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着陸

 俺達はうぶすな大陸の南側に着陸しようと計画を練った。盤古大陸の沿岸部は山に囲まれているし、海風列島の南側の大島には大小の船舶が頻繁に往来している。うぶすな大陸は地震・津波・噴火が起きているが、短期間の滞在ならば問題はないだろう。


 俺達は嵐の国からではなく大陸西側から赤道を越えることにした。西側の神祀る十二カ国北部の波の国から協力を得て波の国の基地から出発することにした。


 今まで十人五機で赤道を往復してきたが、燃料を確保する為に今回は五人五機の編成だ。一人分の体重が減って更に燃料を多めに貯えられるので余裕が持てる。有事の時もある程度は対応できる。


 写真や録音機も持って行く。無事に着陸できれば北半球の人達の音声や風景を記録するのだ。


 俺達は操縦訓練の他に言語学者達が解読した言葉を学ぶ。敵意が無い事を伝えたり、自己紹介をしたり、交渉を進めるにはやはり言葉が不可欠だ。学者達が丈夫な紙に北半球の言語で書いた文章を書いてそれを北の人達に渡し、俺達は身振り手振りで自己紹介を試みる。北からも録音機が送られてきているのでそこで学者達が音声資料を分析していた。独特な発音で俺達は困ったが、頑張った。


 北の人達の言語は俺達の世界のどの言語とも違う。北半球でも様々な民族や国が共存しているようだが、意思疎通を円滑にする為に統一されている。俺達も俺達の世界で最も使われている言語で資料を送っていた。俺達の国・嵐の国は覇権国なので俺達の世界は現在、嵐の国の言葉を使用している。北の人達の言葉を学んで思った事だが、他言語を学ぶのは実に骨が折れる作業だ。


 一年ほど準備して俺は三十五歳になった。まだ片言だがこれ以上は待てないと軍も政府は判断している。風の弱い晴間の秋、早朝。俺達五人は一人一機ずつ乗っていく。


 今回初めて北半球の陸地に着陸する。北の人達と直接会うだろうが、一歩間違えれば殺されるか捕虜になる。無事に着陸出来るかも心配だが、その後も礼節を弁えて慎重に行動しなければならない。


 俺達は一機ずつ飛び立って行く。北から送られてきた地図を何度も分析して確認してきた。頭に叩き込んでいる。指定された所に計器で確かめながら向かっていく。


 赤道を越える。まだ雲が沢山有ったが俺達は高度を下げて行く。天気は小雨だ。厄介だが何とかなる。


 菱形の大陸が見つかる。俺達は飛びながら徐々に降りていく。大海原から磯と砂浜に入る。指定された地点に近付く。森林も建物も無い草原。俺達は速度を下げていく。着陸。


 雨が降り草が生き生きとして水分を含んでいた為、火事は起きなかった。遠くでは森林が広がっている。後ろを振り向けば海と砂浜が見える。俺達は恐る恐る強化ガラスの扉を開けて飛行機から降りた。

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