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15話 旅立


夕飯を食べ終えジンを枕にして横になっていると、ゲンがガルダに向かって話始めた。


《ガルダヨ、オヌシ何時マデ此処ニ居ルノダ》


《そうだね、今回は気紛れでここに寄っただけだから明日には此処を発つよ》


《ソウカ、ナラ序デニフィリウスヲ連レテッテクレンカ》


「え!?どうしたんだよ突然!」


《ソロソロ、フィリウスモ外ノ世界ヲ見ルベキダト思ッテナ。ソレニ神カラ世界ヲ見テ回レト言ワレテオルダロ》


「それはそうだけど、それにしても突然だろ」


《ナニ、ガルダガ コノ時期ニ来タノモ何カノ縁ダ。コレヲ逃スト我ガ運バナクテハナラナクナリソウダシナ》


「そこは別にゲンが運んでくれてもいいだろ!面倒がるなよ」


《いやいやお主ら、私が運ぶこと前提で話しているがこれは決定事項なのかね?》


《別ニイイダロ?ガルダナラ半日モカカラズ着クノダカラ。ソレニ、オヌシハ人ヲ背ニ乗セテモ誰ニモ文句ハ言ワレンシ》


《そんなこと無いぞ!グリフォンやペガサスら辺に見られたら、後から「何下等生物を背に乗せているのですか!」とか「もう少し自分の立場を考えてください」とかグチグチと言われるさね》


《ソノ程度ダロウ、我ガフィリウスヲ背ニ乗セテイルトコロヲ 息子ヤ他ノ龍ニ見ラレタラ、眷属ヲ率イテ フィリウスヲ殺シニ押シ寄セテ来ル恐レガアル》


二匹がギャーギャーとどれだけ自分が慕われえているかの自慢に移行し始めたのでその間に、俺は自分がこれからどうするか考えをまとめる。


確かにいつまでも此処でサバイバルしていてもしょうがないし、外の世界を見てみたい気もする。けど俺がここを出るとゲンが一人きりになって可哀想だしな・・・


「なぁ、ゲンも一緒に旅をしないか?」


《イヤ、我ハコノ島ヲ守ルノガ今ノ勤メダカラナ、気軽ニ島ヲ出ルコトハ叶ワン。》


「そうなの?でもガルダは大陸からこうして出てきてるじゃん。大丈夫なの?」


《私は2,3日程度なら大陸を出ても大丈夫さね。優秀な眷属がいるからね。》


「じゃ、ゲンも眷属をコノ島に置けばいいじゃん」


《それは無理さね。今現在ゲン以外にこの島を統括できるほどの眷属はいないし、今から育てるとなるとあんたの寿命が尽きても足りないぐらい時間がかかるだろうね。》


「じゃゲンって実質世界最強なのか?」


《イヤソンナ事ハ無イゾ、速サナラガルダノ方ガ速イシ 力ナラ【シルウヮ大陸】ヲ守護シテイル【フェンリル】の方が強い。マァ我ハバランスガ取レテイルッテダケダ》


「高ステータスでバランスが取れてるって最強じゃん。」


《お主ら話がズレ始めてるさね》


《トイウ訳デ我ハコノ島カラ気軽ニ出ラレン、ソノ代ワリフィリウスニハ コレヲヤロウ》


そう言いながらゲンが自身の鱗と一枚抜きフィリウスに渡した。


《餞別ダ、武器ニ加工スルナリ売ルナリスレバイイ。ソノ代ワリ明日ノ朝ハどん○ヲ百杯クレ》


といい、俺が以前倒した巨大な亀【マウンテンタートル】の甲羅で作った皿を持ってきた。


「まぁ面倒だけどそれくらいならいいよ。」


《なにさね?そのどん○というやつは》


《どん○ハナ、途轍モナク美味イモノダ!》


《ほう、なら私にもそれをくれ。もし私が気に入ればペルトゥバーティオ大陸へ連れてってあげるさね》


「いいけど、そんなに期待するなよ。あとガルダ用の皿はないから食べるときは小さくなってくれよ」


《むぅ仕方ないさね》



翌日、俺は朝からゲン用のどん○をせっせと創っては皿に移す作業をして、ジン用のご飯を作る。ジンはそばより肉が好きらしく、毎朝ジンが自分用に狩ってきたモンスターの肉を焼いてあげている。

 そして香ばしいそばの匂いに気付いて起きてきたゲンが、どん○を入れた皿に顔を突っ込み食べ始め、その横でジンが焼き立ての肉にがっつき、俺とミニガルダが普通盛りのどん○を食べ始めた。


因みにガルダはどん○をとても気に入り、人が住む大陸へと連れて行ってくれることが決まった。



島を出る前にこの1年間で仲良くなったモンスター達に別れを告げる為島中を駆け巡った。

島の中を自由に生きているモンスターを探すのは大変だったし、中々離れてくれないヤツもいた。正直見つけられなかったのも数匹いたが時間が無かったので已むを得ずあきらめた。


《そろそろ行くさね、準備はいいかい?》


「ああ、と言ってもあんまり私物は無いけどな」


《じゃぁ乗りな。今から出れば夕刻には向こうに着くさね》


《ソレジャァ元気デナ。死ヌ前ニ一度顔ヲ見セニ来イ》


「おう!ゲンも俺がいなくて寂しがるなよ!」


《バカヲ言ウナ、サッサト行ケ。ジンモ強クナルノダゾ》


「クゥ~ン・・・ガウ!」


ジンはゲンに寄り添いスリスリと頭を擦り付け元気よく吠えた。


「それじゃ行ってくる!ジンもこっち来い・・・あと小さくなれ」


ジンが勢い良く突進してきたので注意した。


そして俺はガルダの背に乗り島を旅立った。




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