表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
37/40

第37話 八階層

 数日後。


 グレンとアイリは、再びフォルン冒険者ギルドを訪れていた。


「おはようございます。」


 受付では、ミーナが笑顔で迎えてくれる。


「今日は八階層へ向かわれるんですね。」


「ああ。」


 グレンは頷く。


「まずは様子見だ。」


「お気を付けください。」


 二人は依頼を受けると、そのままダンジョンへ向かった。


 七階層を抜ける。


 アルファウルフを倒した部屋を通り過ぎ、その奥にある石階段を下りる。


「行こう。」


「うん。」


 二人はゆっくりと八階層へ足を踏み入れた。


 そこは今までとはまったく違う景色だった。


「遺跡……。」


 アイリが思わず呟く。


 石造りの広い通路。


 天井を支える巨大な柱。


 崩れかけた壁。


 長い年月を感じさせる古代遺跡が広がっていた。


「雰囲気が変わったな。」


 グレンは周囲を見渡す。


 その時だった。


「……?」


「どうしたの?」


「隠し空間感知が反応してる。」


 グレンは壁へ近付く。


 一見すると何の変哲もない石壁。


 しかし、スキルはその向こうに空間があることを教えていた。


「この先に部屋がある。」


「本当?」


「ああ。」


 二人は壁を調べ始めた。


 しばらくすると、柱の陰に小さな石の突起を見つける。


「これだ。」


 グレンが押し込む。


 ゴゴゴゴゴ……。


 重い音とともに石壁が横へ動いた。


「開いた!」


 アイリが嬉しそうに笑う。


 その先には、小さな部屋があった。


 部屋の中央には、一つの宝箱。


「やっぱりあったね。」


「ああ。」


 グレンは罠察知を使う。


「反応あり。」


「解除する。」


 慎重に仕掛けを確認し、一つずつ外していく。


 やがて。


 カチッ。


 小さな音を立てて罠が停止した。


「よし。」


 グレンはゆっくりと宝箱を開く。


「これは……。」


 中に入っていたのは、銀色に輝く金属だった。


「綺麗……。」


 アイリが思わず見入る。


 グレンは手に取る。


 ずっしりとした重みがあった。


「ミスリルインゴットだ。」


「インゴット?」


「ああ。」


「装備を作る材料だ。」


「かなり価値が高い。」


 アイリは驚いたように目を丸くする。


「そんな物が隠し部屋に?」


「だから隠してあったんだろう。」


 グレンは大切そうにマジックバッグへしまう。


「売る?」


 アイリが尋ねる。


 グレンは少し考えたあと、首を横に振った。


「いや。」


「今は使えなくても持っておこう。」


「いつか役に立つ気がする。」


「うん。」


 アイリも笑顔で頷いた。


「その時が楽しみだね。」


 二人は隠し部屋を後にする。


「隠し空間感知、すごいね。」


「ああ。」


「これからの探索が変わりそうだ。」


 その時だった。


 グレンが足を止める。


「来る。」


「二体。」


 石柱の陰から、錆びた剣を持つ骸骨がゆっくりと姿を現した。


 眼窩には青白い光が灯っている。


「スケルトンか。」


 グレンは静かにミスリルソードを構えた。


 八階層の新たな戦いが、幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ