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第21話 パラライズスネーク討伐

 翌朝。


 グレンとアイリは、いつものように冒険者ギルドを訪れた。


「おはようございます。」


 受付では、ミーナが笑顔で迎えてくれる。


「今日はパラライズスネークの依頼ですね?」


「ああ。」


 グレンは頷いた。


「昨日は偶然遭遇しただけだからな。」


「まずは相手を知る。」


「それが一番だ。」


 ミーナは依頼書を差し出した。


「パラライズスネーク五体討伐です。」


「噛まれると麻痺しますので、十分お気を付けください。」


「ありがとう。」


「危なくなったら帰る。」


「はい。」


 その言葉に、ミーナも安心したように微笑んだ。



 二人は六階層へ到着した。


「今日は蛇だけを探そう。」


「あまり奥へは行かない。」


「うん。」


 通路をゆっくり歩いていると、岩陰から細長い影が姿を現した。


「いた。」


 全長二メートルほどのパラライズスネーク。


 こちらへ気付くと、身体を低くして近付いてくる。


「まずは私ね。」


 アイリが杖を構えた。


「ウォーターボール。」


 小さな水球が飛び、蛇の顔へ命中する。


 パシャッ。


 大きなダメージはない。


 しかし、蛇は一瞬だけ動きを止めた。


「あ。」


 アイリが目を丸くする。


「少し怯んだ。」


 グレンも頷く。


「攻撃には向かない。」


「でも、隙は作れる。」


「十分使えるな。」


 その間に蛇が飛び掛かってくる。


「パワースラッシュ!」


 重い斬撃が蛇の胴体へ直撃した。


 ドンッ!


 蛇は大きく吹き飛び、そのまま地面を転がる。


「やっぱり強い。」


 グレンは続けて踏み込む。


「連続斬り!」


 二撃目で蛇は光となって消えた。


「今の、一撃で動けなくなったね。」


「ああ。」


「盾だけじゃない。」


「吹き飛ばす力そのものが強いみたいだ。」


 グレンは小さく笑う。


「思った以上の当たりだ。」



 その後も二匹、三匹と討伐を続ける。


 しかし四匹目。


 狭い通路の曲がり角で待ち伏せされていた。


「っ!」


 蛇が一気に飛び掛かる。


 グレンは避けきれず、左腕を牙がかすめた。


「グレン!」


 すぐに蛇を倒したものの、左腕がじんわりと痺れ始める。


「これ……。」


「麻痺だね!」


 アイリは慌てず杖を構えた。


「キュア!」


 柔らかな青白い光がグレンを包み込む。


 痺れていた感覚が、ゆっくりと消えていく。


 グレンは何度か手を握り開きした。


「動く。」


「治った。」


 アイリはほっと胸を撫で下ろす。


「良かった……。」


「これがキュアか。」


 グレンは感心したように笑う。


「覚えておいて正解だった。」


「あうん。」


「もし覚えてなかったら、一度街まで戻らないといけなかったかも。」


「ああ。」


 グレンも頷く。


「これから先は、もっと状態異常が増えるだろう。」


「キュアは必須だな。」



 最後の一匹も危なげなく討伐し、依頼は無事達成した。


 帰り道。


 アイリは嬉しそうに笑う。


「今日だけで、新しいスキル全部使えたね。」


「ああ。」


 グレンも笑みを浮かべる。


「ウォーターボール。」


「パワースラッシュ。」


「キュア。」


「どれも説明だけじゃ分からなかった。」


「うん。」


「やっぱり、一度覚えてみないと本当の価値は分からないね。」


「その通りだ。」


 グレンはマジックバッグへ討伐証明をしまいながら頷く。


「さて。」


「家へ帰ったら、また合成の時間だ。」


 その言葉に、アイリの顔がぱっと明るくなる。


「今日は何ができるかな?」


「それは神様しか知らないな。」


 二人は笑いながら、夕暮れのフォルンへ帰っていくのだった。

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