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南半球の世界

この世界の地理の話が続く。頑張って書いたけれども無理に読まなくてかまいません。途中でややこしいと思ったらこちらに戻って来て下さい。

 俺達の世界は限りない大地が広がり、その周りには海が囲んでいる。俺達の嵐の国は北岸の中央部に位置しており、他の国より豊かで軍事力も誇っている。時々、覇権国と讃えられる。


 嵐の国を含めて北岸には十二カ国有り、船走る十二カ国と称されている。これらの国々は昔から海運で繁栄しており、商業が盛んだ。


 船走る十二カ国から遥か南の内陸に行くと砂漠が広がり、石油が取れる。これを燃料に船や飛行機を動かし、生活にも使用される電気の発電所も稼働させている。更に南に行けば大河川が東西に流れている。その中央部は大陸の中心部であり、湖が広がっている。偉大なる大河と育む湖だ。


 それより南は草原が広がる寒冷地であり、馬に乗った遊牧民の国々が十二カ国存在している。草原の十二カ国だ。更に南に行けば氷と万年雪の南極が広がっている。


 それら大陸の中央部の西側と東側には南北に二本の山脈が聳えている。西側は明日に臨む屋根、東側は肥えた大地の屋根と称される。明日に臨む屋根からは石炭と火薬、肥えた大地の屋根からは様々な金属が採れる。明日に臨む屋根から更に西に向かって沿岸部まで十二カ国有る。神祀る国十二カ国と呼ばれる。反対側の肥えた大地の屋根から沿岸部までは神踊る十二カ国が存在している。


 神祀る十二カ国と神踊る十二カ国は海で繋がっている。帆船で一ヶ月ほど航海すると対岸に到着する。大陸の端と端が繋がっている。二千年ほど前から船の往来があったので、俺達は世界が巨大な球体だと分かっていた。


 現在俺達の世界では四十八カ国だが、時代によって国の数が増減してきた。疫病や政治腐敗や飢饉で滅ぶこともあったけれど、戦争で戦勝国が敗戦国を併呑することもよくあった。



 俺は学校でその事を学んでいた。父からも教わっていたので地理や歴史の成績は良く、教師が苦笑いしている。俺が父からの受売りを語り出すと、教師は途中で中座させて次の講義に移る。同級生達はそれを面白がっている。


 俺達は自分達のいる大陸と南半球の事はよく知っているが、北半球の事は分からない。時折北から来る潜水艦を見つけては高度な文明を人間に似た生き物が築き上げているのだと分かる。


 潜水艦に助けられた人達は皆、自分達と人間が潜水艦を操艦し、北半球に住んでいると語る。俺達と違うのは髪と瞳の色だけで、他は俺達と変わらないようだ。


 俺達の髪は黄色だけれども、向こうの人達の髪は赤・紺・黒だったりする。向こうの人達の瞳の色はどれも何故か暗褐色か焦茶色だ。俺達は不思議に思う。俺達の瞳は赤・緑・青・灰・茶と様々だからだ。


 同じ人間だけれども北と南では種族が違うのかもしれない。俺達の世界には国の数以上に数百もの民族がいるけれど、長い歴史で戦争と貿易で深い交流が出来て混血が少しずつ進んでいる。国の壁、文化の壁、言葉の壁は有るけれど、異民族同士の結婚はそれほど珍しくない。北の人達とはそんな民族以上の違いが有る様だ。


 違いが有るにしても何がどれくらい違うのだろうか。俺は気になる。

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