!」

「え……」

「いやー、1人では眠れなさそうだったんだよね。しかも、怪我をしている子をベッドで寝かせない状況を考えたら眠れないよ。」

「だが……」

「しかも、ルイスはわたしがベットを使ってほしい。 だったら、それしかいい案はないよね。

ルイスには絶対触れないようにする。

布団はたくさんあるから、布団でそれぞれの領域を区切ろう。

もし、それでもダメだったらわたしは床で寝るよ。」


わたしは、少し強硬手段で、ルイスの様子を見ることにした。すると、ルイスは渋々といった様子で


「わかった。じゃあ布団で区切ろう。」


そう言って、わたし達は、寝る前にそれぞれの領域を作ったのだが、それがちゃんと意味を成していたのかはわからない。


次の日の朝も朝とて、ルイスがやはり有能だった。

先に起きていて、ぶっきらぼうに

「おはよう。」

いってきたのだった。


なんだか、顔が赤くなっているような、戸惑っているような気がした。



何故か幼少期に凌空から

「お前は、寝相が悪い」

と、顔を赤らめられながら、怒られたことを思い出したのだが、布団で区切ったから大丈夫だよね。でも、その区切られた布団がどうなっていたか確認はしていないけど……

まあ、あの時から成長したのだし、きっと寝相は良くなっているよね。と希望を抱きながら、寝ぼけているわたしがルイスの様子を見間違えた可能性もあるよね。と考えて、ルイスにその理由を聞くことはなかったのだった。








 




新作を連載しています。


「まだ結婚したくない!」と逃げ出した私だけど、婚約者が追いかけてくるのはどうしてですか?〜もしかして、私は悪役令嬢で、断罪するためですか?〜

https://ncode.syosetu.com/n7952im/


こちらは展開の早さを意識しています。

どうぞよろしくお願いします。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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