エピローグ 皇帝夫妻はやっぱり今日もいません。
今日も稼ぐぞー。
どんな料理にしようかねー。
私は大きな天蓋ベッドで伸びをした。
「起きたか?ジェイア。」
もう起きて仕事中の
夫の統一皇帝が近づいてきてキスをした。
「おはよう、ギル!」
今日も元気が一番だよね。
昼はかきいれ時なんだ♪
「ヌツオヨ定食あがったよー。」
背中に息子のファルディアス背負ってウェーターしてる夫に声をかけた。
「わかった。」
小料理屋ハナミズキは今日も賑わっています。
最近の客層は護衛官とか皇宮の官吏です。
一般人も来るけどね。
安くて美味しいがコンセプトのハナミズキです。
「ファルディアスちゃんー元気~?」
近所のおばちゃんがやって来ました。
皇帝夫妻って知ってても
普通に接してくれて嬉しいな♪
「あはは~、皇太子捕まえてファルディアスちゃんはないか~?」
そんことないよ。
「ファルは元気だ。」
夫がおばちゃん達に見せた。
ファルディアスは元気に泣いてました。
オムツかな?ミルクかな?
「ジェイアちゃんが皇妃だなんて信じられないよね。」
果物屋おばちゃんが言った。
お茶出しに来たんだ。
夫はファルディアスのオムツを代えてるから。
「私の方が信じられないよ。」
しかも、統一皇帝唯一の妃だし。
あのあと後宮解散したんだよね。
私は別に妃は沢山いてもいいと思うんだけど。
費用がかかって大変だし。
オレはジェイアしかいらん。
と後宮解散です。
「ジェスさん、今月の会計報告ですわ。」
シノンさんは会計士になりました。
御世話になってます。
自立しててすごいよね。
「ありがとう!」
私も頑張んなくっちゃ。
「ガル、帰らないとビー兄ちゃんが怒ってるってよ。」
ハナミズキでは偽名ガルディオンなんです。
イー兄ちゃんから通信来ました。
フェデルーダ護衛国人な兄ちゃん達は
元気に護衛官してます。
ビーヌシス兄ちゃんは結婚もせず。
統一皇帝の信頼の側近護衛官長として活躍してます。
ビー兄ちゃんとギルデアスが出来てる噂はなくなりません。
ギルの妻の私の立場は?
「帰るか、ビーヌシスは怖いからな。」
ガルが言いました。
ディー兄ちゃんは何故かセラシナ様とくっつきました。
フェデルーダ護衛国の女性にない繊細さに引かれたそうです。
例の事件の恩賞として下賜されました。
今は元オーヨで属国オーヨのセラシナ女王の夫してます。
セラシナ様が治めた方が良いと言うことになったんだって。
案外、セラシナ様頭良いらしいです、オーヨ属国も落ち着いてます。
だから、私に連絡くれたのは、イーリノエス兄ちゃんです。
「では、行くか。」
ガルがファルディアスを背負ったよ。
私は落ち着かないので背負わせるの心配なんだってさ。
「じゃあ、おかみさん、旦那さん、あとはよろしくお願いいたします。」
二人はまだまだ現役です。
「ジェイアちゃんがおかみさんだろ。」
おかみさんが言った。
ウ~ンでも感覚的にはおかみさんはおかみさんなんだよね。
「皇帝陛下、ジェス、出掛ける時は声をかけてください。」
ビーヌシス兄ちゃんが言った。
声かけたら皇宮からださない癖に。
「ファルディアス皇太子殿下までお連れになって。」
ビー兄ちゃんが顔をしかめて言ったよ。
だってさ、私にとって皇妃は副業だし。
本業が小料理屋ハナミズキのおかみなんだよね。
とりあえす、公務に戻って仕事したあと。
なんとか夜の営業に間に合いました。
小料理屋ハナミズキは夜はお酒が出ます
ゆったりのんびりしっとりがコンセプトなんだよね。
「酒だ、酒だ!酒だ!」
「麦酒だ!くれ!」
おお、出たよ、酒のまれオッサンず。
今回は二人かい。
良いけどね、暴れないでね。
「この、暴力女~!いてー!」
悪かったね。
「覚えてろ!」
覚えてられるかい。
結局暴れたんで連れ出してのしました。
酒はのんでものまれるなってね。
「大丈夫か?ジェイア?」
ガルが心配そうにファル抱いて出てきた。
「大丈夫だよ、戻ろうか?」
しあわせを噛み締めながら店に帰った。
幽霊側室は廃業しました。
今の私は、副業、爆裂皇妃で。
本業、小料理屋ハナミズキのおかみです。
ヌツオヨ大陸のヌーツ帝国の皇都の下町で夫と息子とお待ちしてます。
皆さん、お近くにおいでの時はぜひおいでになってくださいね。
サービスしますよ、よろしくお願いいたします。
長い間ご愛読ありがとうございました。
これにて『幽霊側室は今日も不在』は閉幕です。
番外編は企画したいところですがまだ未定です。
明日から『傭兵国に生まれました...平和惚け上等!』を連載いたします。
転生者な『戦闘文官』が主人公です。
本人は平和主義者ですが。
よろしくお願いいたします。
阿野根の作者




