女三人寄れば
二人の令嬢は、都会のビル群と大量の車に驚き、テレビとスマホに大興奮し。何より、『パンケーキ』に目を輝かせていた。
「…こんな、こんな美味しいものがあって良いのですか…」
「私たち、頑張った甲斐がありましたわー!!」
カフェで生クリームたっぷりのパンケーキを頬張りながら、魂の叫びを口にする二人。すっかり仲良しじゃねえか。塩田は若干引いていた。
「魔法がないのに、魔法よりすごいなんて、科学って不思議ですわね」
「多分ね、ノエルさんが目指したかったのって、こういう世界なんじゃないかな。魔法が使えなくても平等に便利っていう」
「文化を持ち帰りましょうリリア。我が国の大きな発展に繋がりますわ」
そしてババリアーナは若干研究者肌、ということが分かった。この子シゴデキや。
「馬場はしょっ中グランヴェル王国に行ってるんだろ?ローワンの野郎に会いに」
「うん、でもいつも成島さんがついてくるの。…正直仕事を思い出してくつろげないから、止めてほしいんだけど」
するとリリア嬢が目をきらきらさせ、ババリアーナはため息をつき、塩田は舌打ちした。何だよ、何なんだよ。
「恋ですわね」
「えっ、あの、いや、ローワン先生は私の癒しであって…」
「そっちじゃないでしょ、鈍い人ね」
「惚気はうんざりだ」
「は??何が惚気なの?」
私の恋は何一つ成就してないのに、いい感じの塩田に言われたくないんだけど。
「…それにしても、王妃は誰になるんだろうねぇ」
「アルフォンス王子がどなたをお選びになるか、私たちでは分かりませんわ」
「貴女たちはアルフォンスを選ばなそうだしね…」
「私は王妃になる覚悟もありますわよ?努力は怠っておりませんわ」
「ババリアーナは、好きな人いないの?」
ババリアーナがきょとんとする。…え、ちょっと。可愛いんだけど。
「それ、私も聞きたいですわー!!」
「何よ、何よ!王妃には恋なんて必要ないですわ!!」
「女三人寄れば姦しいってか…」
「ところでシオダさん、私あの高い塔に登ってみたいですわ!」
「私はあの真っ赤な門が気になりますわ!中にあるのはお城ですの?」
「うるせえ!順番だ!!」
悪役令嬢と私たちのへんてこな日常は続いていく、多分これからも。




