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2人のサイコパス  作者: アズキ
第3章

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7,変な死体

志村のことを考えながら乗るパトカーは決していいものとは言えなかった。

川島はパトカーを運転しながら、会ったこともない志村がどのような人物のなのかを頭の中で必死に整理していた。

考えれば考えるだけ、得体の知れない人物像が浮かび上がってくる。

警察を翻弄するために、普段は頭が悪いふりをしていたのだろうか?

だとしたら、計算高い男だ。

自首をしてきた殺人鬼。

過去にも殺人を犯したと発言。

共犯者がいて、そいつが今、無差別殺人事件を起こしている。

計画したのは志村だと思われたが、志村は計画を立てられるほどの知性があるとは思えないとコンビニの店長が発言。

では、誰が今回の犯行を計画したのか?

思い当たる節はあった。

いま、無差別殺人事件を起こしている、志村の共犯者だ。

川島は志村が頭のキレる相手ではない方向に考えを巡らせていた。


志村は殺してからの間、1時間半もの時間が経ったあとに自首をしてきた。

志村が誰かに助けを求め接触したというのが考えられる。

その相手が誰なのか。

川島は検討もつかなかった。

謎はまだ残っている。

急に志村が4人の名前を出した理由だ。

警察を撹乱させるための作戦?何のために?

未だに検討もつかない自分が少し嫌になる。

柊木から褒められたばかりだというのも余計に嫌になる要因だった。

褒められたなら褒められたなりに、実績を出したいと考えていたからだ。

結果を出し、柊木にまた褒めてもらいたい。

いつの間にか、柊木という刑事に憧れを抱いていたのかもしれなかった。

冷静沈着で、現場の状況をすぐさま読み取り、不可解な部分にも気づく。そんな刑事になりたいと思ったのだ。


現場に到着し、また、KEEP OUTの文字と黄色い色を目にする。

見るだけで足の進みが遅くなる。

目はバリケードテープを直視したくないようにそっぽを向く。

何度見れば気が済むのだろうか。

事件が終わる頃には、黄色いものを見るとアレルギー反応が出てしまうのではないかと思うぐらいだった。

バリケードテープをくぐるとすぐに、人の足が見えた。

川島の方向からは人間を下から見たような角度に見える。足の裏が見える状態だ。

ぐったりした足の太ももらへんに、スカートが乗っかっていた。

殺されたのは女性らしい。

通報では、少し変な状態だったらしいのだ。

警察に連絡をしてくれた人間ですら、死体を見て通報するか躊躇ったそうだ。

今のところ、別に不可解な点はないように思えた。

しかし、見逃す訳にもいかず、川島は死体をよく観察しながら近ずいた。


ゆっくりと歩み寄り、死体の全貌が見えてくる。

通りかかる警官たちに、お疲れ様です、と挨拶をしながら、進む。


「なんだ…これ」


川島は眉間に力が入り、死体を凝視した。

観察しなければ分からないほどの異変というには、あまりに分かりやすいものだ。

死体の周りには血の水たまりが作られていて、出血多量で死んだことを物語っている。

腹部に傷がないあたり、背中に傷を負い、出血したのだろう。

しかし、そこに目がいくよりも、別のものに目がいってしまった。

それもそのはず、初見で川島と同じ状況にあったのなら、まず最初にその部分に目がいくだろう。


死体の顔にはとあるお面がつけられていたのだ。


通報してくれた人間が恐怖し、躊躇うのも無理はないと思わせるその恐ろしい表情は…

般若だった。


般若のお面を死後に犯人から顔につけられたようだ。

川島は息を飲み、もう一度、死体をよく見る。

犯人からのメッセージであることは確かであるが、その意味が分からなかった。

おそらく、自分よりも先に着いていた警察官や刑事も驚いたに違いない。


誰もが、この死体を見て驚いていた。

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