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第16話 初めての青スキル

 机の上には、合成候補として選んだスキルブックが並んでいた。


 グレンは腕を組みながら、一冊ずつ見つめる。


「説明を読んで、どう考えても今の俺たちには必要ない。」


「そう判断したものだけだ。」


 アイリも頷く。


「迷うものは覚える。」


「必要ないものは合成。」


「それでいいと思う。」


 グレンは二冊の白いスキルブックを手に取る。


「まずはここからだ。」


 光が溢れ、一冊の緑色のスキルブックが生まれる。


「また緑か。」


 表紙を見る。


「……パワースラッシュ。」


 アイリが笑う。


「また?」


「ああ。」


「同じスキルができた。」


 グレンも笑みを浮かべる。


「悪くない。」


「これで二冊目だ。」


「合成に使えるね。」


「ああ。」


 パワースラッシュのスキルブックは木箱へ戻した。


 続いて、もう二冊。


 淡い光が部屋を包み込む。


「今度は……。」


「ウォーターボール。」


「また?」


「まただな。」


 二人は顔を見合わせて苦笑した。


「説明だけじゃ便利そうなんだけどね。」


「ああ。」


「二冊目だから、こっちは素材に回せる。」


「一冊は覚えて、一冊は合成。」


「そういう使い方ができるね。」


 さらに二冊。


 今度は見慣れない名前だった。


「ストーンスキン。」


 説明を読む。


『一定時間、防御力を上昇させる。』


 アイリが首を傾げる。


「私の防御強化と役割が似てるね。」


「今は優先しなくてもいいな。」


「これも素材候補かな。」


「ああ。」


 グレンは頷いた。


 こうして合成を繰り返しているうちに、木箱の中には緑色のスキルブックが少しずつ増えていった。


 アイリはその数を見て目を丸くする。


「ねぇ。」


「緑、結構増えたよ?」


 グレンも数えてみる。


「本当だ。」


 木箱の中には、使わないと判断した緑のスキルブックが二冊並んでいた。


「試してみるか。」


「緑と緑?」


「ああ。」


 グレンは慎重に二冊を机へ置いた。


「青スキルになるかもしれない。」


 アイリは思わず息を呑む。


「初めてだね。」


「ああ。」


「何ができるかは分からない。」


「でも、それが面白い。」


 二冊のスキルブックが淡い青い光に包まれる。


 白を合成した時より、光はずっと強い。


 しばらくして。


 一冊の青いスキルブックが、静かに机の上へ現れた。


「青……。」


 アイリが小さく呟く。


 グレンは慎重に表紙へ手を伸ばいた。


「さて……。」


「今度は、どんなスキルなんだ?」


 二人は期待と少しの緊張を胸に、ゆっくりと表紙を開いた。

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