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第18話 六階層の新しい依頼

 翌朝。


 朝食を終えた二人は、いつものようにフォルン冒険者ギルドを訪れた。


「おはようございます!」


 受付では、ミーナが笑顔で迎えてくれる。


「今日はオークソルジャー三体討伐ですか?」


 グレンは首を横に振った。


「少し相談があってな。」


「相談ですか?」


「ああ。」


「六階層も何度か潜ってみて、ある程度戦えることは分かった。」


「もう少し討伐数の多い依頼はないか?」


 ミーナは少し考え、受付の奥から分厚い依頼帳を取り出した。


 ページをめくりながら口を開く。


「ありました。」


「オークソルジャー十体討伐です。」


「十体か。」


「はい。」


「最近、六階層でオークソルジャーの目撃が増えているんです。」


「そのため通常依頼とは別に、討伐数の多い依頼が出ています。」


「受けよう。」


「ありがとうございます。」


 ミーナは依頼書を差し出した。


「でも、無理はしないでくださいね。」


「十体討伐だからといって、一日で終わらせる必要はありません。」


「危ないと思ったら引き返してください。」


 グレンは笑って頷く。


「そのつもりだ。」


「俺たちは安全第一だからな。」


「はい。」


 ミーナも安心したように微笑んだ。



 二人は六階層へ向かった。


 罠察知のおかげで、通路を進む足取りも以前より軽い。


「今日は新しいスキルも試せるね。」


 アイリが楽しそうに言う。


「ああ。」


「まずはパワースラッシュだ。」


 しばらく進むと、金属がぶつかる音が聞こえた。


 オークソルジャーが二体。


「ちょうどいい。」


 グレンは剣を抜いた。


「まずはいつもどおり。」


「うん。」


「スマッシュウェーブ!」


 衝撃波が一直線に飛ぶ。


 一体は盾を構えて受け止める。


 もう一体は横へ回り込みながら距離を詰めてきた。


「やっぱり盾で止められるね。」


 アイリが言う。


「ああ。」


 グレンは静かに頷いた。


「じゃあ、新しい技を試す。」


 剣を握る手に自然と力が集まる。


 身体が技の使い方を思い出していた。


「パワースラッシュ!」


 振り下ろされた剣から、重い一撃が放たれる。


 ドゴォッ!!


 鈍い衝撃音が六階層へ響いた。


 盾を構えていたオークソルジャーが大きく吹き飛ぶ。


 盾ごと後方へ転がり、そのまま壁へ激突した。


「えっ!?」


 アイリが目を丸くする。


「盾ごと……。」


 グレン自身も少し驚いていた。


「説明には書いてなかったな。」


 倒れたオークソルジャーが立ち上がろうとする。


「アイリ!」


「うん!」


「ファイアボール!」


 火球が命中し、さらに体勢を崩す。


「連続斬り!」


 最後はグレンの剣が決まり、一体目が光となって消えた。


 残る一体も同じように盾を構える。


 今度は迷わない。


「パワースラッシュ!」


 再び重い斬撃が盾へ叩き込まれる。


 ドンッ!!


 盾が大きく弾かれ、オークソルジャーの上半身ががら空きになる。


「今!」


「ファイアボール!」


 アイリの火球が胸へ命中する。


 その隙にグレンが踏み込み、連続斬りで仕留めた。


 二体とも光となって消えていく。


 静けさが戻った通路で、グレンは剣を見つめた。


「なるほど……。」


「シールドブレイクじゃなかった。」


「でも。」


「結果は同じだ。」


 アイリも嬉しそうに笑う。


「盾を正面から押し切れたね。」


「ああ。」


「説明だけじゃ分からなかった。」


「やっぱり覚えて正解だった。」


 二人は討伐証明を回収しながら、さらに奥へ進んでいく。


 しかし、その先で待っている魔物が、オークソルジャーだけではないことを、この時の二人はまだ知らなかった。

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