表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/45

第25話 六階層の主

 翌朝。


 グレンとアイリは、いつものように六階層へ向かっていた。


「今日は奥まで行くんだよね。」


 アイリが少し緊張した表情で尋ねる。


「ああ。」


 グレンは頷く。


「六階層にも慣れてきた。」


「そろそろ最奥を見ておきたい。」


「無理はしないよ?」


「もちろん。」


「危ないと思ったら引き返す。」


 それが二人の約束だった。



 六階層を慎重に進む。


 気配察知のおかげで待ち伏せされることもなく、オークソルジャーやパラライズスネークを危なげなく倒していく。


「ずいぶん楽になったね。」


「ああ。」


「前は待ち伏せだけでも神経を使ってたからな。」


 やがて。


 大きな石扉が見えてきた。


「これは……。」


 グレンは立ち止まる。


「今まで見たことないね。」


 アイリも小さく息を呑んだ。


 石扉には、大きな剣と盾の紋章が刻まれている。


「ボス部屋かな。」


「たぶん。」


 二人は顔を見合わせる。


「帰る?」


 アイリが尋ねる。


 グレンは少しだけ考えた。


「いや。」


「扉を開けて、危険そうなら逃げよう。」


「うん。」


 二人はゆっくりと石扉を押した。


 重い音を立てながら、扉が開いていく。



 広い空間。


 中央には、一体の大きなオークが立っていた。


 普通のオークより一回り大きい。


 全身を金属鎧で覆い、大きな盾と長剣を構えている。


「オークナイト……。」


 グレンは静かに呟いた。


 その瞬間。


 オークナイトがゆっくりとこちらを向いた。


「グオオオオオォッ!!」


 低い咆哮が部屋中へ響く。


「来る!」


 グレンが剣を抜く。


 オークナイトは一直線に突進してきた。


 ガァン!!


 盾が振り抜かれる。


「重っ!」


 グレンは受け流したものの、大きく後ろへ押し込まれる。


「身体強化!」


「防御強化!」


 アイリの支援魔法が飛ぶ。


 身体が軽くなる。


「ありがとう!」


 グレンはすぐに距離を詰める。


「パワースラッシュ!」


 重い斬撃が盾へ命中する。


 ドゴォッ!!


 しかし。


 オークナイトは数歩後退しただけだった。


「止まった!?」


 グレンが驚く。


「今までみたいに吹き飛ばない!」


「やっぱり強い!」


 アイリも表情を引き締める。


「ファイアボール!」


 火球が鎧へ命中する。


 だが。


 オークナイトは怯みながらも前へ出てくる。


「硬いな……。」


 グレンは笑った。


「でも。」


「効いてないわけじゃない。」


 オークナイトが剣を振り下ろす。


 グレンは横へ避ける。


 そこへ。


「ファイアボール!」


 アイリの火球。


 一瞬だけ視線が逸れた。


「今だ!」


 グレンは盾の外側へ回り込む。


「連続斬り!」


 二連撃が鎧の隙間を捉えた。


 オークナイトが苦しそうに声を上げる。


 さらに。


「パワースラッシュ!」


 今度は盾ではなく、剣を持つ腕へ叩き込む。


 ドンッ!!


 長剣が大きく弾かれた。


「今!」


「うん!」


 アイリが最後のファイアボールを放つ。


 火球が胸へ命中した瞬間。


 グレンが全力で踏み込んだ。


「これで終わりだぁぁっ!!」


 連続斬り。


 一撃。


 二撃。


 三撃。


 オークナイトの身体が大きく揺れる。


 やがて。


 静かに光へ包まれた。



 部屋に静寂が戻る。


「勝った……。」


 アイリがその場へ座り込む。


「勝ったな。」


 グレンも大きく息を吐いた。


 今までで一番強い敵だった。


 だが。


 二人で積み重ねてきた経験と、新しく覚えたスキルが勝利へ導いてくれた。


 その時だった。


 オークナイトが消えた場所へ、一つの宝箱が現れる。


「宝箱?」


 アイリが目を丸くする。


 グレンも慎重に近付いた。


「ボスだからか。」


「開けてみよう。」


 二人は顔を見合わせ、小さく頷いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ