第41話 盾と剣
スケルトンキャプテンは静かに剣を構える。
その後ろでは、残るスケルトンソルジャーたちもゆっくりと距離を詰めてきた。
「アイリ。」
「うん。」
「ソルジャーを頼む。」
「分かった!」
アイリはすぐにファイアボールを放つ。
火球が一体の胸へ命中する。
パリン。
魔石が砕け、スケルトンは完全に動きを止めた。
その間に。
スケルトンキャプテンがグレンへ斬り掛かる。
ガキィン!
グレンはミスリルバックラーで受け止めた。
そのまま剣を滑らせるように受け流す。
「そこだ!」
体勢を崩したキャプテンへ連続斬りを放つ。
一撃。
二撃。
しかし。
キャプテンは盾を使って二撃目を防いだ。
「防ぐか。」
グレンは小さく笑う。
今までの魔物とは違う。
剣術を使う相手だった。
その時。
横からソルジャーが斬り掛かってきた。
グレンは素早くバックラーを向ける。
ガンッ!
攻撃を受け止めると、そのまま身体を押し込んだ。
バランスを崩したソルジャーへ剣を振るう。
「連続斬り!」
胸の魔石まで一気に断ち切る。
パリン。
二体目を討伐した。
「あと二体!」
アイリが叫ぶ。
ファイアボール。
もう一体の魔石が砕ける。
残るソルジャーは一体。
しかし。
キャプテンが突然、大きく盾を叩いた。
ガァン!
重い音が遺跡へ響く。
最後のソルジャーが、一斉にグレンへ飛び込んできた。
「連携か!」
グレンはバックラーでソルジャーの剣を受け止める。
ガンッ!
受けた反動を利用して身体を回転させる。
「スマッシュウェーブ!」
衝撃波がソルジャーを吹き飛ばした。
その隙にアイリの火球が命中する。
パリン。
最後のソルジャーも静かに崩れ落ちた。
「これで一対一だ。」
グレンはミスリルソードを構え直す。
スケルトンキャプテンも剣を構える。
静かな空気が流れる。
先に動いたのはキャプテンだった。
鋭い斬撃。
グレンはバックラーで受け流す。
続く横薙ぎ。
今度はミスリルソードで受ける。
金属音が何度も響く。
「本当に剣士みたい。」
アイリは思わず息を呑んだ。
攻防が続く。
グレンは一瞬だけキャプテンの盾の動きが遅れたことに気付いた。
「今だ!」
バックラーで相手の盾を弾く。
キャプテンの胸が大きく開いた。
グレンは地面を蹴る。
「パワースラッシュ!」
渾身の一撃がキャプテンを正面から捉えた。
鎧が大きくひび割れ、骨が砕け散る。
胸の奥で青白く光る魔石が姿を現した。
「アイリ!」
「うん!」
ファイアボールが一直線に飛ぶ。
パリン。
魔石が砕け、スケルトンキャプテンは静かに光へ変わっていった。
広間に静寂が戻る。
「勝ったね。」
アイリが安堵の息をつく。
グレンはバックラーへ視線を落とし、小さく笑った。
「この盾、思った以上に頼りになるな。」
左腕のミスリルバックラーには、傷一つ付いていなかった。




