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魔法学園の救世主  作者: 暇な蟻さん
対抗戦編
13/15

第十一話

前話に書き足したので先にそちらを読んでください

 「「「………」」」


 観戦していた人たち全員が目を見開いて俺の方を見ていた。


 「…勝負ありだよな?」


 このままだとずっと見られていそうだったので、和真と呼ばれていた男に勝負の決着を促す。


 「…あ、ああそうだな。勝負ありだ!」


 声を大にして宣言する。

 すると第七学園の生徒…和真という男以外の三人が俺が倒した男に向かう。


 「武藤さん!」

 「大丈夫ですか!」

 「大輔さん!」


 「…俳句かよ」


 三人に聞こえないようにつぶやいたら、


 「…字余り」


 いつの間にか隣に来ていた水晶が同じくらいの声の大きさでつっこむ。

 その言葉に軽く苦笑しながら、水晶の頭を軽く叩く。叩くというよりは撫でるに近い力の強さではあるが。

 その光景を見ていた第二学園の生徒は…随分驚いているな、なんでだ?

 

 「…み、水晶はその男の人と親しいの?」


 我慢できなかったらしく、若干声を震わせながら湊と呼ばれていた女の子が水晶に尋ねる。さらに彼女の周りにいる三人もコクコクと頷きながら興味深そうに水晶を見ている。

 尋ねられている水晶はというと、


 「…零華、わたしたち…ともだち?」


 俺のほうをまっすぐ見て聞いてくる。相変わらず眠そうな目ではあったが少しだけ不安そうに見える。

 それが質問の答えになるのかはわからないが、自分が思ったことを水晶に伝える。


 「ああ、友達…だ」


 まっすぐ見つめてくる目に少しだけ恥ずかしくなり、鼻に触れ視線を少しだけ水晶からそらしてしまう。

 我ながらものすごくかっこ悪い…


 「…ともだち」


 水晶はもう一度その単語を言うと、俺の方を向き満足そうに微笑む。

 その姿に少しの間見惚れていたことは絶対に知られたくないことである。

 そのまま第二学園の生徒達の所に戻っていき、彼女達に何かを話している。残念?ながらここから会話は聞こえないが印象が悪くならないように祈っておくか。

 そう思っていると和真という名の第七学園の男が俺に話しかけてくる。


 「お前はいったい何者なんだ?大輔は個人戦の学園代表の男だぞ…」


 俺が勝ったのが信じられないみたいだ


 「あいつは俺のことを弱いと思い込んでいて随分油断してたからな、そんなやつを倒すことなんて誰にでもできるさ。」


 最も、例え油断していなくても俺は負けるつもりはないけどな。

 和真とかいうやつはまだ納得していないようだが、とりあえずは俺から離れていく。

 


 動いたことによって俺の空腹感はさらに大きくなり、腹も何度か鳴ってしまっている。


 「…零華、ごはん…いく」


 後ろから水晶が声をかけてくる。これ以上ないぐらいグッドタイミングだった、


 「ああ、早く行こう。ホントに倒れそうだ。」


 冗談のつもりはなかったのだが、水晶は冗談と思ったらしく小さく笑う。

 すでに第七学園の生徒達は医務室に向かったようでここにいるのは俺と第二学園の生徒だけだ。

 俺達も食堂に向かい始める。


 

 食堂に向かいながら、軽く自己紹介を行うことになった。


 「アタシの名前は宝条 湊(ほうじょう みなと)よ。とりあえずさっきはありがとね♪問題を起こすわけにはいかなかったから助かったわ。

 学年はあなたより二つ上で三年生よ。」


 微笑みながら話してくれるのは、大人っぽい外見に反してずいぶん柔らかい印象だった。

 外見だけでいえば同学年には見えなかったので、年上というのにも納得…


 「失礼なこと考えてるでしょ…」


 「……すまない」


 笑いながら言ってくるその顔は、さっきの顔と印象が正反対だった。

 一応謝っておくが、初対面の時に失礼な誤解をされたのでこれでおあいこだろう。

 その後三人が自己紹介をしてくれて、水晶はお互い知っていたので省略となった。


 「…名前は皇 零華だ。一応第十三学園の代表ってことになってる、よろしく」


 俺一人が自己紹介をしないわけにもいかないので、軽くそれを済ませる。

 すると沈黙が起こり、なぜか第二学園の生徒が俺の方を衝撃的な目で見ている。

 

 『…十三学園っ!?』

 「………」


 「うわっ!」


 水晶以外の四人が廊下に響くほどの声で言う。

 突然だったので、反射的に声を出してしまう。

 代表して湊さんが俺に尋ねてくる、


 「第十三学園って、それなのに第七学園の代表者を倒したの?」


 信じられないと言うように、こちらを見ている。やはり学園の番号というのはそれだけ大きく考えを偏らせてしまうのだろう。


 「たとえ十三番目だとしても、そこが弱いとは限らないさ。

 それにあの男は随分油断していたから、そんな奴に負けてやるほど俺は優しくないさ。」


 自分が偏見を持ちながら話していたのに気づいたのか、湊さんが申し訳なさそうに俺に話す。

 

 「ごめんなさい、差別的な感覚は持たないように意識しているつもりなのに…」


 「…そう意識してくれるだけでも俺達にとってはありがたいよ。」


 そう言って彼女に微笑むと、彼女もつられて笑ってくれる。


 「…零華」


 袖を掴まれたので振り返ると、水晶が何か話したそうにしている。水晶は初対面の時に、俺が十三学園の生徒だと知ったはずだ。


 「零華の魔力量はなに…?」


 水晶はそれがずっと気になっていたようだ。隠したほうがいいのかもしれないが、水晶に嘘は通じない気がしたので正直に言うことにする。


 「…S以上らしい。うちの学園の測定器じゃそれ以上は測れないらしいから、SかもしれないしSSSかもしれない、そんな感じだ。」


 この事実にはさすがに水晶も驚きを隠せなかったようで、目を見開いて驚いていた。普段とは違う表情で、とても可愛らしかった。

 水晶以外の湊さん達四人は絶句してしまっている。

 そろそろ居心地の悪さを感じ始めたので、さっさと食堂に向かうことにする。

 

 「ほら、早く行こうぜ。もう空腹が限界に近いんだよ。」


 そう言って歩きだすと後ろで何か言っていたがとりあえずは付いてきてくれる。



 ───食堂


 「わぁー、すごい!」


 湊さんが言う。声にはしないが俺も同じ意見だった中はとてつもなく広く、内装も豪華なものだった。

 席はあらかじめ決められており、学園別となっている。


 「それじゃ、また…」


 そう言って俺は自分の決められた席に向かおうとするが、


 「零華も…いっしょにたべる?」


 俺が一人ということをわかっているようで、水晶がそんな提案をしてくれる。ありがたくはあったが、それはそれで周りの視線が厳しくなる気がしたので、遠慮しておいた。


 俺はようやく少し遅めの昼食を済ませた。

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