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第31話 次の目標

 ダンジョンから戻った二人は、そのままフォルン冒険者ギルドへ向かった。


「お帰りなさい。」


 受付では、ミーナが笑顔で迎えてくれる。


「今日は七階層の調査依頼でしたね。」


「ああ。」


 グレンは討伐証明を机へ並べた。


 ミーナは一つずつ確認し、頷く。


「確認しました。」


「依頼達成です。」


「ありがとうございます。」


 報酬を受け取ったあと、グレンは思い出したように口を開いた。


「そうだ。」


「七階層で見慣れない狼を見つけた。」


「見慣れない狼ですか?」


「ああ。」


「普通の狼より一回り大きくて、毛並みは黒に近かった。」


「戦わなかったのですか?」


 ミーナが少し心配そうに尋ねる。


「ああ。」


「相手のことを何も知らなかったからな。」


「依頼でもなかったし、無理をする理由もない。」


 ミーナはほっとしたように微笑んだ。


「それで正解です。」


 受付の後ろにある魔物図鑑を取り出し、ページをめくる。


「特徴からすると、おそらくこの魔物ですね。」


 二人が覗き込む。


「シャドウウルフ。」


「七階層に生息する上位種です。」


「やっぱり上位種か。」


 グレンは納得したように頷く。


「通常のウルフより素早く、単独でも危険な魔物です。」


「無理をしなくて本当に良かったです。」


「安全第一だからな。」


 グレンが笑うと、ミーナも優しく頷いた。


「その考え方なら、きっと長く活躍できます。」


 そして、書類を整理しながら続ける。


「そういえば、お二人とも六階層を攻略し、七階層の探索も始められましたね。」


「ああ。」


「でしたら、そろそろCランク試験を受けられてもいい頃です。」


 グレンは少し驚いたように尋ねる。


「もう受けられるのか?」


「はい。」


「七階層を攻略できる実力があるかを確認する試験になります。」


「なるほど。」


 ミーナは続けた。


「ただ、もう一つ方法があります。」


「七階層を攻略すれば、自動的にCランクへ昇格できます。」


「試験を受けなくてもいいのか?」


「はい。」


「試験は、実力がある方に早く昇格していただくための制度です。」


「実績で条件を満たした場合は、試験を受けなくても昇格できます。」


 グレンは納得したように頷いた。


「だったら、俺たちはこのままでいいな。」


「急ぐ理由もない。」


 アイリも笑顔で頷く。


「うん。」


「いつも通り、安全第一で攻略しよう。」


「分かりました。」


 ミーナも優しく微笑んだ。


「グレンさんたちらしいですね。」


「七階層を攻略された時は、私からCランク昇格をお知らせします。」


「その時を楽しみにしてる。」


 グレンは笑顔で答えた。


 無理に近道はしない。


 一歩ずつ、確実に前へ進む。


 それが二人の冒険だった。

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